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パレートの誤算 の商品レビュー

3.6

148件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2019/07/12

市役所で生活保護を担当することになった新人職員の牧野聡美は、人望篤く頼もしかった先輩であった山川の、突然にして不審な死の中で色々な謎に突き当たる。それが解かれて行く物語である。 所謂“貧困ビジネス”という“闇”を扱う物語だ…劇中人物達の造形が好く、彼らが躍動して“闇”が暴かれて行...

市役所で生活保護を担当することになった新人職員の牧野聡美は、人望篤く頼もしかった先輩であった山川の、突然にして不審な死の中で色々な謎に突き当たる。それが解かれて行く物語である。 所謂“貧困ビジネス”という“闇”を扱う物語だ…劇中人物達の造形が好く、彼らが躍動して“闇”が暴かれて行くことになる…展開の中、誰が敵で、誰が信じるに足るのか、大嘘つきが誰で、本当のことを言っているのは誰か、なかなか判らないような感じにもなる。思わず引き込まれてしまうので、頁を繰る手が停まらなかった… 或いは「暗過ぎる題材?」かもしれないが…最後まで読了すれば、何か「救い」は在るような感だ。そして「パレートの誤算」とは?少し考えさせてくれるテーマでもある…

Posted byブクログ

2019/06/20

予想もしなかったストーリー展開に惹きつけられ、先が気になってスイスイと読み進められます。生活保護の実態を生々しく描いており、日本の生活保護制度のあり方、ケースワーカーの仕事について考えさせられました。小説を通して日本の生活保護の一面を学べる本です。 ケースワーカーとは包括で一緒に...

予想もしなかったストーリー展開に惹きつけられ、先が気になってスイスイと読み進められます。生活保護の実態を生々しく描いており、日本の生活保護制度のあり方、ケースワーカーの仕事について考えさせられました。小説を通して日本の生活保護の一面を学べる本です。 ケースワーカーとは包括で一緒に仕事することが多かったですが、その熱意や仕事の取り組み方は担当者によってバラバラで対応に困ることがしばしばでした。幅広い年代の方の支援に携わるケースワーカーこそ、研修等を通じて知識も相談援助の技術も身につけるべき!と思いますが、そんなことをやっている時間がないほど、多忙な業務量・実態なのだと改めて思いました。

Posted byブクログ

2019/06/13

ー 「警察は個人の生命、身体および財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧および捜査、被疑者の逮捕、交通の取り締まり、その他公共の安全と秩序の維持にあたることをもって、その責務とする」若林が小野寺を見る。 「警察法第一章第二条、警察の責務ってやつだ。警察学校で暗記させられた。俺たちの...

ー 「警察は個人の生命、身体および財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧および捜査、被疑者の逮捕、交通の取り締まり、その他公共の安全と秩序の維持にあたることをもって、その責務とする」若林が小野寺を見る。 「警察法第一章第二条、警察の責務ってやつだ。警察学校で暗記させられた。俺たちの仕事は自分の首を守ることじゃない。俺は自分に課せられた責務を果たすだけだ」 ー 生活保護不正受給がテーマなので、なんとも暗い物語。 これも『朽ちないサクラ』と同様に警察小説の変化球。 今度はケースワーカーが事件を追う。 どちらかと言うとストーリーに力を入れているので、ミステリー要素は普通。 社会派ミステリーの王道の展開なので、これはこれで面白いが、主人公の正義感がちょっと…。一般人がヤクザ相手に新宿鮫バリに事件を追うのはどうかと…。

Posted byブクログ

2019/06/07

生活保護の不正受給問題がテーマ。そこに繋がる組織的犯罪に至る構造とは…。仕事観、やりがい、福祉って何…。色々詰め込み過ぎ感はあるもののさっと読めた。相変わらずの筆力。パレートの法則の2割の要因分析とその横展開が必要ですね。

Posted byブクログ

2019/08/16

生保の暗い世界については,健康で文化的な最低限度の生活を彷彿とさせた。児相もそうだけど,こういった本当はきめ細かいサービス(目)が行き届くべき領域に人員が割けずに課員がやるせなくなっている現状が少なくないんだろうなぁと否応無しに感じさせる。 柚月裕子の作品で主人公として描かれる女...

生保の暗い世界については,健康で文化的な最低限度の生活を彷彿とさせた。児相もそうだけど,こういった本当はきめ細かいサービス(目)が行き届くべき領域に人員が割けずに課員がやるせなくなっている現状が少なくないんだろうなぁと否応無しに感じさせる。 柚月裕子の作品で主人公として描かれる女性は,一見(前半)事勿れ主義のどこにでもいる子に描かれるも,中盤から後半にかけては職務への忠誠心や正義感がフルスロットルになり,ヒーロー的な存在になるところに共通点がある気がする。命からがらな展開が多いけど,見ていて気持ちが良い。個人的には,若林警部補の男前なところと,山川の遺志を継ぐ小野寺さんのラストあたりがお気に入り。

Posted byブクログ

2019/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

生活保護不正受給者の闇… すごい話です 怖いですね。(ToT) 最後までどうなるのか?とドキドキでした 山川さんがいい人すぎる気が しないでもないけどね。

Posted byブクログ

2019/01/20

柚月センセーごめんなさい・・・ずーっとずーっと「パレード」だと思ってました(笑) 山川サン、ごめんなさい・・・ずーっと疑ってました(笑) 書かれている生保とヤクザの絡みや貧困ビジネスは今や、現実に溢れてる話なのでビックリするような事は全く無かったです。 不正受給や生保に関して...

柚月センセーごめんなさい・・・ずーっとずーっと「パレード」だと思ってました(笑) 山川サン、ごめんなさい・・・ずーっと疑ってました(笑) 書かれている生保とヤクザの絡みや貧困ビジネスは今や、現実に溢れてる話なのでビックリするような事は全く無かったです。 不正受給や生保に関してはココで書くと1万文字あっても足らないので止めときます。 生保やケースワーカーについて全く知らない方には読んでみるのも良いかな・・・と思います。

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2018/12/31

読みやすい文章でした。 仕事に意義を見出せない若者が、苦難を乗り越えて前向きになっていくって感じでしょうか。 若林刑事の主人公達に対する言葉使いが乱暴すぎて気になりました。一般市民にそんな言い方するかな~と思います。 良い人なのがすくいですが。

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2018/10/29

ええ、頼りになりそうな先輩が殺された。なにか裏があったのか……。いやいやとても優秀だったのだよ。だから、逆に。 なんか怪しいなというとここそ、周囲に知らせておくべきなのかもね。おかしいということに気づいてもらうために。

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2018/10/24

生活保護受給者を担当するケースワーカーの話。 現在、何万人が受給しているんだろう。そして中にはギャンブルで使っている人もいるのは確かだと思います。それは全て真面目に働いている人の給金からの税金だ。 この重たい問題に殺人をダブらせて、テンポ良く読ませてもらいました。さす...

生活保護受給者を担当するケースワーカーの話。 現在、何万人が受給しているんだろう。そして中にはギャンブルで使っている人もいるのは確かだと思います。それは全て真面目に働いている人の給金からの税金だ。 この重たい問題に殺人をダブらせて、テンポ良く読ませてもらいました。さすが、柚月裕子さんですね面白い

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