パレートの誤算 の商品レビュー
WOWOW終了前に読了。表題が「パレートの誤算」とあるが内容的には「働き蟻の法則」の方が当たってるように思うが見た目からこうなったのかな。ケースワーカー(CW)の経験のある私からすればアルアル話ではあるが、CWを経験した職員は交渉力もあり福祉行政に精通した優秀な職員になるが、管理...
WOWOW終了前に読了。表題が「パレートの誤算」とあるが内容的には「働き蟻の法則」の方が当たってるように思うが見た目からこうなったのかな。ケースワーカー(CW)の経験のある私からすればアルアル話ではあるが、CWを経験した職員は交渉力もあり福祉行政に精通した優秀な職員になるが、管理職はどちらかと言うと市長の意に沿わない職員の懲罰人事の傾向がある。当然CWも一般職員と同じく2〜3割は働かない蟻になってしまうのだが、これは一般企業でも同じだろう。本作はヤクザの問題だったが公明党や共産党の集票問題も存在する。
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まず、文章があまり好きではなく、違和感を覚えながら読み進めた(地の文で説明が多い?)。 内容についても、もう少し生活保護の闇に深い部分がなかったのか?あまり目新しいネタもなければ、困窮した状況に関する細かい描写もなかったように思う。 宮部みゆきの「火車」のようなものを思い描いていたので、主人公が事件の当事者として巻き込まれるシーンを見て、チープさを感じてしまった。 期待していたものとは違ったので、星1つ。
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生活保護、お役所の実情をちょっと知れたような気がする本。生活保護は、そこに至るまでにやむを得ない事情をかかえていて最後のセーフティネットだし、そしてそこから這い上がる人もいるし、でも不正受給の人もいる。 でも、どんな実情の人でも、その状況にあるからと言って見下し尊厳を無視してはい...
生活保護、お役所の実情をちょっと知れたような気がする本。生活保護は、そこに至るまでにやむを得ない事情をかかえていて最後のセーフティネットだし、そしてそこから這い上がる人もいるし、でも不正受給の人もいる。 でも、どんな実情の人でも、その状況にあるからと言って見下し尊厳を無視してはいけない、それは印象に残った。
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昨今、色々と問題視されている生活保護のお話。 確かに税金を使っているのだからホウレンソウは必要なんだろうけれどもケースワーカーも大変そう。 とは言え一番問題視されなくてはいけないのは福祉制度や補助金を悪用している者であって、制度や制度を受ける人に非難が行くのはおかしいんだよなぁ…...
昨今、色々と問題視されている生活保護のお話。 確かに税金を使っているのだからホウレンソウは必要なんだろうけれどもケースワーカーも大変そう。 とは言え一番問題視されなくてはいけないのは福祉制度や補助金を悪用している者であって、制度や制度を受ける人に非難が行くのはおかしいんだよなぁ…と思ったりしました。 困っている人が居たら助ける、というのは当然なんだけれども…と今なってきてしまっているのは皆が余裕がない社会になってきてしまったからなのかなぁと思ったり。そして人間だけじゃないけどラクな方に流されるのは早いからなぁ… 色々と大変だけれども実際問題、就職支援は企業とかが絡まないとお役所だけでは中々解決しない問題なのかもしれないなぁとか思いました。
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「渾身の社会派ミステリー」と背表紙で銘打たれている通り、市役所の福祉課を舞台に生活保護の問題と、市役所に勤めるベテランケースワーカーの殺害事件が絡まります。 ただ、生活保護に関する不正受給の問題と、社会福祉としてのそもそもの意義の間に横たわる大きな問題も掘り下げられていて、そっち...
