希望が死んだ夜に の商品レビュー

天祢涼(著者)

2022/08/18

14歳の少女が同級生を殺したと自首してきた。
貧困で母子家庭の少女は、何故殺人をしなければならなかったのか。
悲しすぎる衝撃の展開。
現実に、確かに世の中に存在している格差、貧困の問題。一見して平和な日本ではあるが、確実にこの日本には、貧困、格差は存在しているのだろう。考えさせられるテーマではある。

2022/08/06

主人公ネガの心の揺れ動きが伝わってくる様。
もしネガの様な貧困家庭に気づいたらどんな行動が出来るのだろうか‥‥。
タイトルの『希望が死んだ夜に』妙に心にストンと響いた。

2022/05/18

14歳の女子中学生が、同級生を殺害した容疑で逮捕された。
少女は、自分が殺したのだと犯行を認めるが、動機は語らない。
誰にもわかるわけはないのだと…。

少女の間には何があったのか、捜査一課の真壁が、生活安全課少年係の仲田と共に少女・冬野ネガの身辺を捜査する。
そして、彼らが真相を突きとめたとき。
切なさしか残らない。
悔しくて仕方ない。

貧困家庭だから、なのか…
こんなにも辛くて苦しくて哀しい思いをするのは。
やりきれない思いだけが、心の中に錘となって沈んでいる。

2022/04/05

14歳の少女が同級生を殺害。
罪を認めるが動機は語らず。
真相を追う刑事とその少女、2つの視点で物語が展開されます。
畳み掛けるように明かされる真相に涙が止まりませんでした。
「私は、君を助けたい」、真壁刑事のその一言が心に響きました。

2022/03/09

貧困家庭の女子中学生２人の辛い日々の生活と芽生えた友情と未来への希望なんてないよのお話。

現実でも女子学生が２人で自殺というようなニュースも聞くので、ない話ではない。
中学生位（高校生でも変わらないかもですけど）だとまず誰に相談したら良いのかと初めの一歩が難しい。
本作でも最後まで誰に相談したら良かったのか答えはでてません。

それにしても不愉快な大人達ばかりの登場でうんざりしました。
苦手な一冊。

2022/03/04

同級生を殺した女子中学生の話。
貧困の現状が生々しくリアルだった。きっとこういうことがどこかの家庭にも起きているのだろうとは思いつつ、普通に不自由なく暮らせている自分にはきっと理解することなどできないなと思い知らさせる。
一見お嬢様だと思っていた子が実は自分と同じのような生活を送っていて一緒にバイトもして貧しくてもフルートだけは諦めずにいたのぞみちゃんをきっと唯一の親友だって思えたのは“理解し合えた”からこそだと思う。2人は貧しかったからこそ親友になれたと思うと皮肉だな。先生や友達、周りの人は100パーセント分かってあげられることなんてできないのに寄り添うなんてできないのかもしれないと思った。

死にたくならないように死んだのぞみちゃんをこれからずっと忘れられないのに死なないように生きていくネガに死んじゃダメだなんて言えないな。
最後真壁がなんて言ったのかわからないけどネガに希望を持たせるようなことは言っていないと思う、言ってないで欲しい。小説の中でさえ何もかも全部解決して報われることなんてないことを示してくれたみたいでよかった。

2021/10/17

冬野ネガは同級生春日井のぞみを殺した容疑で逮捕される。
容疑は認めるものの、動機については語らない。
「半落ち」状態で送検するわけにはいかず、二人の間に何があったのか捜査をしていく…

ネガちゃんの回想でそうだったのか、と分かっていくので読む手が止まらなかった。

ネガちゃんの母親も、のぞみちゃんの父親も、友輔の母親も大人って自分勝手だな

2021/09/23

夢中になって読んだ
子どもの貧困問題だったり、虐待の問題は仕事柄よく接するものだけど、あーーこういうお母さんいるよねえええとか、お父さんの生活保護への気持ちとかそうだよねえええとか、とにかくリアルに感じた

ピースが埋まっていくような話の持って行き方もすき

2021/08/31

貧しく困窮した女子中学生が、明るくて美しくクラスの人気者だった同級生を殺害した容疑で逮捕された。「どうせわからない」と黙秘を続ける少女を取り調べる警察官の真壁と仲田が真相を探るお話。

前に読んで面白かった「」の1作め、書き方は同じ感じでテーマも同じく子どもの犯罪。今回は体罰などの自動虐待ではなく、貧困による生活苦に子どもが苦しめられる。なるほど、給食ってそういう役割もあったんだ…と気づく。

重く救われない話に心が沈むようなラストだけど面白かった、特に真相は「！！！」

2021/06/28

１つの事件が起きるまでの経緯と最後の結末にとても驚かせられました。中学生の2人がこれまでの人生で経験してきたことは私には想像もつかないようなとても深いことです。とても読み応えがある本でした。