1,800円以上の注文で送料無料

子どもの脳を傷つける親たち の商品レビュー

4.1

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/05/25

非常に読みやすい文体。内容がすっと入ってくる感じ。ただ、すっと入ってくるのと、読み応えがあるのはちょっと違うような気がして、結果論でうまく丸め込まれているような感覚を抱いた。それほど、この分野は複雑で、体系づけるのは難しいのだろう。

Posted byブクログ

2020/05/11

半分は脳科学と医療的な診療で、親のマルトリートメントで脳が変形した子供をどう矯正していくかの話なので難しい所もあるが、後半の「愛着形成」の話は興味深い。 親は安全基地をつくる ○親と同じように自分に接してくれる人は、安心していい ○自分を助けてくれる人は、他にもいる この考え...

半分は脳科学と医療的な診療で、親のマルトリートメントで脳が変形した子供をどう矯正していくかの話なので難しい所もあるが、後半の「愛着形成」の話は興味深い。 親は安全基地をつくる ○親と同じように自分に接してくれる人は、安心していい ○自分を助けてくれる人は、他にもいる この考えが愛着形成による賜物だとは知らなかった。 また、反応制愛着障害は、いわゆるツンデレもこれに含むのかなあと考察。 親から愛情をもらってはいても、「愛情のコミュニケーションがとれていない」と子供は1人で期待を負うことになる。人に甘えるという経験値がないのでうまく人を頼れず、人の好意を受け入れなかったり怒ったり無関心の反応をとる。なるほど 本著は自分の受けた育児の振り返り、またマルトリートメントを受けた人がどう心理形成してきたのか知るために読んだが、目的達成された。 

Posted byブクログ

2020/04/13

この本にあるように、子どもの時に過度なマルトリートメント(虐待)を受けるとトラウマが残るそうで、これも私は配偶者を見て激しく同意です。 この本の中で、このように傷ついた子どもの心を支えるための「指示的精神療法」が次のように紹介されています(P116~P117)。 ・情緒的に安定さ...

この本にあるように、子どもの時に過度なマルトリートメント(虐待)を受けるとトラウマが残るそうで、これも私は配偶者を見て激しく同意です。 この本の中で、このように傷ついた子どもの心を支えるための「指示的精神療法」が次のように紹介されています(P116~P117)。 ・情緒的に安定させる ・「トラウマの記憶とそれに対する反応(感情)」という一連の負のパターンを解消させる ・トラウマとなった過去の出来事を客観的にとらえ直す ・安全で良好な社会関係、対人関係を築く ・回復的な情緒体験を蓄積させる(こころを穏やかに保てるような体験を増やしていく) もっとも安心できる相手に自分の気持ち(今のことも昔のことも含めて)を正直に話し、それを受け止めてもらうことができれば、そして自分の気持ちに沿った行動ができれば(周囲のサポートがあれば)、たとえ子どもの時に傷ついた心であったとしても、自分の人生を生きることができるようになっていくと私は思います。

Posted byブクログ

2020/03/28

義理の実家の状況がまさにこういう感じなので読んでみました。 もう子供は大人になってしまっていますが、、 なんとかしたいので、ヒントになります。 @@@@@ 自分の生い立ち、実家のことも振り返りました。 両親はごく普通の人たちで、嫌な性格というわけでもなく、むしろ非常に常識的で...

義理の実家の状況がまさにこういう感じなので読んでみました。 もう子供は大人になってしまっていますが、、 なんとかしたいので、ヒントになります。 @@@@@ 自分の生い立ち、実家のことも振り返りました。 両親はごく普通の人たちで、嫌な性格というわけでもなく、むしろ非常に常識的で善良な市民です。勤勉に働き、よく育ててくれたとは思っています。 それでも、時代のせいか、マルトリートメントがいっぱいありました。 両親が嫌いです。軽蔑しています。 気持ち悪いので目を合わせなくないです。 私が人と目を合わせて愛想よく会話できるようになったのは大人になってからです。 両親に甘えたくない(心底気持ち悪い)ので昔は人に甘えるのが下手でした。 彼らと関わりたくありません。 就職してすぐ一人暮らしをはじめ、 しばらくはストレスで歯軋りが治りませんでした。 友達で”両親のことが大好き””尊敬してる”という子たちがとても羨ましかった。 きっと、どちらが悪いわけでもない。 ただ、私と両親は合わなかった、それだけ。 @@@@@ 虐待まではいかないマルトリートメントは世の中に溢れている。 私だけが特別、育ててくれた親を嫌いな、恩知らずで、冷たい、そんな軽蔑すべき人間というわけではない。 自分の気持ちを整理することができました。

Posted byブクログ

2020/05/03

受けるマルトリートメントによって、脳の変形する部位がちがうところが興味深かった。人間の適応力はすごい。 言葉のマルトリートメントに関しては親として心当たりがあるので、気をつけたい。

Posted byブクログ

2020/03/14

医師である著者の専門は小児神経学・脳科学といった子どもの発達に関する研究。子ども時代に極度のストレスを感じると、子どもの脳はその苦しみに反応しようとして物理的に変形してしまい、その後の生涯にわたって影響を及ぼしていくという。身体的・性的な虐待だけではなく、言葉による威嚇、罵倒、無...