「渾身の社会派ミステリー」と背表紙で銘打たれている通り、市役所の福祉課を舞台に生活保護の問題と、市役所に勤めるベテランケースワーカーの殺害事件が絡まります。 ただ、生活保護に関する不正受給の問題と、社会福祉としてのそもそもの意義の間に横たわる大きな問題も掘り下げられていて、そっちに意識が向いてしまい、中盤まで読んでいて正直ミステリーと混ざり合っている感じはしませんでした。なんとも難しい題材に取り組んだなぁ、といった印象です。 とはいえ最後の100ページぐらいで「社会派」と「ミステリー」が混ぜ合わされて、飲み込んだ後はなかなか美味しかったです。 それにしても今回もタイトルの妙がいい後味となって効いていました。
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福祉課に配属された新人職員が殺されたケースワーカーの 後を継ぎながら、生活保護の暗部に迫る社会派ミステリー。 生活保護の不正受給に対しての問題は時々耳にしたこともあるので、 とても重い事がテーマになっているのでとても興味深く読めました。 福祉関係の仕事に就きたいと思ってい...
福祉課に配属された新人職員が殺されたケースワーカーの 後を継ぎながら、生活保護の暗部に迫る社会派ミステリー。 生活保護の不正受給に対しての問題は時々耳にしたこともあるので、 とても重い事がテーマになっているのでとても興味深く読めました。 福祉関係の仕事に就きたいと思っていた主人公の聡美が 就いた先は市役所の社会福祉課の生活保護課のケースワーカー。 ケースワーカーひとりひとりに対応していかなければ ならない仕事で様々な事情を抱えている人ばかり。 そこへ新人の聡美が配属されたとなるとかなりの重圧で 生活保護の闇や社会福祉の現状をまざまざと突き付けられて 前半なではどうなってしまうのだろうと思ってしまいました。 けれど一つの事件が起きたことで、 徐々に聡美の心が変化していき、ケースワーカーとしての プライドが出てくる所は力強さ、 誇りらしさがよく表れて成長ぶりが見れました。 中盤からはミステリーを特ポイントが重要になっていく 展開になっていって一気に読んでしまいました。 生活保護の在り方には色々と問題があり、 不正受給の裏にはまた闇のビジネスなどがあり 自分の力で生きていくためには人は 何でもしてしまう恐ろしさがりました。 けれど生活保護が無ければ自分の力で生きていけない 人達もいるということも忘れてはならないので、 生活保護の仕方の難しさがあるのだと思わされました。 タイトルにもなっているパレートの法則。 ある分野における全体の約八割を全体の一部である 約2割の要素が生み出しているという イタリアの経済学者の統計モデルの理論 そしてこれにあたる働き蟻の法則 ある一定のよく働く蟻と、働かない蟻に分かれる。 そこで働かない蟻を取り除き、働き蟻だけにしてみると、 勤勉な蟻だけにしても、その中の二割程度は 働かなくなるという結果。 これが世の中には一部の人間で成り立ち、 残りの人間はさほど役に立たっていない という見解になっていますが、統計上だけでなく 聡美のように例えな怠けているようにしか見えないもので あったとしても、一人一人は懸命に生きてが少しでも 社会と繋って生きていると思いたいです。 人間社会は蟻や数式、法則で成り立つものではないと 心から思いました。 柚月さんの作品が好きになり最近では何冊か読んでいますが、 こちらも骨太でしっかりとした重厚な構成になって読み応えがあり、 テンポ良く繰り広げられていたミステリーでした。 益々他の作品も読みたくなりました。 3月にこちらの作品がWOWOWでドラマ化されるようなので、 それも観てみたいと思います。
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wowowドラマになると聞き読んだ。 生活保護費の不正受給をめぐる殺人事件を探る担当者の話。パレートという数式を持ってきたのはキャッチーだけどさほど目新しい展開がなく思っていた人が思っていた通りの理由で犯行を行っていた。 不正受給の手口が思いもよらない方法なのかと思ったのだけど...
