木曜日にはココアを の商品レビュー

青山美智子(著者)

2022/05/03

川沿いの桜並木がちょうど終わるあたり、大木に隠れてそっと建っている喫茶店マーブル・カフェの店員さんから始まる物語。ひとつひとつの物語が短く読みやすい。シドニーの情報誌に連載されていた小説らしく、舞台はシドニーへ繋がっていた。登場人物たちの話がそれぞれ暖かくて良かった。

2022/04/10

図書館。
スペースも多くてすぐ読めてしまった。私には綺麗すぎてできすぎている世界観だったけれど、可愛いな、と思った。
余談だけど、本にココアらしきシミがついていて、私の前に借りていた誰かがココアを飲みながら飲んだのかな、とほっこりした。

2022/04/05

オリジナルの作品としては本作が青山さんのデビュー作と言っていいのかな？　図書館でも大人気だが、なぜかあまりそそられず手を出さずにいた。
12の短篇で構成された連作で、前話の登場人物が次の作品の主人公になる（そうではない作品もあるが）リレー小説でもある。前半の4話が東京、後半の5〜11話がシドニー、そして最後にまた東京に戻ってくる。東京とシドニーではちょっと印象が異なるが、シドニーの情報誌に掲載された作品らしいから仕方がない。
悪人は出てこないし、つらい出来事も救いがあるので安心して読めたけど、ちょっと物足りなさを感じた。

2022/03/26

「僕のテリトリーは、2階建ての賃貸ワンルームとこのカフェだけだ。でも、僕はこの小さな世界でじゅうぶん満たされている。」

世界はじゅうぶん広い。本人が小さな世界に住んでいると思っててもだ。そう感じさせてくれる物語だった。

穏やかであたたかな気持ちになるラストがとても良かった。

2022/02/27

同じ出来事でも登場人物一人一人、感じ方が違う。出来事は１つでもそれはいくつもの物語でできている。人の数だけ違う物語（ストーリー）がある。
そう思った。

2022/02/22

魔法使いアロマテラピストのシンディさんが気に入った。信念と自信を持っていて、真っ直ぐな人。
人生なんてものは、自分で魔法をかけて素敵にしていくべきものなのかもしれない。

表題の喫茶店でのココアも素敵。手紙を書きながら喫茶店で飲むのなんてコーヒーや紅茶が王道だろうに、あえてココアなのがユーモアかなぁと思って読み始めていたら、締めで甘い恋の話に繋がるので、あー必要な甘さだったのかと。

ちょっと上手くまとまりすぎてるというか、いい子ちゃんな話が多いのは作風だと思うので、それでほっこりできる人にはおすすめしたい。他の短編集より恋の話が多いかも？

2022/01/16

青山美智子さんの本は毎回あったかくて、どの人も救われて、読み手の私も救われて、読み終わるたびいい本に出会えたなあと思えるところが最高です。

東京とシドニーで、登場人物が絶妙に関連していって、それぞれの物語を作っていて、本の中だけどこの登場人物の幸せを願ってしまいたくなるような世界でした

好きなところにいるだけで元気になれる、その通りだなと思いました。

2022/01/10

心が温かくなる連作短編集でした。以前読んだ「お探し物は図書室まで」に比べると、ひとつひとつの話が淡白な感じがして完成度の違いを感じましたが、それでも良い作品でした。

2022/01/07

一つのカフェから繋がる色々な人の人生や思いに触れる事が出来、一つ一つは短いストーリーだけどグッとくる話がいくつもあった。
話の中でそれぞれの章の人が繋がって行くのも楽しみの一つで、読み戻ってみたり、次の主人公は誰かなと予想したりするのも良かった。

色々な人のレビュー通りホッと心が温かくなる一冊だった。次回作も読んでみようと思う！

2021/12/15

ほっこりする連作短編集。短いのでさらさら読めた。
人物が少しずつつながっていて、楽しかった。マスターは、不思議な人だなぁ。