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服従 の商品レビュー

3.4

43件のお客様レビュー

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2024/09/04

(2015/11/19) なんでこの本を入手したかその経路を全く覚えておらず、 どんな本かもわからないまま読み始めた。 ときおり物凄い性描写があって引きつけられ、 その後政治的な話になって斜め読みし、、、 しかしそこがポイントの本だったようだ。 近未来、フランスにイスラム政権誕...

(2015/11/19) なんでこの本を入手したかその経路を全く覚えておらず、 どんな本かもわからないまま読み始めた。 ときおり物凄い性描写があって引きつけられ、 その後政治的な話になって斜め読みし、、、 しかしそこがポイントの本だったようだ。 近未来、フランスにイスラム政権誕生、人が神に服従する。 O嬢の物語は女が男に服従する。 それを大学教授が両方同時並行的に体験する、、、 みたいな本だったような気がする。 シャルリー・エブドのテロがあったり、 イスラム国などが跋扈したり、 ヨーロッパならではの視点。 それにしても女にもてるのねこの人

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2024/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「人間の絶対的な幸福は服従にある」。 2022年のフランス大統領選で、ファシスト党とイスラーム党が決選投票に残り、イスラーム政権が誕生するお話でした。 楽しいの意味はなく、面白かった。 知識や教養は、超越神の前では脆い。インテリほど迎合も早いというのは驚きです、フランスはレジスタンスの国だと思ってたけどインテリはこうなのかな? この主人公は、再び大学で教鞭を執って生活していくためにイスラームに改宗するというより、何人も妻が欲しい…の方が強そうなのにもやもやするところがありました。もともとノンポリなのも珍しいかも。 外堀から埋められるみたいなところに寒気がしました。その方向からか、と。 実際にこれが起こるかと言われれば8割方無かろうとは思います。でももしも…となれば、このお話の流れは自然に感じられました。 一神教の国でこうなんだから、多神教だともっと容易そう。だけど、男性観で拒否しそう。。 2024年に読んでいるので、解説にあるイスラエル人のご友人の「ハマスの主敵はイスラエル」がつくづくわかります。イスラーム国とハマスがガザ地区で内ゲバやってたのは存じなかったけれど…どちらもスンニ派なんだな。 世界的に世論はパレスチナ支持に傾いてる。イスラーム支持でなく、イスラエルがやり過ぎという方向で。 でももしもイスラエル側が「敗戦国」とされても、それがそのままイスラーム支持という意味にはならない気はします。見方が甘いかなぁ。

Posted byブクログ

2024/02/09

宗教の話なので難しそうだなぁと敬遠していたが読んでビックリ!スーパー面白かった。今まで読んできたウエルベック作品の中でもストレートでシンプル。複雑さが控えめで読みやすい。主人公一人にしか焦点が当たらず分量も少なめなのもあるが。オチへ行き着く云々よりも、主人公が孤独に生きている些末...

宗教の話なので難しそうだなぁと敬遠していたが読んでビックリ!スーパー面白かった。今まで読んできたウエルベック作品の中でもストレートでシンプル。複雑さが控えめで読みやすい。主人公一人にしか焦点が当たらず分量も少なめなのもあるが。オチへ行き着く云々よりも、主人公が孤独に生きている些末な日常のディテールがツボだった。徹底的に孤独で、やる気もなく、生活に不自由もなく、社会的地位もあり、中の上な生活水準だからこそ希死念慮が襲うと言う部分が。

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2023/09/28

西欧文明の行き詰まりからありうる近未来を描くということなのかな。一つの極端な基本的にはなさそうな可能性っていうことなのかもしれないけど、全体的なインテリ限定の世界にいまひとつ入り込めない印象。佐藤優の解説が余計に胡散臭さを感じさせる。この人の作品は初めて読んだけど女性の書き方はな...

西欧文明の行き詰まりからありうる近未来を描くということなのかな。一つの極端な基本的にはなさそうな可能性っていうことなのかもしれないけど、全体的なインテリ限定の世界にいまひとつ入り込めない印象。佐藤優の解説が余計に胡散臭さを感じさせる。この人の作品は初めて読んだけど女性の書き方はなんか酷い。この作品だけ?

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2023/08/15

イスラム化していくフランスを強固な政治的リアリズムで描くという実験的な試みが小説の主軸にはあるが、見落としてはいけないのがユイスマンスの存在。享楽に埋没していた中年男性が精神的にも身体的にも危機に襲われる。 結末にやってくるのが、まさに主人公にとっての救い。 これはまさにユイスマ...

イスラム化していくフランスを強固な政治的リアリズムで描くという実験的な試みが小説の主軸にはあるが、見落としてはいけないのがユイスマンスの存在。享楽に埋没していた中年男性が精神的にも身体的にも危機に襲われる。 結末にやってくるのが、まさに主人公にとっての救い。 これはまさにユイスマンスの人生そのものとも共鳴してる。

