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ある奴隷少女に起こった出来事 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/06/28 |
JAN | 9784102201114 |
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ある奴隷少女に起こった出来事
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商品レビュー
4.1
126件のお客様レビュー
『鞭で打たれる痛みには耐えられる。でも人間を鞭で打つという考えには耐えられない』という箇所が印象的だった。 初めて読む奴隷についての書物。だが考え直してみると、奴隷で読み書きができる人は少数だから、もしかしたら真っ当なのかもしれない。 思っていたよりもずっと酷く、むごい。奴隷主に...
『鞭で打たれる痛みには耐えられる。でも人間を鞭で打つという考えには耐えられない』という箇所が印象的だった。 初めて読む奴隷についての書物。だが考え直してみると、奴隷で読み書きができる人は少数だから、もしかしたら真っ当なのかもしれない。 思っていたよりもずっと酷く、むごい。奴隷主によって奴隷への接し方、扱い方は様々だが、どのような思想、社会背景の中でも、良いことと悪いことの判断がつく教養のある人でありたいと改めて思った。 人を売り買いし、「所有する」のは今では不思議な感覚だが、それが当たり前だった時代があるのが恐ろしい。 弱者が卑怯なことをしても、他に責められる人はいない、いたとしてもその状況を許容し生み出している社会のシステムが悪い。抑圧された側の狡猾さは、それが暴君に対して持てる唯一の武器だという箇所が、印象的だった。この見方はなかった。
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この本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。 翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわず...
この本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。 翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわずか十数冊の中から選んだ一冊だった。 しかし、読み出したら止まらず一気読み。 作家でもない一人の奴隷少女によって書かれた彼女の過酷な実体験を綴った本作は、アメリカの古典名作ベストセラー・ランキングで上位というから納得である。 自由を得るために、彼女が選び自らに課した運命は、あまりにも悲痛なものであり、その痛みは想像を絶する。 最後に訳者によって語られる彼女の身内のその後には、言葉も失ってしまった。 彼女自身が持つ崇高な魂と、恵まれた有難い人々との出会いによって培われていく才気によって、過酷な運命を自ら切り開いていく彼女の強さから、生き方を学べたことは、この本を世に送り出してくださった歴史学者のイエリン教授や訳者の堀越氏に感謝しかない。 彼女が手にしようとした差別からの解放のための運動に対して、現在のアメリカの大学、航空業界、医療業界においては何%かの割合で黒人を受け入れることが義務付けられている。それは果たして、彼女が望んだ解放なのか?平等なのか? 彼女の自由を買い取るつもりでいる心優しい夫人の行為に対して、彼女は「自分の心が啓発されていくに従い、自分自身を財産の一部だとみなすことは、ますます困難になっていた。自分を痛ましく虐げた人々に金を払うことは、これまでの苦しみから、勝利の栄光を奪いとることのように思えた。」と考える。現代においては、有色人種であれ、女性であれ、各自の努力の上に手にしたものを最上で尊いと受け止めていくことが、彼女の生き方に近い気がした。優遇は、彼女の求めた平等や解放ではないはずだ。 彼女の如き、気高い精神を持ち、常に努力を怠らず、自己を磨いていきたい、と思えた。 私にとって、時間つぶしが珠玉の一冊となった。
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アメリカのかつての奴隷制度の、人を人として扱わない惨さ。ノンフィクションであることが怖いくらい。 体を伸ばすこともできない屋根裏部屋で7年間、死と隣り合わせで隠れて生活をしたり、北部に無事逃げてからも”持ち主”であるドクターフリントの追手から逃げながら生活をしたり、、 その中で...
アメリカのかつての奴隷制度の、人を人として扱わない惨さ。ノンフィクションであることが怖いくらい。 体を伸ばすこともできない屋根裏部屋で7年間、死と隣り合わせで隠れて生活をしたり、北部に無事逃げてからも”持ち主”であるドクターフリントの追手から逃げながら生活をしたり、、 その中でも生きることを諦めずに、また多くの人と助け合いながら自由を獲得する姿はかっこいいと思った。
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