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さよなら、田中さん の商品レビュー

4.3

185件のお客様レビュー

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2022/07/12

とても素晴らしい物語だった。  この本を読んだ誰もが思うことだろうけれど、中学生が書いたとは‥‥すごいな。  私はこういう『ガハハ』と笑って生きる人のお話が大好きです。嵐の相葉君の言葉ですが、『楽しいから笑うのではなく、笑っていると楽しくなってくる』んだそうです。これは簡単なよう...

とても素晴らしい物語だった。  この本を読んだ誰もが思うことだろうけれど、中学生が書いたとは‥‥すごいな。  私はこういう『ガハハ』と笑って生きる人のお話が大好きです。嵐の相葉君の言葉ですが、『楽しいから笑うのではなく、笑っていると楽しくなってくる』んだそうです。これは簡単なようでなかなか難しいですよね。 主人公の花実は小学六年生。 『ガハハ』と生きているお母さんのもとで、素直に育っている。賢い子なので、お母さんの言う理論に、ハテナ?と思うところはあっても真っ直ぐに受け入れている。そして、六年生ともなれば、友だちとの家庭環境の差なども見えてきて、一瞬引っ張られそうになっても、キチンとぶれない自分に戻ってきて強い子だなと思いました。 最終章は花実目線ではなく、同級生の三上君が語り手になって花実親子の姿が描かれます。それまで面白おかしい親子のお話だったのが、この章があることで、グッと締まりのある小説になっていると思います。 続編では花実が中学生になっているとのことなので、思春期真っ只中で花実がどう変わってゆくのか、あるいは変わらないのか、ぜひぜひ読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2022/07/06

主人公は小学6年の女の子、田中花実。 働き者のお母さんと二人暮らし。 貧乏で壮絶な節約っぷりは、普通に考えると切ない程だが、この母は底抜けに明るい。 この母の名言(?)が色々あって面白いので、ちょっと紹介を。 “人からもらった食べ物はすぐ食え。後で返せとわ言われないうちに” “...

主人公は小学6年の女の子、田中花実。 働き者のお母さんと二人暮らし。 貧乏で壮絶な節約っぷりは、普通に考えると切ない程だが、この母は底抜けに明るい。 この母の名言(?)が色々あって面白いので、ちょっと紹介を。 “人からもらった食べ物はすぐ食え。後で返せとわ言われないうちに” “死にたいくらい悲しい事があったら、とりあえずメシを食え。そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ。それでまた腹が減ったら、一食食べて、その一食分生きるんだ。そうやって命を繋いでいくんだよ。” 食べることに執着している母の名言は、食にまつわるものばかり。 面白おかしく話しているが、深いのです… 毎日大笑いし、大食らいし、生きていることに感謝している母を、娘の視点から尊敬と愛を込めて描いている。 貧乏であっても心は豊かで、余裕があるように感じる。 素敵です。 そしてこの作品を読んだ自分は改めて、当たり前に毎日ご飯を食べられること、生きていることに気付かされ、ハッとする。 この作品は5編からなる連作。 私は「花も実もある」と表題作の「さよなら、田中さん」が好き。 この本、さてさてさんのレビューで知りました。 そしてこの本が出版されたとき、著者は中学生というから驚き! 読み始めは“中学生”と言うことが頭にあったけど、すぐにそんな事は忘れる程、面白かった。 他にも作品があるようなので、是非読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2022/07/03

著者の鈴木るりかさんが中学生の時に書いたという本。すごい中学生だなぁ。感受性豊かな人だなと思う。貧乏でもとにかく明るい花ちゃんと働き者で豪快なお母さんはマイペースに生きながらも他の人たちの心を救っている。最後のほうに出てくる三上くんは花ちゃん親子が近くにいて本当に良かった。

Posted byブクログ

2022/06/21

あとがきで知った中学生作家、鈴木るりかさんの本。ほっこりさせてくれる短編が4つ。母子家庭ながらも幸せに過ごす田中さん母娘の物語。

Posted byブクログ

2022/06/18

数年ぶりの再読。主人公の田中花実ちゃん。お母さん想いで本当に優しい子。個人的に最後の章の、三上くん視点の話が好き。橋の欄干に手を伸ばしているところを発見してからの、花実ちゃんのお母さんの言葉が印象的。「悲しいことがあっても、ごはんを食べろ。そしたらその分生きろ。その繰り返しで命を...

数年ぶりの再読。主人公の田中花実ちゃん。お母さん想いで本当に優しい子。個人的に最後の章の、三上くん視点の話が好き。橋の欄干に手を伸ばしているところを発見してからの、花実ちゃんのお母さんの言葉が印象的。「悲しいことがあっても、ごはんを食べろ。そしたらその分生きろ。その繰り返しで命を繋いでいくんだよ」 辛い時は、食事中、この言葉を頻繁に思い出して自分を勇気づける。

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2022/04/30

これ好きー♪ 時々見かけて気になっていた本作。まさか発売当時の著者が14歳の中学生だったなんて! それでこのクオリティ。凄すぎる…。 読みやすい文章でスラスラ読めました。でも、しっかり響いてくるものがあっていい。想像以上に良かった。 母子家庭の花ちゃん。お母さんはいつも元気で明...

