サーカスの夜に の商品レビュー
自分の居場所を求めた少年がサーカス団の一員となり過ごした1年間の成長物語。 少年は成長することのない自身の身体にコンプレックスを抱えていた。だけど、サーカス団にはさまざまな人たちがいた。 少年は両親の離婚により孤独を感じていた。だけど、もっと深い孤独と闘っている人たちがいること...
自分の居場所を求めた少年がサーカス団の一員となり過ごした1年間の成長物語。 少年は成長することのない自身の身体にコンプレックスを抱えていた。だけど、サーカス団にはさまざまな人たちがいた。 少年は両親の離婚により孤独を感じていた。だけど、もっと深い孤独と闘っている人たちがいることを知る。 少年は働けることの難しさを知らずにいた。だけど、講演をひとつ開催するにも障壁が立ちはだかることがあることを知る。 少年は恋を知らなかった。だけど、人を愛することの苦しみや喜び、情けなさを知る。 少年は死は遠い場所のものだと思っていた。だけど、死は身近にあり大切な人を失う哀しみを知る。 少年は自分が何をしたいのか、何になりたいのかを知らなかった。だけど、それを見つけた時に本気になれた自分と出会う。 少年は自分の居場所を見つけたときに知る。 孤独なんかじゃない。 この身体で生きていく。 少年がサーカス団の中で出会う人々と織りなす人生の踵。 人生は思うより長い。 今年の9冊目
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僕はかわいい。ピュアで、まっすぐ。 ローズ、ナットー、キャビア、シェフ… すてきなひとが、たくさん。 ひとりひとりのことばが、すーっとしみて、 私も、ほんものでいたいと思った。
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祖母と暮らす小柄な少年は、幼少期の両親との思い出のサークスに魅了され、レインボーサーカス団に飛び込む。サーカス団の個性豊かな人たちとの関わりを通して、生きる道を切り開く物語。 素敵な話だとは思うけど、少し物足りなかった。 自分にはあまり合わなかった。
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サーカスって自分が思っていた以上に奥が深いんだなと思った。いつか生でサーカス見てみたいな。 それぞれのサーカスにかける思いが強く伝わってくる。体が成長しない少年が居場所を見つけ、自分の生きる道を探していく一生懸命な姿に心が洗われた。あと、コックが残り物を美味しい料理にまるで魔法の...
サーカスって自分が思っていた以上に奥が深いんだなと思った。いつか生でサーカス見てみたいな。 それぞれのサーカスにかける思いが強く伝わってくる。体が成長しない少年が居場所を見つけ、自分の生きる道を探していく一生懸命な姿に心が洗われた。あと、コックが残り物を美味しい料理にまるで魔法のように変えるのが凄いし、美味しそう。
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「食堂カタツムリ」(ポプラ文庫)で評判になったころ、働いていた高等学校の図書館で高校生たちに受けていたのがずっと気になっていて、初めて読んだ小川糸の作品です。 ここ10年、いや、もっとかな?本屋大賞という賞がもてはやされていますが、本屋大賞的な作品だと思いました。読み終わると...
「食堂カタツムリ」(ポプラ文庫)で評判になったころ、働いていた高等学校の図書館で高校生たちに受けていたのがずっと気になっていて、初めて読んだ小川糸の作品です。 ここ10年、いや、もっとかな?本屋大賞という賞がもてはやされていますが、本屋大賞的な作品だと思いました。読み終わると読み手自身が「いい人」になった気がする、「いいお話」ですね。 最近の書き手の方たちが、どうも、そのあたりを狙って書いていらっしゃるのではないかというの疑いがふと浮かびます。最近の映画とか、歌謡曲の歌詞(あんまり知りませんが)だとかにも感じられる、そういう書き方で「小説」ができてしまうことを書き手の方はどうお考えになっていらっしゃるのか、そんな感想を持ちました。で、まあ、「食堂カタツムリ」で確かめてみようかなと思っています。 ブログには、もう少しひどい悪口を書いています。覗いてみてください(笑) https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202301260000/
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13歳の少年が一大決心しサーカスに向かって自転車で走り出すところから、14歳の誕生日を迎えるまでの1年間の物語。 少年の見ている世界の表現がすごい。ピュアで無垢で果てしなく広い。情景が頭の中に絵本のように広がっていく。 物語の舞台がどこなのか、日本のようでもあり、外国のよ...
13歳の少年が一大決心しサーカスに向かって自転車で走り出すところから、14歳の誕生日を迎えるまでの1年間の物語。 少年の見ている世界の表現がすごい。ピュアで無垢で果てしなく広い。情景が頭の中に絵本のように広がっていく。 物語の舞台がどこなのか、日本のようでもあり、外国のようでもある。 いつの時代の話なのか、ずっと昔のようでもあり、現代のようでもある。 それさえも、この物語の中では自由で曖昧。でも、そんなことはどうでもよくて、それが多様性ということなのではないかと。 自由で曖昧なところがまた、少年の見ている夢のような世界と相まって、想像を掻き立てる。 サーカステントの骨組のてっぺんが、少年の特等席となる。少年は自分の病気を恨むけれど、もし少年の体が小さくなかったら、そこは特等席にできなかったかもしれない。少年だからこその役割があり、見えない世界がある。 少年は悟る。体は変えられないが、心は自分の意思で変えられる。 「運命と和解する」 自分の心を自由にするには、運命と和解する必要があるのだ。レインボーサーカスのみんなが、そのことを教えてくれる。
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小川糸さんの作品。かれこれ5作目?くらい。 大きくなれない少年が、サーカス団の一員になり、さまざまな人との触れ合い、愛情の中で成長していく。 人の生死の考え方は、食堂かたつむりやライオンのおやつからも一貫してるなと感じる。
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サーカスに憧れた男の子の話。おもしろかった。 心は自由だ。どこにでも行ける。僕の心は、いつだって自由なんだ。 自分の体も自分の心も、所有権は自分自身なんだから!
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大人のメルヘンのような物語。サーカスの世界にどっぷり浸れて、気づいたら読み終わっていた。少年が憧れのサーカス団に入って奮闘・成長するストーリー。グランマはじめ周りの大人達が温かくてほっこりした気持ちになる。所々に心に残るフレーズが散りばめられている。
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主人公の少年はひとりぼっちでサーカスの世界に飛び込んだのに、不思議と不安を感じさせない。自分が手に入れられないものを分かっていて、だからこそできることを探して自分の居場所を作っている。 小川さんの著書「とわの庭」は目が見えないハンディキャップを持った少女が主人公ですが、作品の雰囲...
主人公の少年はひとりぼっちでサーカスの世界に飛び込んだのに、不思議と不安を感じさせない。自分が手に入れられないものを分かっていて、だからこそできることを探して自分の居場所を作っている。 小川さんの著書「とわの庭」は目が見えないハンディキャップを持った少女が主人公ですが、作品の雰囲気は似ているかも。主人公が絶望したりしていない。それは自分の中で不自由さが当たり前だから。 サーカスの起源を辿ると、生きていくために道を切り拓いていく人々の姿が見えます。 どうせ自分なんかとか、他人と比べて羨んだりしてしまうことがあるかもしれないけど、自分にしかできないこと(これはフィジカル、ロジカル、メンタルの面で)ってどこかにあるんだよな、と思いました。 主人公が冷静なので、話としてはあまり緩急がなく、読み終わった直後は「ふーん」という感じでしたが、1ヶ月くらい経ってじわじわと感想が生まれました。
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