ある奴隷少女に起こった出来事 の商品レビュー
昔見たドラマ「ルーツ」を思い出した。それは黒人男性が主人公だったが、女性であるがための二重、三重の辛苦が読む手を休ませなかった。
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実話ということに驚き、過酷な生活の状況の中で一生懸命生きてきた主人公や主人公の家族がいたということに、とても胸が苦しくなりました。同じ人間なのにという気持ちが、とても強くわきあがってきました。
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正直に書くと、心が痛む反面、 まるでフィクションのような過酷な状況に どこかで「本当に起きたことなの?」と疑いの気持ちが湧いてしまう自分。 まさに平和ボケした現代人… でもそれを痛感できるからこそ現代に生きる人たち、 そしてアメリカがまた変わろうとしている今、 これを読むべきか...
正直に書くと、心が痛む反面、 まるでフィクションのような過酷な状況に どこかで「本当に起きたことなの?」と疑いの気持ちが湧いてしまう自分。 まさに平和ボケした現代人… でもそれを痛感できるからこそ現代に生きる人たち、 そしてアメリカがまた変わろうとしている今、 これを読むべきかと。 差別は、されてない人には到底理解ができないほど 残忍でむごいものだ。
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奴隷として生まれた著者の、日々の生活や思いが非常によく伝わった。 こんな文章を残してくれたことに感謝。 想像を絶する過酷な運命の中で、他人に恩恵を受ければ感謝し、自分の子どもを愛し、人としての尊い心をずっと持ち続けていられた誇り高き著者は本当に素晴らしい人格者だと思う。
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初めて、奴隷制度とはどういうものかを知りました。 一気に読めました。 彼女の事、彼女の子供達や家族の事をさらに知りたくなりました。 読めて良かったです。
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これはたくさんの人に読んでほしい。 ハリエット・アン・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事 」。 ちょっと前に「ハリエットって奴隷解放に尽力した女性の映画やってたな」と思いながら買ったけど、あれは同時代の別のハリエット(・タブマン)の話。ハリエット違いだった。 この本のハリ...
これはたくさんの人に読んでほしい。 ハリエット・アン・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事 」。 ちょっと前に「ハリエットって奴隷解放に尽力した女性の映画やってたな」と思いながら買ったけど、あれは同時代の別のハリエット(・タブマン)の話。ハリエット違いだった。 この本のハリエットは、他の奴隷も解放しようとするわけではなく、普通の少女。 この本は当初自費出版で世に出たもので、「教育を受けていないはずの奴隷がこんな文章を書けるはずがない、フィクションだ」とアメリカでもおよそ120年埋もれていたところ、研究の結果、本当に元奴隷が書いた実話と確認できてから、アメリカでは名だたる古典とともにベストセラーランキングに名を連ねているとのこと。 訳者の堀越さんも、本業は翻訳者や研究者でなく会社員。今なお地域や学歴などの格差に取り巻かれている日本の少女たちに特に伝えたいという思いで訳されたらしい。 それまでそんなに日本に紹介されてなかったぽいのも何だか不思議。 さて、本編は、冒頭から白人の卑劣な行いが綴られているため、最初からめちゃくちゃ胸糞が悪い。 奴隷所有者と奴隷の間で約束をしても(書面でも)何やかんやで反故にされ、自分が家族を買って自由の身にしようと一生懸命お金を貯めても何やかんやで奪われ、抗ってもよくわからない理屈で侮辱・罵倒され…人間の尊厳は踏みにじられている。 ある意味当然なんだと思う、何せ彼らは奴隷のことを同じ人間と思っていなかったので。それが彼らの「常識」で、法律もそれベースなので、どこにも救いが求められない。 また、単に「最後は自由になってよかった」だけでなくいろいろ考えさせてられる点もあった。 同情的な白人であっても奴隷と自分たちを同等と見る人はほぼいなかったこと、 理想郷と思って逃げてきた自由州でも黒人差別が完全にないわけではなかったこと(列車の車両とか)、 自分が逃げて自由を手にしても家族みんなで暮らすことはかなり難しいこと、 うまく家族で集まれても一生一緒に幸せに暮らしていけるとは限らないこと… 筆者の文章が、生々しい描写に頼ることなく、知性と誇り高さを感じさせるのが、余計に味わい深い気がする。 けど、差別し蹂躙したのも人だけど、数少ないとはいえ救いの手を差し伸べたのもまた人で、そこには救われた。 全世界の人が、他の人間みんなに尊厳をもって接する日の遠さを思う。
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日本にいると、多様性について考える機会は、与えられない限り、あまりないかもしれない。 特にコロナ下においては、自ら情報を得ようとしないと日本社会特有の一般論での考え方に偏ってしまうこともある。 そんな時に読んだ本で、今も根強く残る黒人差別問題の渦中で劣悪な環境で過ごした130年...