これ好きー♪ 時々見かけて気になっていた本作。まさか発売当時の著者が14歳の中学生だったなんて! それでこのクオリティ。凄すぎる…。 読みやすい文章でスラスラ読めました。でも、しっかり響いてくるものがあっていい。想像以上に良かった。 母子家庭の花ちゃん。お母さんはいつも元気で明るくて豪快で、花ちゃんのために工事現場で毎日お仕事を頑張っている。 お母さんが花ちゃんを大切に思ってるのが伝わってくるし、花ちゃんがお母さんを大好きなのもすごく感じる。 生活は困窮していて決して楽ではないけど、いつも親子で楽しそうにしていて健やか。読みながらこちらまで笑顔になってしまう。 花ちゃん視点が四編と最終話の同級生の信也くん視点が一編。 この構成もまたいい!クスッとなったり切なくなったり、どの短編もそれぞれにおもしろかった。 余韻も感じるし希望も感じる。ラストはじ~んときた。 続編も読みたいし新刊本も是非読みたい。 今後の活躍が楽しみです。

Posted byブクログ

2022/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

貧しいけれど、脇目も振らず生きることに全力の母親と小学6年生の娘、花実の日常や周りの人たちとの出来事を綴った5つのお話。 一番に思うことは、子どもは大人が思うより、周りの大人のこと、物事の本質を見ているということ。 花実は、母親が汗水たらして必死で働く姿を見て、生まれたときからいない父親のこと、貧しいということ、食べること、お金のこと、自分の存在のことを一生懸命考えている。 木戸先生も母親の言葉も心に刺さって、こんな話をしてくれる大人が花実の側にいてくれて良かったと思う。 最後の「さよなら、田中さん」は切なすぎた。 学歴、世間体しか頭にない毒親に身も心も縛られていた三上くんにとって、田中親子は生きる上でもっと大切なことを教えてくれた。 「もし死にたいくらい悲しいことがあったら、とりあえずメシを食え。そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ。そうやってなんとかでもしのいで命をつないでいくんだよ。」と。 家族からも友達からも離れて生活を始める三上くんが最後に、みんなが悲しくて泣く日が少しでも減りますようにと祈り、「その分、代わりに僕が泣きます。僕は泣くのに慣れているから」という言葉は辛すぎた。 どうか、三上くんのこれからの人生に明るいことが待っていますようにと願ってやまない。

Posted byブクログ

2022/03/05

日常の中の小学6年生の世界を「まさにこれがみずみずしいってことだな!」という感性で描いています。会話などが自然で、ユーモアがあって好感が持てました。 “悪人”と言われるようなことをしてしまう人も出てくるのですが、憎らしさを抱くような悪というより、人としての弱さを感じるせつないもの...

日常の中の小学6年生の世界を「まさにこれがみずみずしいってことだな!」という感性で描いています。会話などが自然で、ユーモアがあって好感が持てました。 “悪人”と言われるようなことをしてしまう人も出てくるのですが、憎らしさを抱くような悪というより、人としての弱さを感じるせつないもので、社会や人間への関心や洞察力が高い方なのだろうか、と思いながら読んでいました。 読み終わってしばらくして、14歳の方が書いたと知りました。

Posted byブクログ

2022/02/27

貧しいけれども底抜けに明るい母子家庭で育つ小学生女児のお話。 落ちている銀杏を食料源にしたり、お金がないからみんなが行っているテーマパークに行けない等、暗くなりがちな貧しい家庭の日々の話を笑いとばしてくれるお母さんの豪快さとたくましさ。その母に育てられている花実も明るくまっすぐ...

貧しいけれども底抜けに明るい母子家庭で育つ小学生女児のお話。 落ちている銀杏を食料源にしたり、お金がないからみんなが行っているテーマパークに行けない等、暗くなりがちな貧しい家庭の日々の話を笑いとばしてくれるお母さんの豪快さとたくましさ。その母に育てられている花実も明るくまっすぐ育っていく。 え!?これ中学生が書いたの!?言われなければわからない、文面も内容もちゃんとしているし面白い。続編もありそうだな、あるのかな?とりあえずお母さんはどう育ってお母さんに何があったのかが気になる。

Posted byブクログ

2021/12/03

図書館で見かけて、以前中学生作家として話題になっていた事を思い出し何気なく読んでみました。素晴らしい!笑って泣けてほのぼの‥かと思いきや最後の章に驚かされました。中学生とは思えない表現力と知識にもただただ感心です。読書量の賜物かと思いました。 デビューのきっかけとなった「12歳の...

図書館で見かけて、以前中学生作家として話題になっていた事を思い出し何気なく読んでみました。素晴らしい!笑って泣けてほのぼの‥かと思いきや最後の章に驚かされました。中学生とは思えない表現力と知識にもただただ感心です。読書量の賜物かと思いました。 デビューのきっかけとなった「12歳の文学」の大賞を取った作品もこの本の中に入っています。続編「太陽はひとりぼっち」「私を月に連れてって」もすぐに読みました。こちらも合わせておすすめです。

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