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さよなら、田中さん の商品レビュー

4.3

185件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2021/02/24

2021年2月 めちゃくちゃに面白かった!読んでいて元気になる。 主人公の花実ちゃん(小学6年生)の目を通して語られるお母さんがパワフルで魅力的だ。 お母さんは工事現場で力仕事をしていて、ご飯をたくさん食べて、仲のいい大家さんと冗談を言い合ってガハハと笑う。生命力がすごい、とにか...

2021年2月 めちゃくちゃに面白かった!読んでいて元気になる。 主人公の花実ちゃん(小学6年生)の目を通して語られるお母さんがパワフルで魅力的だ。 お母さんは工事現場で力仕事をしていて、ご飯をたくさん食べて、仲のいい大家さんと冗談を言い合ってガハハと笑う。生命力がすごい、とにかくすごい。 小学校高学年って、まだまだ見えている世界は小さいかもしれないけれど、観察力や思考力は大人と変わらない、独特な存在かもしれない。自分が小学生だった頃を思い出した。

Posted byブクログ

2021/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 義母が貸してくれた。冒頭さっそくシングルマザーものと気付いて、あぁ、と思ったけれど、一応借りた手前感想のひとつやふたつ言っておいた方が角も立たないことであろうと思い、黙って読み進めた。  主人公は小学生の田中さん。破天荒な母親と二人きりの貧乏な暮らし。友達とディズニーランドに行きたくて自動販売機の下に小銭が落ちていないか這いつくばって探しているところをクラスメイトの男子に目撃されてバカにされたり、母親の再婚話が自分の存在があるせいで失敗したと思い込んで自ら施設に入ろうとしたり、アパートの大家の引きこもりの息子と心を通わせ合ったり、というエピソードが収録されている短編集だ。波乱万丈ではあるけれど一方でちゃんと現実味のあるエピソードで、そうかぁ大変だったんだなぁ、と思った。  最終章は語り手が変わり、田中さんに想いを寄せるクラスメイトの男子の視点から綴られる。優等生の兄と姉を持つこの生徒は、小学校受験にも中学校受験にも失敗し、自分のせいで母親が狂っていく様を目の当たりにする。その狂いようは凄まじく、本人になんの相談もなく、山梨の全寮制の中学校に入学することを決めてしまう。自分は家族の厄介者だと改めて思い知って、山梨に向かい車中でつい「ドナドナ」を口ずさんでしまう彼と、それを隣で聴いて真っ青になる母親。壮絶だなぁ、と思った。  ものの30分くらいで読了。とにかく読みやすい文章だったな、義母になんと感想を伝えようかな、なんて考えながら本の袖に書かれた作者紹介を読んで、この本の作者が出版当時14歳の中学生であることを知る!なんと!しかも収録されているエピソードのうち2つは、小学校4、6年生のときに小学館主催『12歳の文学賞』で大賞を受賞した作品を改稿したものだそうだ(ちなみに小学校5年生のときにも受賞していて、史上初の三年連続受賞とのこと)。  読みやすい文章だねぇとか表紙のイラストが西原理恵子だねぇとかそういう次元ではなかった。小学生がこんなウィットに富んだ軽快な文章を書くとはね!ひぃ!私も小さい頃から文章を書くことは大好きだったけれど、シリアスかおふざけかのどちらかに必ず偏ってしまって、読む人に何かを考えさせるけれどそれでいて楽しくもあるような文章は、書けた試しがなかった。だから作者情報を知ってこの本の印象がガラッと変わった。ちょっとそれを知った上でもう一回読んでみたいと思った。  と、いうような感想を述べたところ、大変喜んだ義母からこの本を贈呈していただける運びとなった。そしてなぜか一緒に「はじめての『般若心経』写経練習帖」もくれた。有り難き幸せ。今日この瞬間から心安らかに生きたい。

Posted byブクログ

2021/02/02

中学生とは思えない描写力、中学生だからこその視点。テンポもよく読みやすい。タイトルの意味にもうまいこと転がされ楽しめた。

Posted byブクログ

2021/01/08

これは面白かった。 中学生作家、鈴木るりかさんの他の作品も読んでみたくなった。 田中さんのママのような大きな人間、親として 我が子たちとも向き合っていけたらなと思うことができた。 正直、三上くんママのような親には絶対にならないようにしたい。 何があっても子どもを悲しませるようなこ...

これは面白かった。 中学生作家、鈴木るりかさんの他の作品も読んでみたくなった。 田中さんのママのような大きな人間、親として 我が子たちとも向き合っていけたらなと思うことができた。 正直、三上くんママのような親には絶対にならないようにしたい。 何があっても子どもを悲しませるようなことをしてはいけないと思う。

Posted byブクログ

2020/12/12

花実(はなみ)は小学校6年生。男の人に混じって作業現場で働くお母さんと二人暮らし。お父さんは生まれた時からいなかった。どんな人だったか聞いてもお母さんは教えてくれず、触れてはならない空気になっていた。 花実の家もどことなく訳ありだけど、お友達や出会う人の中にも訳ありのご家庭があ...

