希望が死んだ夜に の商品レビュー

天祢涼(著者)

2019/01/05

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生の冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。
少女は犯行を認めたものの、「あんたたちにはわかんない」と動機は全く語らない。
なぜ、美少女ののぞみは殺されたのか。
二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってくる。
希望の「希」という漢字が「ねが(う)」と読むことから名づけられた、ネガ。
現在は、母親の映子と川崎市登戸のボロアパートに暮らしている。
母はあまり働かなくなり、生活保護も断られた。
まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき、運命的な出会いをした……。
（アマゾンより引用）

ラスト、きっついな…
泣くしかないわ…

2018/11/18

動機無き殺人。矛盾からほころびていく嘘。貧困と友情と殺人。多くを語らない方が良い本です。内容以上に読ませる筆力があります。

2018/10/15

14歳の女子中学生が同級生を殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行は認めるが、動機は語らない。その真相は・・・切ないラストは衝撃的です。なぜ？あなたがそんなことを。

2018/09/06

貧困、ＤＶ、毒親･･･
14歳の少女には辛すぎる環境。
子どもの貧困が問題視されているけど、無関心な社会がそれを助長させているんではないかと思った。
まだ開かれていない世界までネットで垣間見れるのは子どもたちにとって善なのか悪なのか。
切な過ぎるラスト、私ならなんと言葉を掛けていいかわからない。

2019/10/06

タイトルが秀逸な作品です。読了後、読者によって意味が変わるかと思います。 同級生殺し容疑で捕まった女子中学生。しかし犯行は認めているものの動機が不明な半落ち状態です。そして刑事たちの捜査が始まります。 それぞれ捜査パートと中学生のエピソードが交互に描かれる構成をしています。捜査パートでの印象とエピソードが後半に向かって噛み合わなくなり、大きな違和感が生まれます。その違和感がより真相に繋がり、驚きと感動に変わるのです。 2017年の作品でベスト級の作品でした。

2018/04/11

女子中学生が殺され、同級生が逮捕されるという事件が発生。はたして動機は？　犯人として逮捕された女子中学生と、捜査する刑事の視点から、やがて浮かび上がる「貧困問題」。とにかくやるせない。

2018/03/14

14歳の少女が同級生を殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めるが、動機を語ろうとしない。捜査で判明した意外な事実とは…

貧困がテーマである。ただただ重い。救いがない。お金がないこと死に近付くことだ。彼女らに罪はないというのに。
教師の不誠実さ「アフリカの子供に比べたら」という発言に、身の毛がよだつ。
シングルマーザーのそれぞれの苦しみ、生き方。生活保護の息苦しさにハッとさせられ、環境だけではどうにもならない闇がみえた。

ミステリだということを忘れていた終盤に、怒涛の展開が待ち受けている。
この作者の企みは成功しているし、プロットの巧さが光る作品だ。伏線の回収に読み直す必要がありそうだ。

タイトルどおりになってしまう展開に、ついていけない読者がいるだろうか？
我々は目を背けてはいけない。現実でも起こっている、深い哀しみと叫びが待っている。

2018/02/15

貧困、ＤＶ、教育格差…　重いテーマ。置かれた場所で闘う少女たちの姿がまぶしく、それだけに結末が辛い。それはそれとして、この刑事コンビはシリーズ化してほしい。

2018/02/04

表紙の写真にちょっと先入観をもってしまいましたが、なかなかに骨太な小説でした。

仲田の『想像』に危うさを感じていましたが、それも違いました。それは、例えば、担任の三浦先生のような表面だけしか見ない安易なものではありませんでした。『想像』というとその人の主観が入りすぎて偏ったものと思われるので、これはもう『推理』といっても良いのでは？

いろいろと酷い状況がありましたが、あの母親は…自覚がないだけに恐ろしいです。

読み終えて、自分ならどう口をひらくのだろうかと考えました。死んだ希望に。

2018/01/14

希望が死んだ夜に
天袮涼さん。

14歳の女子中学生が、
同級生を殺害した容疑で逮捕される。その娘は、黙秘。半落ちをする。
シングルマザー・
シングルファザー・
生活保護・
いろいろな要素があり。
とても悲しい話でした。
お金がないということは、
悲しい。
君よりもっと恵まれていない人達が居るんだから、
君はまだ幸せなんだよ。
と担任の先生が言った。
どこまで、
我慢したらよいのか？
亡くなった同級生。
のぞみちゃん。
希望が死んだ夜。
題名が、胸にしみる。