子どもの脳を傷つける親たち の商品レビュー
我が国は、厳しい生活を強いられている多くの親が「不適切な養育(マルトリートメント)」をせざるを得ない社会になってしまっている。しかし、政策を作る者たちにはその状況が見えていない。ぜひ、この本にある実態が特に貧困な地域に蔓延していることを実地で見ていただきたい。 ぜひ、この本と対を...
我が国は、厳しい生活を強いられている多くの親が「不適切な養育(マルトリートメント)」をせざるを得ない社会になってしまっている。しかし、政策を作る者たちにはその状況が見えていない。ぜひ、この本にある実態が特に貧困な地域に蔓延していることを実地で見ていただきたい。 ぜひ、この本と対をなすともいえる書籍「ママがいい」と合わせて読んでいただくこともお勧めしたい。
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不適切な養育のことをマルトリートメントと言い、虐待よりも広範囲の概念をさす。暴力等の虐待だけではなく、面前DV、夫婦喧嘩、不適切な言葉がけ、放置、無視など、どんな理由であれ子どもが傷つく行為はすべてマルトリートメントにあたる。そしてマルトリートメントを受けた子どもの脳は傷つく。暴...
不適切な養育のことをマルトリートメントと言い、虐待よりも広範囲の概念をさす。暴力等の虐待だけではなく、面前DV、夫婦喧嘩、不適切な言葉がけ、放置、無視など、どんな理由であれ子どもが傷つく行為はすべてマルトリートメントにあたる。そしてマルトリートメントを受けた子どもの脳は傷つく。暴力、性被害、夫婦喧嘩などマルトリートメントによっても脳が損傷を受ける部分がかわる。物理的に何もしなくてもマルトリートメントによって脳が傷つくとは怖いことだと思った。 子どもへの支援はもちろんのこと、親を含む養育者への支援の重要さも書かれていた。 ボリュームはそれほど無いのですぐに読めるが、内容が深く、良かった。
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「批評は現場から」 目下介護の仕事をしながら3人の子育てに勤しんでいる。 どちらにも共通するのは、「不適切なかかわり」が「虐待」につながるということだ。虐待というと大仰で自分は関係ないと思ってしまうのが人情だろう。そこで本書では「不適切なかかわり」を「マルトリートメント」と呼び...
「批評は現場から」 目下介護の仕事をしながら3人の子育てに勤しんでいる。 どちらにも共通するのは、「不適切なかかわり」が「虐待」につながるということだ。虐待というと大仰で自分は関係ないと思ってしまうのが人情だろう。そこで本書では「不適切なかかわり」を「マルトリートメント」と呼び、子供の脳に与える影響を検証していく。 著者である友田先生は自身も育児の経験があり、かつてしてしまったマルトリートメントの告白をしている。そりゃ完璧な親なんて居ないだろう。 そんな人からの言葉だからこそ親の心に届くのではなかろうか。安全圏から放たれた理想論は響かないのでね。 マルトリートメントを受けた子供の脳は器質的に変化してしまう。受けた刺激を減じるため脳の一部が萎縮したり、あるいは過敏に危機を回避するため肥大化したりするらしい。 自分も親からマルトリートメントを受けてきた。「虐待は連鎖する」と言うが、本書を読んで経験を俯瞰できれば、その連鎖を断ち切ることができるのではないかと思った。不出来な親だから叱ってしまうことも多々あるが、子供の自己肯定感を育むためにも、せめて自分のマルトリートメントに自覚的になって改めて行きたいと思った。
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身体的性的暴力、ネグレクトなどの、あからさまな虐待のみならず、暴言を浴びせる、無視する、両親間DV(暴力、罵り合い)を見せる、なども成長途中の子どもの脳に強い影響を及ぼし、変形させてしまうのだそうです。 情緒不安、不眠、落ち着きのなさ、集中力や意思決定の低下、記憶容量減少、攻撃...