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2022/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022年のフランス大統領選は、極右政党・国民戦線とイスラーム同胞党モアメド・ベン・アッベスの決戦投票となり、結果、イスラーム政権が発足する。パリ第三大学で教職につくユイスマンス研究者の「ぼく」は、イスラム教徒でないことから、教職を追われるものの、改宗を決断し、再び大学教員となるところで物語は終わる。 語り手の「ぼく」は、博士号を取ったのち、15年大学で教鞭をとってきた。しかし、社会に対して関心がなく、距離をとって生きてきたために、「社会にでなければならないだろう」と考えると、「ちっとも心楽しむことがない」男である。 1年に一人のペースで教え子の女子学生と付き合うものの、「新しい人と出会った」と言われて別れることになる。教職を追われても、定年並みの年金を提示されると黙って受け入れる。新学長にイスラム教への改宗を勧められると、気にするのは一夫多妻制と、妻の選ばれ方であり、最終的には、あっさりと改宗する。彼の生き方は、まさにタイトルの通りの状況への「服従」であるように見える。 歴史的な政治の大変動によって、死人が出るほどのテロまで起きているフランスにあって、その政治的なテーマとは裏腹に、若者的な自意識の中で悩む語り手が目についてしまうかどうかで、好き嫌いが分かれるように感じた。 自分は、苦手な作品であった。

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2022/04/21

全体的に大きな爆発的なエピソードはなく、ゆっくりと食べ物が腐っていく様を見ているような話だった。 序盤は社会情勢についてどこか他人事で非常に呑気な振る舞いをしているがだんだん自身の生活が変容していき、なすがままに飲み込まれていく様子が異様にリアルだった。 主人公が人生を通しての研...

全体的に大きな爆発的なエピソードはなく、ゆっくりと食べ物が腐っていく様を見ているような話だった。 序盤は社会情勢についてどこか他人事で非常に呑気な振る舞いをしているがだんだん自身の生活が変容していき、なすがままに飲み込まれていく様子が異様にリアルだった。 主人公が人生を通しての研究対象としたユイスマンスと彼自身の人生との相似形な構造が生きる事の奇妙さを際立たせるように感じ、惹きつけるものがあったし、宗教の力に国が飲み込まれていく様が流麗で恐ろしさを感じた。 人は抗うよりも順応していった方が生きるのが楽だもんなぁ。それがヨーロッパでいち早く市民革命を起こしたフランスであったとしても。

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2022/02/04

西洋のヒューマニズムの終焉はイスラム文化と結びついてしまうのか。もはや人間自らが地球を切り開いていく力は残っているのだろうか。コミュニティが瓦解して、指針がなくなった人類はそれと相性の良いイスラム教を利用して、受動的に生きる術に縋ってしまう可能性は多いにおるのではないか、 教授...

西洋のヒューマニズムの終焉はイスラム文化と結びついてしまうのか。もはや人間自らが地球を切り開いていく力は残っているのだろうか。コミュニティが瓦解して、指針がなくなった人類はそれと相性の良いイスラム教を利用して、受動的に生きる術に縋ってしまう可能性は多いにおるのではないか、 教授の知的水準は高いのにも関わらず、彼は一人では満たされることができず、女や名誉、お金、食事など世俗的なものを持ちいることでしか幸せは掴めないのである。これが人間の性なのであろうか。彼にとって、国の情勢はどうなろうと構わないのである。イスラム系が政権を取ろうと、極右がとろうと彼の行動自体は変わらないのだ。

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2021/11/17

なんと文庫化していたので美容院の暇つぶしのために買って一気読み。フランスがイスラム政権の党に取られて徐々にイスラムに傾き、、、とのあらすじ、ふとした出来事をきっかけにじわじわと世界が変わっていく様、2021年に読むとなんとまぁ皮肉に思える。 スジとは別に本の全体に流れる強烈な差別...

なんと文庫化していたので美容院の暇つぶしのために買って一気読み。フランスがイスラム政権の党に取られて徐々にイスラムに傾き、、、とのあらすじ、ふとした出来事をきっかけにじわじわと世界が変わっていく様、2021年に読むとなんとまぁ皮肉に思える。 スジとは別に本の全体に流れる強烈な差別意識というか、まぁはっきり言って相当きついセクシズム描写はまさかウェルベック本人無意識に書いてるわけでなく、この本の筋を浮き立たせるために意識的に使っているのだろう。というかそう思いたい。 それ以外にも、本から距離を取って読める人でないと危険な本になってしまう。それだけの求心力というかカリスマを発する本で、ウェルベックすげーなー

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2021/03/20

 かなり考えされられる内容だったが、全体的に女性への無理解がキツすぎた。女性を同じ人間として見ていないし(エキゾチックとか言っとけば許されると思っているのか)、自分の姿勢を客観視しようとする素振りも見えない。例えば、同僚の女性のマリー=フランソワーズの夫妻に親切に家と別荘に招かれ...

 かなり考えされられる内容だったが、全体的に女性への無理解がキツすぎた。女性を同じ人間として見ていないし(エキゾチックとか言っとけば許されると思っているのか)、自分の姿勢を客観視しようとする素振りも見えない。例えば、同僚の女性のマリー=フランソワーズの夫妻に親切に家と別荘に招かれてディナーをご馳走になっておきながら、イスラム優位の社会では彼女のキャリアが全く断絶してしまうだろうということに一言の言及もない。そりゃ自由恋愛で結婚できるわけないわこいつ……と思いながら我慢して読んでいた。  そういう自省のない傲慢な知識階層へ、イスラームが都合の良い面を押し出してアプローチしてきて、なし崩しに受け入れていくという粗筋が、今のヨーロッパのイスラムへの恐れの心理を皮肉に暴き立てるためのレトリックなのか、それとも単に著者の人間性なのか。ウェルベックをこれしか読んでいないので分からないが。

Posted byブクログ