希望が死んだ夜に の商品レビュー

天祢涼(著者)

2019/11/08

ラストは小さく動く。
あっと驚くほどではないが、心がほんの少し揺れる。ネガという名前が切ない。
子どもの貧困の現状とは？

2019/08/27

レビューを読んで知った本。

14歳の女子中学生の冬野ネガは、同級生の春日井のぞみをなぜ殺害したのか？県警捜査一課真壁と所轄の生活安全課仲田の捜査により、辛い事件の真相が浮かび上がる。

子どもの貧困をテーマにした社会派ミステリー。
大人の都合で、大人の弱さと愚かさのために、ささやかな希望を殺されてしまう少女達の話。ひどい話。

子どもを絶望させる大人は最低だと思う。
読んでいてとても悲しくなった。

誰かもう少し賢くて心があたたかい大人が二人のそばにいれば、こんな悲しい結末にはならなかったのに。

2019/05/07

子どもの貧困、生活保護、現代の見えてない闇を見せるような話。
ネガと言う名前は希う（ねがう）らしいけど、どうしてもネガティブのネガしか連想できない。

こんな風な子どもや、家庭があるのかを普段考えないけど世の中にはきっとたくさんいるときづかされ、重い気持ちになる。

2019/04/30

とても気分の悪くなる話。
子どもの貧困の問題から目を背けてはいけないとは思いますが、社会の問題と言うよりは、ここに出てきた子供達には、親の責任が多大であると思います。

貧困の連鎖、きちんとした環境で育たなかった生育環境の悪さの連鎖、その不幸が、2人の少女を傷つけ、命を落とす結果に至ったと思うと、周りの大人の責任も大きいのでしょう。

子供が大人になるまでの責任は、親にかかってくると思っているので、責任を取れない親に対する嫌悪感でいっぱいでした。

2019/06/26

子供の貧困の悲劇。舞台が地元川崎ということでイメージもしやすかったこともあり、それぞれの描写でネガとのぞみが実際にいるかのように感じられ、かわいそうだという気持ちも強まりました。親だけではなくそのまた親が毒親の原因になったり、シングルファーザーでも貧困に喘ぐこともあるなど、問題の深さも教えられました。何よりなぜ子供が死ななければならなかったのか、生きる気力を失くしてしまわないよう、自分も子供達を懸命に育てたいと思いますし、何とかネガには強く生きていてほしいと思うばかりです。

2019/03/09

私にも中２の子どもがいるけど、なんしかこの容疑者の母親に腹が立った。
中学生の娘に夜のバイトをさせて、自分は家にいる神経がわからない。
自分には甘く小さな贅沢をしたりするくせに(タクシーやパフェやスマホ)娘にはハンバーガー食べたくらいで小言を言う。

こどもの貧困が問題になっているが就学支援をうけて母子家庭ということで国から援助も貰ってるはずだ。(少なくても私の友達は頂いてる)
なんでこんなにこどもが苦労しなくてはいけないのか。
きっと見栄や甘えが原因なのも一因だ(全てがではない)
被害者のお父さん、立派な家なんて早く処分して欲しかった。

2019/03/06

登録していなかったことに気付いた。

タイトルもジャケットもいい。
容疑者も被害者も１４歳。しかも表向きは接点のない二人、けれど、実は「親友」だったはずの二人。なぜ。
容疑者は「ネガ」、被害者は「のぞみ」。「希」という文字から何を感じるか。二人の少女の生から何を受け取るか。
子どもの貧困。それは物語の中の話でも、遠い国の他人事でもない、すぐそばにある、現実。

2019/02/25

図書館にて。
Twitterかな、紹介されていたので取り寄せてみた。
希望が死んでしまった向こうには絶望しかない…。

2019/02/11

同級生を殺した容疑で逮捕された女子中学生。犯行は認めるものの動機については一切黙秘の「半落ち」状態。一課の刑事になったばかり言わば初陣にあたる真壁と，少年の対処については定評があるものの癖が強い女性警官仲田蛍は，送検期限までに事実を明らかにできるか。心身を病む母親と二人暮らしで困窮状態にあった容疑者と，フルートを吹く優等生である被害者とのつながりは。（単行本表紙の写真は青山裕企氏，生駒里奈さん写真集のカメラマン）

2019/01/28

　ミステリーという枠の中ではなく、文学としてとらえたい。この未熟な少女も、刑事も。
　想像する仲田さんの清々しさ。