wowowドラマになると聞き読んだ。 生活保護費の不正受給をめぐる殺人事件を探る担当者の話。パレートという数式を持ってきたのはキャッチーだけどさほど目新しい展開がなく思っていた人が思っていた通りの理由で犯行を行っていた。 不正受給の手口が思いもよらない方法なのかと思ったのだけどそこも普通。よくあるやつ。 親子愛に重き置くでもなく、人間関係のしがらみを描くわけでもなく。 事件が進んでゆくのを主人公と一緒に探してゆく感じの描き方だったからすらすら読めたけど全体には大変物足りないです。ドラマはこれをどう見せてゆくのかには興味がある。
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役所の話ということで、やくざや警察より身近でした。いろいろな伏線がこれでもかって出てきて、あっちこっち、誰だ!と創造を膨らませて読んでいくのが面白かったです。 お話は、今の生活の延長線上、どこかで繋がってる感じが現実的で、未来の一場面かと思うと、いろいろな思いが交錯しました。その...
役所の話ということで、やくざや警察より身近でした。いろいろな伏線がこれでもかって出てきて、あっちこっち、誰だ!と創造を膨らませて読んでいくのが面白かったです。 お話は、今の生活の延長線上、どこかで繋がってる感じが現実的で、未来の一場面かと思うと、いろいろな思いが交錯しました。その仕事をすることはなさそうだけど、生活保護を受けるかもしれないし、不正受給してそうな人はいるし。割合はどのくらいかわかりませんが。まあ、上司が繋がってることはないだろうな。そのために、移動が多いのだろうし。 「パレートの法則」というのは初めて知りました。「働き蟻の法則」は知ってました。でも、あれは、交代で休憩とっているだけだからなぁ。
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WOWOWで放送されるということで購入。 市役所の社会福祉課に勤務する新人の牧野聡美は、生活受給者に生活保護費を渡したり、生活受給者の家庭訪問や支援(ケースワーカー)をしたりなど奔走しています。 ある日、火事が発生し、焼け跡から同じ課に勤める山川の遺体が発見されます。その場所は、...
WOWOWで放送されるということで購入。 市役所の社会福祉課に勤務する新人の牧野聡美は、生活受給者に生活保護費を渡したり、生活受給者の家庭訪問や支援(ケースワーカー)をしたりなど奔走しています。 ある日、火事が発生し、焼け跡から同じ課に勤める山川の遺体が発見されます。その場所は、山川が担当する生活保護受給世帯のエリアでした。山川の引き継ぎをしているうちに様々なことが明らかになっていきます。 果たして犯人は誰なのか? 題名に出てくるパレートは、経済学者です。「パレートの法則」というものがあり、ある分野における全体の約8割を、全体の一部である約2割の要素が生み出しているという理論。この作品に当てはめてみると、全体の2割程度の高額所得者が社会全体の8割の所得を占めるそうです。その2割以外は不必要かもしれません。でも、人間社会においては、法則や数式では成り立っているものではない。そのようなメッセージが書かれていました。 生活保護をテーマにしたミステリーで、ケースワーカーについてあまり知らなかったのですが、役所の人たちは、大変なんだと思い知らされました。それだけ、生活保護についての知識が豊富に散りばめられていました。生活保護の闇、社会福祉の現状という重いテーマを描きつつ、真相解明に奔走する主人公の熱血ぶりで、程よく緩和されているように感じました。まっすぐに突き進む姿は、柚月さんの他の作品「検事の本懐」や「狐狼の血」にも通じるものがありました。 読み進めるうちに「あっ、この人怪しい」と思うところがあるので、そんなに驚きはありませんでした。 むしろ、生活保護についての話が中心的で、「あっ、不正受給ってそういうカラクリがあったんだ」など闇の部分を多く知れました。 世の中には、様々な事情を抱えている人たちがいます。色々なことを知ることで、その人に対する見方が変わるかと思います。きちんと知ることで、誤解が少しでもなくせるよう、安易に批判しないよう切に願いたいです。 テレビドラマ化されるということで、主演は橋本愛さん。どう映像化されるか楽しみです。
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主人公がケースワーカーになるまでの話かと思いきや、立派な推理小説でした。 最後はどんでん返しの連続で、いっきに読めました。
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