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Red の商品レビュー

3.6

243件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    80

  3. 3つ

    81

  4. 2つ

    21

  5. 1つ

    3

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2024/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『「愛する」だけじゃだめで「愛され」なきゃ意味がない。そんな世論を嫌悪しながらも、反発しながらも、その通りだと思った。愛するだけじゃだめ。愛されたい』 自己肯定感の低さのせいで、僕自身どれだけの、さまざまな機会を逃してきたのだろうか。自己肯定感が低いくせに、見返りなどを期待して、まったく面倒なことだと自分自身に呆れてしまう。ほんと馬鹿馬鹿しい。打てば響く、お互いにね、そう認め合う誰かに出会うこと。孤独感そのものが害悪とは思わないけれど、孤独の中にも繋がりあえる存在、一方通行ではない安心感、得られたとしたら人生も、それはそれは変わることでしょう。 誰しも自ら好き好んで、傷付くことを求めたりはしないけれど、避けてばかりもいられない。愛されたい。これが本音。矛盾を肯定し整合性を求めない。わがままでいいじゃん。 愛してる、って伝えなきゃ。

Posted byブクログ

2024/05/01

ずっと積読だった本作ですが、GWで時間があったので、手に取りました。主人公のことは正直、好きにはなれないけど、生々しくて他の恋愛小説よりは割と現実的なのかなと思いました。 本作の主人公は、専業主婦である塔子。彼女にはイケメンで収入のある旦那さんと1人の娘がおり、旦那さんの実家で...

ずっと積読だった本作ですが、GWで時間があったので、手に取りました。主人公のことは正直、好きにはなれないけど、生々しくて他の恋愛小説よりは割と現実的なのかなと思いました。 本作の主人公は、専業主婦である塔子。彼女にはイケメンで収入のある旦那さんと1人の娘がおり、旦那さんの実家で同居している。姑も協力的で平和に過ごしているのが、夫婦としてセックスレスの状態であった。そんな時、かつて愛人関係にあった男性と友人の結婚式で再会することになるといったストーリー。 島本理生さんの文章力と心理描写が上手くて、特にこんな旦那だから浮気しても仕方ないよねっていう主人公の考えに共感させられるような感覚があって、素晴らしいなと思いました。内容としては、不倫描写が多いので、生理的に受けつけない方もいらっしゃると思いますが、誰も語らないでいるだけで、テレビドラマでやってるようなキラキラした恋愛展開よりは、こっちの方が大人のリアルな恋愛って感じがしました。

Posted byブクログ

2024/04/26

既婚者子持ちじゃなかったらどう解釈していいかわからなかったかも。映画を先に見たので妻夫木聡の暗い優しい笑顔を何回も思い出した。血の繋がってない他人同士から始まって、彼の母親とか、ふたりの子供とか、このまま女じゃなくなるのかな、とか。子供と過ごす時間を幸せと感じる夜と、どうしても一...

既婚者子持ちじゃなかったらどう解釈していいかわからなかったかも。映画を先に見たので妻夫木聡の暗い優しい笑顔を何回も思い出した。血の繋がってない他人同士から始まって、彼の母親とか、ふたりの子供とか、このまま女じゃなくなるのかな、とか。子供と過ごす時間を幸せと感じる夜と、どうしても一人の時間が欲しい昼。母でありたいと思うほどに何かを諦めていく感覚。そんな自分を心地いいと思ったり、情けないと思ったり、女っていくつ顔があるんだろう(笑) 心理描写が丁寧に書かれていて塔子の気持ちも行動もスっと馴染むように読めました。

Posted byブクログ

2024/04/25

初読みの作家さんでした。そして初の官能小説でもありました。 非常に読みやすく、そしてそれほどいやらしくも無く、でも話に没入しました。 恋愛小説などは殆ど読んだ事はありませんが、楽しめました。

