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服従 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2017/04/19 |
| JAN | 9784309464404 |

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商品レビュー
3.4
48件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「女性が投票できること、男性と同じ学問をし、同じ職業に就くことが本当に良いことなのか」という考えを女性の前で平然と語る大学の准教授であるフランソワ25歳。彼はなぜ家父長制が批判されるようになったのか、女性の権利がどうして拡大してきたのか、歴史的にどのような問題があったのかを考えず、昔の男女の役割のほうが自然だったのではないかという、自分に都合のいい部分だけを切り取って見ている。彼の女性観も女性を一人の人間として見るのではなく、男性との関係や役割から都合よく捉えているように思う。例えば、家父長制が復活すれば出生率が上がるという考え方は、女性が自由な意思で選択することを前提としていない。女性の選択肢を狭めることで社会的役割を固定する発想であり、その結果として生じる女性の権利侵害については考えていない。彼は政治や宗教そのものよりも自分が安心できる男性中心の社会を求めているように見える。イスラームへの接近も男性としての地位が保証される社会への憧れに近い。自分に都合のいい秩序なら受け入れてよしとし、その負担を女性に負わせても構わないと思っている。このような若い男性のみ優位に立てる社会は、いずれ弱い立場の人を切り捨てる社会へ進むだろう。女性、子ども、障害者、高齢者へと広がった権利侵害は、最終的には男性自身の自由や選択肢も狭めることになっていく。他者の権利を軽視して築いた社会は、最終的には自分自身の首を絞めることになる。
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服従 都市生活の複雑さと無気力と孤独と現代の行き過ぎた個人主義を、イスラム教の台頭を混じえて主人公が改宗する物語に回収する 作中でも様々な哲学者や文豪が出てきたが、特にニーチェと結び合わせて作品が動いているように感じた 現代文明は人間が欺瞞で固めた虚偽の姿であること、厳格な階層性社会が芸術の進歩を齎すこと、現在は苦しみでしかなく過去と未来への回想だけが救済であること ユイスマンスの博士論文で評価された主人公は、フランスの大学で教授を務めていた 性欲の減退と中年男性の孤独感を感じながら、孤独な者同士でまぐわりあう虚しさをも感じていた ユダヤ人の床上手な愛人が心の支えだったが、徐々にイスラム教の党首が支持率を増加していく政治状況を前に、彼女はイスラエルへ逃亡してしまった 心の支えを失った主人公は、大きな悲しみを感じるわけでもなく、夜の虚しさと生活の味気なさだけを淡々と、政治への不安、インテリ達の表層的なパーティー、尊敬に値する政治に詳しい友人と過ごしていく 内戦を恐れ田舎のホテルに身を固めて避難するも、数ヶ月ぶりに帰宅すると大学はサウジアラビアの出資を受けてイスラム教育に手がけるよう買収されていて、返事をしなかった主人公は毎月50万の年金を保証して解雇された そして母親は孤独の中で死に、数ヵ月後に再婚した父親も幸福の中で死んだ ユイスマンスのように1度教会で修道僧の体験をしてみるも、タバコしか吸えない状態と、ユイスマンスのようにロマン主義的でいられない自分とを堪能しただけだった その後大変名誉な仕事を貰い受け、大学の新しいパーティーに出席し、そこで権力者にユイスマンスの論文を通じて評価され、何度かの会合で大学に戻ること、つまりイスラム教に改宗することを勧められた 晴れて最後に、自由に抗し続けた主人公はイスラム教に改宗し、システムに服従して幸福になった ユダヤ人の女の子は主人公とは対照的な自覚的な被害者で、主人公は無自覚な加害者 母親は主人公が改宗しなかった場合の孤独、父親は改宗(大きな心がわり)をした場合の主人公として置かれている 会話の中で主人公は、最初から家族制度の希薄さが齎す宙ぶらりんの個人主義には批判的で、現代の西洋的でいきすぎた多様性文化にも反対的、ユダヤ人の女の子の前で家父長制を賞賛する 全ての主張に論理的整合性はあっても、情熱は無い、あるのは燻る嫌悪感 危険を危険と認識せず、声を挙げず、慣性だけが保証する安全に安心する やっと危険に気づいて行動したかと思えば、周囲は変わっているし、その変化にも無感動に無抵抗に適応する政府の都合の良いように飼いなされた日和見主義 そんな現代インテリの苦しみと醜さを凝縮したような主人公と周囲のフランス人が、最終的には正義不正義に葛藤することなく、実存を求め最後にイスラム教の家父長制や一夫多妻、そして大学教授という名誉に身を沈めて行った 主人公は一度田舎に逃避したり、協会で暇を取ったり、自ら政治的会話により情報を集めたり、苦しみながら自由意志を獲得するために抵抗を試みていたが、それでも決して明確で継続的な抵抗ではなかったことに作品を通して主張されている無気力と自由による逆説的な抑圧を感じた 現代の違和感を感じる過度な"倫理"に釘を打つ、戸塚ヨットスクール大歓喜物の作品だ 共産主義と同じく、イスラム教も世界征服した時に初めて幸福を達成すると言うが本当かな? この本のおかげでディストリビューティズムにも興味が出たし、イスラム教にも興味が出た 「後期のユイスマンスは退屈になったが、退屈を台座に書くことで読めなくは無い代物にしていた」とでもいうように、この作品も無気力を題材に書くことによって、情緒にかけた部分も魅力の1部に感じた 好奇心が沢山刺激されたいい読書体験
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本書はディストピア小説と呼べるのだろうか?よくわからなかった。何となくプロットは想像できたが、本文の詳細がチグハグで少々物足りなかった。 ノワールでもないしパロディでもなく、かと言って政治ドラマでもないのでモヤっとしたのかも知れない。 些細なことがとても気になった。他の方も書いて...
本書はディストピア小説と呼べるのだろうか?よくわからなかった。何となくプロットは想像できたが、本文の詳細がチグハグで少々物足りなかった。 ノワールでもないしパロディでもなく、かと言って政治ドラマでもないのでモヤっとしたのかも知れない。 些細なことがとても気になった。他の方も書いておられるが、わざと確信犯的にやってるのではないかとすら感じられる村上春樹的な文体が妙に気になってしまう。
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