日本にいると、多様性について考える機会は、与えられない限り、あまりないかもしれない。 特にコロナ下においては、自ら情報を得ようとしないと日本社会特有の一般論での考え方に偏ってしまうこともある。 そんな時に読んだ本で、今も根強く残る黒人差別問題の渦中で劣悪な環境で過ごした130年前の実体験を綴られた本。理解できない言動、現実味のない情景、今も形を変えて残る差別問題を知ることの大切さを改めて感じた。 知らない国の知らない人が、どこでどう生きて考えて希望を見出しているのか、そこから自分は何を得て考えて行動できるのか。 日本が世間体や固定観念ではなく、多様性に寛容な社会になるには時間がかかると思うが、多様性を考える、権利を考える時間ができた。海外留学や旅行ができない今だからこそ、多様性を知る手段の中に本があることをより実感した。
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文明国が一番野蛮なことをしている、という高校の先生の台詞を思い出した。この世で最も始末に負えないものは、人間の思考停止と「小さな優越感」だと思う。
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130年前に書かれた自伝。「著者不明のフィクション」自主出版として忘れられていた本書だが、事実に忠実な自伝であることが確認されたのは1987年。 米国で「遅れてきたベストセラー」となった本書の日本語版が出版される至った経緯が珍しい。コンサル会社(戦略系か会計事務所系か?)勤務の...
130年前に書かれた自伝。「著者不明のフィクション」自主出版として忘れられていた本書だが、事実に忠実な自伝であることが確認されたのは1987年。 米国で「遅れてきたベストセラー」となった本書の日本語版が出版される至った経緯が珍しい。コンサル会社(戦略系か会計事務所系か?)勤務の堀越さんという女性が、2011年8月に大阪出張のために乗った新幹線でKindleの中でたまたま見つけた本書に衝撃を受けて翻訳を決意した、というもの。2014年に単行本が出版され、文庫本は2019年第1刷、2020年5月には8刷を重ねているので、ジワジワと読者が拡大している模様。 著者は1813年生まれ。舞台の大半は19世紀前半のノースキャロライナの沿岸部の街「イーデントン」。アルベマール湾という入りくんだ港湾の奥の港町。2019年の米国のベストセラー「ザリガニの鳴くところ」の舞台となった架空の町「バークリーコーブ」周辺の湿地帯と描写がかぶる。 南北戦争(1861-1865)以前の米国南部には奴隷制度が存在し、著者ファミリーをふくむ奴隷は「モノ」「財産」として売買の対象となっている。奴隷制度のくびきから逃れている自由黒人も存在するが、著者の「所有者」であった医師の男は愚劣かつ卑劣な人物。本書は、著者とその子供達が彼から逃れるまでの何十年にもわたる驚きの物語。本書が終わる1861年は、日本でいえば幕末の時代であり、米国では南北戦争が始まる年。 奴隷制度というものは、黒人を人間として認識しないという前提となっている。当時の奴隷所有者の白人男性たちが奴隷の若い女性をいかに性的はけぐちとしていたか、その結果、白人女性達の猜疑心や嫉妬心が大きくなっていたか、という事に衝撃を受ける。 これらの奴隷所有者の白人たちが、奴隷に産ませた自分の子供や、自分の幼少期の面倒を見てくれた異母姉を、財産として売却することが一般的であったことを知り戦慄した。 多くの無名な奴隷達の困難辛苦があったはずだが、その当事者による自叙伝であるこの物語は世に残されるべき本だと思う。
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読み終わったけど、読めた感じがしない。 この物語が投げかけるものをちゃんと受け止めるだけの謙虚さがないんかな?とも思う。 原文を読みたいな・・・ 今アメリカでは、そして世界中が黒人差別にそしてその構造をぶっ潰そうとしている。 それは白人が罪のない黒人を殺したという悲惨な事実から...
読み終わったけど、読めた感じがしない。 この物語が投げかけるものをちゃんと受け止めるだけの謙虚さがないんかな?とも思う。 原文を読みたいな・・・ 今アメリカでは、そして世界中が黒人差別にそしてその構造をぶっ潰そうとしている。 それは白人が罪のない黒人を殺したという悲惨な事実からやけど、それは日本人がまだ侍みたいなかっこをした人が多かった時代から、緻密に積み上げられた、巨大なアスレチックスをぶっ壊すくらいの力がいるのかもなとこの本を読んで思う。
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