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2024/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 この作品は、夫と初めて観に行った映画でもあり、映画があまりにも素晴らしかったので書籍を購入し、読むのも2周目である。  島本理生先生の性描写はリアルかつ夢のようで読んでいるだけで息を呑む。  さて、この作品は、いわゆる恵まれている家庭で暮らす「塔子」が主人公であり、夫と娘がいながらかつての想い人との再会で心が揺れる女性の心情を描いている。  夫は有名大学を卒業し、エリートと言われる道を歩んでおり、挫折の経験もない。作中の言葉を使わせてもらうならば、ちょっと茶化した感じで「坊ちゃん」。女性経験がなく、また、他人の心の機微にも疎いので、その無神経さで塔子を悪意なくどんどん追い詰めていく。  義母やたまに遠方への出張から帰ってくる義父の存在にもストレスを感じている。  そんな状況のなか、塔子はかつて愛していた「鞍田」と再会を果たす。  鞍田は塔子と付き合っていた頃、結婚しており、再会時には離婚している。そして、今度は塔子が既婚者になっているという状況。  それなのに、鞍田は塔子への距離を詰めてくる上に、執着心、嫉妬心も強い。  わたしは、そこまでするのだったら、なぜ最初に出会ったときに潔く離婚し、塔子と一緒にならなかったのかと思ってしまった。  でも、読んでいるとどうしても、鞍田が、塔子の家族の待つ自宅へ送るシーンを読むたびに、心が痛くなった。  塔子は、罪悪感を感じながらも、忙しい日常に戻るだけの話だが、鞍田はひとりだ。  これは、本書で鞍田の性格を知った上で感じ得る気持ちなのかもしれない。  また、鞍田は癌に冒されており、再発を繰り返したのち、終盤で塔子とその娘の翠と最後の再会を果たす。  ふたりのしばらくぶりの再会だというのに、帰り際の、塔子のもう2度と会うことはないという心情、そして、駆けて戻って来てくれるのではないかという鞍田のわずかな期待。  それらが入り混じり、わたしは今自分自身がどんな感情でいるのか分からなくなった。  1回目に読んだ頃は、まだわたしは今ほど世の中のことを弁えておらず(今もそこまでは変わっていないかもしれないが)鞍田を、なぜ選ばなかったのだろう、鞍田と一緒の方が幸せになれると思って疑わなかった。  だって、最高に好きな人だから。  だけど、読み返した今は、また違った感想を抱いた。  夫に反論できず、言うことばかり聞いて、遠慮ばかりして、そんな結婚生活、楽しいわけがない。  だから、一度自分が選んだ相手なのだから、歩み寄る努力をすればよかったのだと。  多少の意見の相違やすれ違いは仕方ない。だけど、お互いがお互いを知ろうとすること、そして、妥協案を見つけて、折り合いをつけていくこと。  本来なら心を許すことができるはずの相手に、本当の自分を出すことができなければ、息苦しくなるばかりだ。  不倫を肯定するわけではないが、その頃の塔子にとっては、鞍田の存在がそれを気づかせてくれたのだと思う。(ここでは、お互いが愛し合っていたことは置いておく)  それぞれの登場人物がそれぞれの幸せな形を見つけていけたら、それは素晴らしいことだと思った。 以下 心に残った文章を抜粋 「あなたの心変わりや気分で失うものをあてにするなんて考えられない。だから、尽くした分だけ確実に実る相手と結婚したのに」 愛とは見返りを求めないこと、純粋に与える愛情こそ美しい。そんな文句は、あくまで国の象徴のように生かしながら、その実、結局は「愛する」だけじゃだめで、「愛され」なきゃ意味がない、と堂々と主張している。そんな世間を嫌悪しながらも、反発しながらも、その通りだと思った。愛するだけじゃだめ。愛されたい。そして自分はほかの同性よりも魅力的だと錯覚したい。 塔子と鞍田の会社の同僚が言った言葉 「だってさー、キリストとかって旅しながら、いきなり病気の人間とか娼婦に愛を注いで奇跡起こしたんだろ。それって会ってすぐの、ほんの一瞬じゃん。それは究極の例でもさ、好きなタイプって一目見て気に入って盛り上がったら、なんとなくその記憶で続くもんだし。セックスだって会話だって、長くいりゃあ、かならずいつか飽きるし。人生でほんの一瞬でも本気になれたら、十分じゃないの。まあ、僕、そんな経験もないですけど」