花実(はなみ)は小学校6年生。男の人に混じって作業現場で働くお母さんと二人暮らし。お父さんは生まれた時からいなかった。どんな人だったか聞いてもお母さんは教えてくれず、触れてはならない空気になっていた。 花実の家もどことなく訳ありだけど、お友達や出会う人の中にも訳ありのご家庭があって、それぞれ『食器棚の中の骸骨』を抱えている事を知る。 まるで昭和のホームドラマ出て来そうな世話焼きの大家さん、元々優秀だったのにニートになっちゃった大家さんの息子、さり気なくおまけをしてくれる激安スーパーの社長、本当は思いやりがあるのに誤解されやすい担任の先生、除きの濡れ衣を着せられてエロ神と言われた同級生の三上くん、面白いキャラがたくさん登場する。 その中でも極めつけはお母さん。過去の事はあまり話したがらないが、いろいろ苦労したんだろうと伺わされる。子どもの頃何になりたかったか問われ、お供えを食べられる人になりたかっ、とか。尊敬する人を聞かれ、20年もホームレスしているおじいさんとか…言う事が桁外れで行動もカッ飛んでいる。花実はお母さんが大好きだ。 花実の一人称で語る短編集だが、最後の『さよなら田中さん』だけが花実を密かに思う同級生の三上くんが語り手になってる。この三上くんも訳ありで、橋の上に佇んでいる所を花実親子に救われる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 花実もお母さん貧乏だけど、そんな事気にしないで明るく毎日を生きている。だから周りの人達も自然と二人を好きになる。 三上くんや大家さんの息子の賢人、ちょっと落ちこぼれている人達の寂しさ哀しさが、じわっと滲み出ている。面白い話だけど最後の三上くんの話だけは泣けてしまった。 小学生の子どもがいたら、是非買ってあげたい。

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2020/10/12

娘が図書室で借りてきたものを読みました。14歳の中学生が書いたということで話題にもなった小説。これがまたなかなかのもので、素晴らしかったです! けっして裕福ではない母子家庭の娘、花実は働き者のお母さんと暮らしている。他に身よりはなく二人ぼっちの家族。その生活はお金がなくても明るく...

娘が図書室で借りてきたものを読みました。14歳の中学生が書いたということで話題にもなった小説。これがまたなかなかのもので、素晴らしかったです! けっして裕福ではない母子家庭の娘、花実は働き者のお母さんと暮らしている。他に身よりはなく二人ぼっちの家族。その生活はお金がなくても明るく見える。 お母さんが本当に豪快で、クスリと笑ってしまうような言動。でもこのお母さん、実はとっても深いです。真理を突いている。食べて、とにかく生きていくこと。とてもシンプルだけど、力強い。 そのお母さんに時には振り回されつつ、花も色々と考えながら生きていて。切なくなるような個所もあるけど、花はお母さんのことを、そしてお母さんも花のことを大好きで大切に思っていることが文章の行間からにじみ出るような。 ずっと花の目線で書かれていたのが最後の章だけ同級生の男の子目線になる。この章がまた泣けました。面白い小説と思わせておいて、泣かされたよ。すごーく良かったです。読み終わって、あぁ~!と思いました。素晴らしい。文章力もすごい。読みやすくて面白くて、でも本質に迫るような、こんな文章を14歳で書けるって。これからの活躍が楽しみです。 「胸のあたりにあった悲しみの玉みたいなものが一気にせり上がってきて、のどを通って口からあふれ出し、声を上げて泣いてしまった」この文章。あぁすごくわかる。泣いてしまう時ってまさにこんな感じだ。こんなにぴったりくる文章に出会ったのは初めて。

Posted byブクログ

2020/09/17

若い素晴らしい作家さんにビックリです。 今回、14歳の時のデビュー作を読みましたが、現時点ではまだ17歳!? 素直に物事を見る目と表現する言葉をお持ちな作家さんで、これからも作品が楽しみです。 登場人物が目の前に浮かびます。 ずっとこの素直な優しい目線を持ち続けて欲しいなぁ。 ...

若い素晴らしい作家さんにビックリです。 今回、14歳の時のデビュー作を読みましたが、現時点ではまだ17歳!? 素直に物事を見る目と表現する言葉をお持ちな作家さんで、これからも作品が楽しみです。 登場人物が目の前に浮かびます。 ずっとこの素直な優しい目線を持ち続けて欲しいなぁ。 アハハと笑って、何事も無理やりでも(笑)良い方に解釈していくお母さんと大家さんの会話は、人生には悲哀があることを包んでいて、チョッピリ切ないですね。 そしてお母さんが、悲しい時はとりあえずメシを食えと語るシーンは、泣けますね。お母さん、哲学者か!?(笑)

Posted byブクログ

2020/07/22

なんかたくましい、そんな話。 傍から見たら決して幸せには見えないだろう花実だけど、たくましくて生き生きしていて、幸せそうだ。 友達に恵まれているのが何より。 最後の表題作は同級生からの視点。うまいまとまり方だと思う。

Posted byブクログ

2020/07/17

メスのカバが、神様に頼んで1日だけ人間にしてもらったらこうなりました、、なんて表現が面白いし、すごくイイ! 14歳、恐るべき才能。 花実ちゃんの性格も明るくて前向きで、暗くなりがちな家庭環境の設定なのに、ほんわかしてる。

Posted byブクログ

2020/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どんな立場の人にも何かしらの希望があるから生きていける ちょっと感動している るりかちゃん、すごいよ 年齢フィルターを通して読んでいる自分を改めなくては それにしても装丁イラストが残念だなぁ 後半はその年齢のしんどさが辛くて飛ばし読みしちゃったよ るりかちゃんには、その年齢にしか書けないものに期待! 大人が書くような作品は、これからだって書けるんだし でも自分は大人なので共感出来なくて 飛ばし読みしちゃうかもだけど

Posted byブクログ