身体的性的暴力、ネグレクトなどの、あからさまな虐待のみならず、暴言を浴びせる、無視する、両親間DV(暴力、罵り合い)を見せる、なども成長途中の子どもの脳に強い影響を及ぼし、変形させてしまうのだそうです。 情緒不安、不眠、落ち着きのなさ、集中力や意思決定の低下、記憶容量減少、攻撃的になる、感覚鈍麻、人間関係の不調和、愛着障害など。 現在進行形の子ども時代だけでなく、これから社会と深く関わらなくてはならなくなる大人になっても続いてしまう障害が。 加害してる親(祖父母など養育者)もまた、かつての被害者であったりすることも多く、被虐待児のケアだけでなく親のケアも必要だ、と書かれていました。 何事も、負の連鎖は出来るだけ断ち切りたいですね。
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「叱る依存が止まらない」とあわせて読んでみた一冊。 マルトリートメントについて、具体的な事例も挙げながら、科学的な事実わかりやすく説明し、適切な子どもとの関わりについて述べられている。 自分にとっては当たり前のことや既に知っている内容が多かったため、この評価としたが、マルトリートメントについて学びたい人には良い一冊と思う。
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親子関係での心の虐待によって、子供の脳が変形するという事実に驚愕した。しかも身体の虐待より心の方がダメージが多いという。脳は生きることを目的として活動をする。なので、この変形も生きるためのもの。しかしダメージを負ったあとの生活はもちろん生き辛くなる。この事実を世の中の若い親たちに...
親子関係での心の虐待によって、子供の脳が変形するという事実に驚愕した。しかも身体の虐待より心の方がダメージが多いという。脳は生きることを目的として活動をする。なので、この変形も生きるためのもの。しかしダメージを負ったあとの生活はもちろん生き辛くなる。この事実を世の中の若い親たちに伝えたいと思った。
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何気ない言葉なども、子どもたちの心、更には脳まで変えてしまうという恐ろしさに、子育てをしている身としては気をつけねばと感じました。
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マルトリートメント(不適切な養育)が子供の脳を"物理的"に傷つけるという衝撃的な内容。 特に「面前DV」と呼ばれる「両親間の暴力・暴言を見聞きすること」が、マルトリートメントに含まれているのが興味深い。 両親間のDVを目撃すると、 ・子供の心と脳に多大なスト...
マルトリートメント(不適切な養育)が子供の脳を"物理的"に傷つけるという衝撃的な内容。 特に「面前DV」と呼ばれる「両親間の暴力・暴言を見聞きすること」が、マルトリートメントに含まれているのが興味深い。 両親間のDVを目撃すると、 ・子供の心と脳に多大なストレスがかかり、さらに自分が家族を守れなかったことに対し、罪悪感を持つ。 ・あるいは、自分だけが被害にあっていないこと罪悪感を抱き、自分もまた加害者として加担していると思い込んでしまうケースもある。 とのこと。想像すると中々辛い。
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子供の脳はデリケートで、ちょっとしたことでも傷ついてしまう。自分は虐待(マルトリートメント)なんてしないと思っていたけど、子どもの前で喧嘩するのも立派なマルトリートメントだと知った。 子どもは生まれた瞬間から愛着を求めている。 もうすぐ母になる自分にとって、必要な内容でした。
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脳科学から見るマルトリートメント(不適切な養育)による子どもの脳への影響について提唱されてる本。 『(身体的)虐待』は心の殺人という理解が増えて、社会の認識で絶対やってはいけないこととなってる中で、『(心理的)虐待』とは何を指すのかどこまでがあたり、どのような影響があるのかも不透明。虐待という言葉を使うと身体的虐待のイメージが付きまとい、我が家は違うという風に問題視してもらえないと考え、"マルトリートメント"という海外でも使われてる表現で話は進められていく。 そのマルトリートメント、実はどの親にもはっとすることはあるんでないのか?という話。 そしてマルトリートメントがどのように子どもの脳に影響があるかわかってきたよという話。
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