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さよなら、田中さん の商品レビュー

4.3

185件のお客様レビュー

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2020/04/16

中学受験、貧困などに対する小学生の感じ方、冷静な考え方に感心する。 また、人を笑わせるツボなどが妙に大人びていて感心させられる。

Posted byブクログ

2020/07/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

とりあえずメシを食え。 西原理恵子がイラストを描いているが頷ける。主人公の田中花実は、労働現場で働く母と二人暮らし。思うことはいろいろあるが、たくましく生きている。 表題作「さよなら、田中さん」は最後の章で、この話のみ語り手は、クラスメイトの三上くんである。それまで田中さんの一人称で、不在の父について、母の見合いと大家の息子の賢人について、友人たちと遊ぶお金について、銀杏拾いと七五三について、彼女が過ごしてきた人生と、決して普通ではないが愛情を感じる母との関係を読んでいたので、最初は戸惑った。 しかし、クラスカーストの底辺に近く、また家族関係にも支障をきたしている三上くんから見た田中さんは眩しい。また、田中さんが独自の道を行き、揺らがない存在であることが、三上くんにエネルギーを与えていることに嬉しくなる。追い詰められた三上くんを救った、田中さんの母の言葉は、なかなか教えられていない大切なことである。おなかがすいたら、とにかく食べて、その一食分でも生きる。まずそこから。きっと田中さんの母は、相当な人生を歩んできたのだろう。柚木麻子『本屋さんのダイアナ』の母にも通じる強さだ。 小学生が『12歳の文学賞』を受賞して話題になった本作品だが、シンプルによい話だと思った。どういう経験を積んで、この話を書いたのかは知らないが、鋭い視点と人間への愛情、生きることへの希望を感じた。これからも書き続けるのであれば、楽しみだと思う。

Posted byブクログ

2020/03/29

作者が中学二年生で出版した作品。 しかも収録されている作品には、小四、小六で執筆した作品もあるとのことで、内容さながら、この複雑な家庭環境でセンシティブな心情をわずか10歳の小学生が書いた作品という事に感嘆してしまいます。 短編でも充分に鑑賞できる上に。全てが繋がっている物語構成...

作者が中学二年生で出版した作品。 しかも収録されている作品には、小四、小六で執筆した作品もあるとのことで、内容さながら、この複雑な家庭環境でセンシティブな心情をわずか10歳の小学生が書いた作品という事に感嘆してしまいます。 短編でも充分に鑑賞できる上に。全てが繋がっている物語構成もお見事で小学生が考えたのか?と驚くばかりです。 貧しい母子家庭で暮らしている田中さんのお話。最後の短編だけは田中さんのクラスメイトの男の子が主人公になっています。 早速、続編も読もうと思います。 特にお子様がいらっしゃるご家庭にはお勧めの作品です。

Posted byブクログ

2020/03/06

作者がどうこう…という評価は抜きで、充分読ませる物語。前半の花ちゃん語りで心情に寄り添っていたら、最後の三上くん目線で描かれた花ちゃんが、すごく大人で。女子の「精神年齢の成長が早い」とは、こういう事なのかもと気づいた。

Posted byブクログ

2020/01/17

この母で花実ちゃんよくグレないなと思ったけど 最後のでお母さんが一気にすごい人に見えてきた。 しかし14歳が書いたのか。すごいな。

Posted byブクログ

2019/12/29

中学生!?が書いとは知らなんだ。 (装丁から西原さんかとずっと…。) どんな本を読んで、こんな素敵な文書を書いてるんだろう。 ほわほわ…ハカハカしかしてないなぁ。

Posted byブクログ

2019/12/26

小学校高学年の女の子が書いたとは思えないほど、完成度が高い。シングルマザーである田中さんのお母さんと小6の娘の物語、最後は中学受験に失敗したクラスメートの男の子とその母親とのやり取りもせつない。

Posted byブクログ

2019/11/21

p56 「人は誰でも、言いたくないことがあります。その人が話したくないことを無理やり聞き出すのはよくありません。真実をすべて知ることがいいとは限らないし、その必要もないんです。そして知った後では、もう知る前には戻れないんですよ」 わーわーわーーーわ、わ、わー! 目の前の席の子...

p56 「人は誰でも、言いたくないことがあります。その人が話したくないことを無理やり聞き出すのはよくありません。真実をすべて知ることがいいとは限らないし、その必要もないんです。そして知った後では、もう知る前には戻れないんですよ」 わーわーわーーーわ、わ、わー! 目の前の席の子が、昨日「それは、ほわほわしますね!」て云ったーー ほわほわ!! まずは息子に読書をバトンタッチ。 そして、娘へ。

Posted byブクログ

2019/11/20

中学生が書いた本、と聞いて。 まさか泣かされるとは思ってなかった。 表題作がやっぱりすごくよかった。 すっきりして読ませる文章。 才能ってあるんだなあ、羨ましいなあ。 これからに期待。

Posted byブクログ

2019/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母子家庭で育つ花実ちゃんの日々。 生まれてから一度も会ったことのない父について膨らませる想像と、 同級生の離婚した父親と3人で出かけたことと、その後同級生の父親は横領罪で逮捕されてしまったこと。 母の再婚相手になりそうだった人とのあれこれ。 Dランドに行きたくて、お金を探し歩いたこと。 銀杏拾いと七五三のこと。 花実を心の支えとしてくれた男の子の家庭と進学。 もし死にたいくらい悲しいことがあったら、とりあえずメシを食え。そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ。そうやってなんとかでもしのいで命をつないでいくんだよ。 10代とは思えないような、世間を渡り歩いてきた感のある重みのある言葉たち。 すごい人がいるもんだなあと思う。

Posted byブクログ