医師である著者の専門は小児神経学・脳科学といった子どもの発達に関する研究。子ども時代に極度のストレスを感じると、子どもの脳はその苦しみに反応しようとして物理的に変形してしまい、その後の生涯にわたって影響を及ぼしていくという。身体的・性的な虐待だけではなく、言葉による威嚇、罵倒、無視、放置など、子どもの成長を阻害する不適切な行為を著者はマルトリートメントと呼び、子どもの脳の発達に与える影響を論じている。

Posted byブクログ

2020/03/08

ACE体験によって子どもの脳の構造から変化させてしまうこと、その影響は後々の子どもの精神的健康や発達に大きな影響を与えること。脳神経科学による説明もわかりやすくかかれている。子どもとのどのような関りがマルトリートメントにあたるのかも、自身の育児を反省し育児世代への共感も示しながら...

ACE体験によって子どもの脳の構造から変化させてしまうこと、その影響は後々の子どもの精神的健康や発達に大きな影響を与えること。脳神経科学による説明もわかりやすくかかれている。子どもとのどのような関りがマルトリートメントにあたるのかも、自身の育児を反省し育児世代への共感も示しながら書かれているところは、友田先生の、子どもだけでなく親にも寄りそう姿勢を感じる。

Posted byブクログ

2020/02/24

4月から施行される改正児童虐待防止法により、親の体罰禁止が盛り込まれた。 今は子の面前の夫婦喧嘩も虐待になると言い、一昔前の「愛の鞭」「叩くのはしつけ」から180度転換した。もちろん、昔だって手をあげていない親もたくさんいたけれど。 どうして面前での夫婦喧嘩がだめなのか、体罰が...

4月から施行される改正児童虐待防止法により、親の体罰禁止が盛り込まれた。 今は子の面前の夫婦喧嘩も虐待になると言い、一昔前の「愛の鞭」「叩くのはしつけ」から180度転換した。もちろん、昔だって手をあげていない親もたくさんいたけれど。 どうして面前での夫婦喧嘩がだめなのか、体罰がだめなのか、それはすなわち「子どもの脳を傷つけるから」だと、最近になってわかってきたからだ。 本書は、不適切なかかわりが子どもの脳を変形させることへの警鐘と、回復への道筋について書かれている。 「虐待」というのは強いワードで、一生懸命子育てをしている人からしたら、「虐待なんてしていません!」となる。 そこを、「マルトリートメント(不適切)」とすると、まったくない親はいないと言える。けれど、マルトリートメントの強度や頻度が増すときに、こどもの心は確実に傷つき、成長過程の脳に変形する可能性があることを、大人は忘れちゃいけないのだと思います。 少し読み進めてはあの子の顔が浮かび、もう少し読んでは別の子の顔が浮かび… 本書にはケーススタディも書かれているのが、すごくいいです。そして、データを提示するだけで警鐘をならすのではなく、その先の回復への道筋として根気強く関わっていくことの重要性を書かれているのもいい。 子どもを大事に思っていない親なんていないのに、閉鎖的な空間で誰からも褒められることなく、必死に子育てしていると、ついつい不適切な関わりをしてしまう。 それは、責められることではないのだと思うのです。 けれど、子どもが健やかな成長のためには、不適切な養育に気付いた周りの大人が、適切な専門機関に繋げることでボタンの掛け違いを早期に直すことが大切なんだと思います。 親や身近な大人が子どもに対して「積極的に使いたい3つのコミュニケーション」、手帳にメモしました。

Posted byブクログ

2020/02/15

虐待が子どもの成長に与える影響を脳機能の視点から科学的に説明してくれているので、とても分かりやすかった。 暴力を見たくないために視覚野に影響が出る。 暴言を聞きたくないために前頭前野に影響が出る。 そして大事なことは、マルトリートメントする可能性は誰にでもあること。 マルトリー...

虐待が子どもの成長に与える影響を脳機能の視点から科学的に説明してくれているので、とても分かりやすかった。 暴力を見たくないために視覚野に影響が出る。 暴言を聞きたくないために前頭前野に影響が出る。 そして大事なことは、マルトリートメントする可能性は誰にでもあること。 マルトリートメントしている保護者を悪者扱いするのではなくケアの対象であること。

Posted byブクログ

2020/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仕事にも子育てにも役立つよ、と先輩の先生から貸していただいた一冊です。 不適切な養育が脳を本当に傷つける(萎縮させたり、肥大させたり、正常に育たなかったり)ということを写真やデータをもとに分かりやすく書いてありました。 虐待はもちろん、虐待とまではいかないけど、不適切な養育も関係している、となると思わずドキっとしてしまった。夫婦間の喧嘩やDVも子どもの脳に悪影響(傷つける)なのは知りませんでした。 愛着形成の大切さ、スキンシップは親にも子にも脳にいいそうです(オキントシンという物質がです!) だから子どもはギュってしてもらうのが好きで、親の方も癒されるのか、と納得しました。

Posted byブクログ