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2024/03/15

主人公の塔子と愛人の鞍田は、自分の性欲には全く理性が効かない変態にしか思えなかった。 塔子は結婚などしなくて、好きにセックス三昧に溺れたら良かったのに。 一番に思ったのは、親の勝手で心に傷を負った娘の翠がすごく可哀想であることだった。愛人に、わざわざ子供を逢わせるなんて、どういう...

主人公の塔子と愛人の鞍田は、自分の性欲には全く理性が効かない変態にしか思えなかった。 塔子は結婚などしなくて、好きにセックス三昧に溺れたら良かったのに。 一番に思ったのは、親の勝手で心に傷を負った娘の翠がすごく可哀想であることだった。愛人に、わざわざ子供を逢わせるなんて、どういう感覚なのって腹が立った。 と、言いつつも話には引き込まれる作品だった。

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2024/03/12

なかなかのページ数だったのに、引き込まれるように読んだ。この本を好きだという男性がいたら君悪がられる程には女性特有の心の揺さぶりを巧妙に文章化していて凄い。 真っ直ぐな恋愛をできなかった人ほど共感してこの作品にも溺れてしまうのでは無いかと思う。 既婚後の女性(特にあまり旦那と...

なかなかのページ数だったのに、引き込まれるように読んだ。この本を好きだという男性がいたら君悪がられる程には女性特有の心の揺さぶりを巧妙に文章化していて凄い。 真っ直ぐな恋愛をできなかった人ほど共感してこの作品にも溺れてしまうのでは無いかと思う。 既婚後の女性(特にあまり旦那との関係が良く無い)には絶対にお勧めしたく無い一冊です笑

Posted byブクログ

2024/03/08

主人公の女性の流されやすい危うさと周りの男の軽薄さを感じながら読みました。 作者の伝えたいことが男の私にはよくわかりませんでした。

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2024/02/29

賛否両論あると思う、というか大半の人には理解されないと思う。そもそも共感を得られて大絶賛されるような物語は、主人公と境遇が似てるとか、どこかしら考え方が似てるとか、感動秘話とか、不純ではない恋愛とか、そういうものだと思うから。 それでも私はこの人の紡ぐ文章に心揺さぶられ、胸が締...

賛否両論あると思う、というか大半の人には理解されないと思う。そもそも共感を得られて大絶賛されるような物語は、主人公と境遇が似てるとか、どこかしら考え方が似てるとか、感動秘話とか、不純ではない恋愛とか、そういうものだと思うから。 それでも私はこの人の紡ぐ文章に心揺さぶられ、胸が締め付けられ、はっとさせられる。どうしてここまで繊細に、女性の感情を描けるのだろう。まるで私なんじゃないかと思うような文章もあった。 タイミングやきっかけ次第で間違った道を歩む事はあるかもしれないし、始まりは意外にもあっさり簡単だと思う。 でもきっと終わらせるのはとても苦しいんだろうなぁ。そんな心配は杞憂だけど。 官能的なシーンも多かったけど、いやらしくなくて読みやすかった。普段の小説ならあまり気にならない様なドライブのシーンが印象的だった。スパルタカスの愛のテーマ。塔子はきっとこの曲を一生忘れないし、一生聴けないだろうな。 鎌倉の家で暮らす2人の幸せな未来も見てみたかったけど、やっぱりそんなに上手くいかないよね。

Posted byブクログ

2024/02/15

主人公ですが あまりにも流されすぎかと… 義理の親との同居、子育て云々 ストレスが溜まるのは分かりますが 元彼とだけじゃなく 職場の男性とも… その彼とは最後まで行かずとも 読んでて、軽すぎる女性と 思わないでいられませんでした。

Posted byブクログ