やめるときも、すこやかなるときも の商品レビュー
割とスタンダードな恋愛小説。 高校生の時のある事をきっかけに、毎年同じ時期に声が出なくなってしまう家具職人の壱晴。 実家の問題を抱えている桜子。 この二人が出会い、もどかしいながらもお互いの距離を縮めていく。 家具職人という設定が良いなぁ。 人間生きていれば、その分だけ背負う...
割とスタンダードな恋愛小説。 高校生の時のある事をきっかけに、毎年同じ時期に声が出なくなってしまう家具職人の壱晴。 実家の問題を抱えている桜子。 この二人が出会い、もどかしいながらもお互いの距離を縮めていく。 家具職人という設定が良いなぁ。 人間生きていれば、その分だけ背負うものが増え 傷を負っていきますね。 嬉しい時だけでなく、とても辛い時に誰かの顔が浮かんで、一緒に居たいと思ったのならその人は自分にとってとても大切な人なのかも。 窪作品はツボにはまる訳ではないのだけれど、何だか読んでしまう。 相性が良いのか。
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エゴとエゴにより進んでいく二人の恋愛。 二人の、特に桜子に対し、苦手なタイプということもありイライラしつつも、これが人間だよな、とも思いつつ。 だからこそ、やめるときも、なのかも。 家具(人間)が愛おしくなります。
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過去のトラウマで12月の一定の時期だけ声がでなくなる家具職人の男。 酔うと暴力をふるう父とされるがままになっている母を支え、がんじがらめになっている桜子。恋愛経験ほぼゼロ。 二人の恋愛模様よりも、桜子や真織が、背負ったものからどうやって救われるのか…という方ばかり気になってしまった。 逃げればいいのに。捨てちゃえばいいのに。そんなこと簡単に言ってくれるなと怒られるだろうけど、やっぱりそう思ってしまう。 頼むから逃げてくれと。 でも、真織の「私がいなくなったらお父さん死んじゃう」という一言にああそうか…と思った。 自分が耐えれば…とそちらを選ばざるを得ない状況だと思っているかもしれないけど、選んだのはやっぱり自分なんだよな…。残酷だけど。 真織ちゃんはあと一歩だったかもしれないのに。壱春の提案は無謀にも思えるけれど、あのお母さんだったら、彼の家族だったら協力してくれたかも…なんて思ってしまう。 時を経て、桜子の家族を見ても引かなかったことや、結婚の承諾ではなく報告に来た壱春のとった行動とか彼女はどれだけうれしかっただろうと思う。 そしてようやく立ち上がった母親にもちょっとスッキリした。
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んー、きれいな話だなぁとは思いながら、それほど強くは印象に残るものでもなかった。 桜子のお父さん、気持ちはわかるけど、もう少しかっこいいところを見せてほしかったなぁ。。
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基本乙女心を持っている男なので、少女マンガ的なものが結構好きです。つまり恋愛物も結構いける口なのであります。 偶然の出会い、素朴な彼女、トラウマを持った男、すれ違いや勘違い、なんやかんや合って乗り越えていく。ある意味新味のない話ではあるのですが、恋愛小説の甘い滴りをのどにたらした...
基本乙女心を持っている男なので、少女マンガ的なものが結構好きです。つまり恋愛物も結構いける口なのであります。 偶然の出会い、素朴な彼女、トラウマを持った男、すれ違いや勘違い、なんやかんや合って乗り越えていく。ある意味新味のない話ではあるのですが、恋愛小説の甘い滴りをのどにたらしたい人には新味なんていらないのかもしれません。ハーレクインロマンスに一定のファン層が居るのがその証拠でありましょう。 でもこの本言うほど甘くなく、親の束縛やしがらみもなかなかなのでしっかりイライラする所も有ります。それによって先が気になって仕方が無いという読ませる小説の条件が整っております。私もしっかり堪能しました。 登場人物が30才過ぎた恋愛本の方がぐっとくるのは年取った証拠でありましょう。それもまたよし。
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人間性を見たときに、私は桜子より真織や妙子のほうが好きなんだと思う。だからモテる壱春が自分の直感だけで桜子の気持ちも確認せず、桜子の身内に交際宣言をしたという行為に共感できなかった。そして、その後二人に何があったのかもさほど描かれず(妙子が壱春のためにやってあげたことのほうがきち...
人間性を見たときに、私は桜子より真織や妙子のほうが好きなんだと思う。だからモテる壱春が自分の直感だけで桜子の気持ちも確認せず、桜子の身内に交際宣言をしたという行為に共感できなかった。そして、その後二人に何があったのかもさほど描かれず(妙子が壱春のためにやってあげたことのほうがきちんと描かれているような)、恋心を募らせる様は「何があったのだ?」と思わずにはいられなかった。
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昔の恋人を忘れられない壱晴と、恋愛の仕方を知らない桜子。 他の登場人物もどことなく影があるんだけど、不思議な調和で物語が進んでいく。 真織と桜子の父娘関係はやるせない。。 壱晴は、真織のことが忘れられないにしても、桜子が自分にはないものを持っているところに惹かれたんだろうな。 ...
昔の恋人を忘れられない壱晴と、恋愛の仕方を知らない桜子。 他の登場人物もどことなく影があるんだけど、不思議な調和で物語が進んでいく。 真織と桜子の父娘関係はやるせない。。 壱晴は、真織のことが忘れられないにしても、桜子が自分にはないものを持っているところに惹かれたんだろうな。 窪作品2作連続でヒットだったから図書館で借りまくります...!
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心の中に傷を抱えながら素直になれず孤独を生きていた壱晴と桜子のお話。寄り添って生きるとはどういう事なのか。大人になるにつれて感情を隠すのが上手くなってしまう。お互いの幸せを願うふたりの姿がとても素敵だった。
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家具職人。松江。家族。死別。酒。仕事。女癖。 まさに読んでる時が今だから人物像がBさんにドンピシャだ(いいのか悪いのか) それぞれに不幸を背負ってる二人が運命的に急接近していくけど、それぞれのことを今まで出会ってきた他の誰かとは違うという響き合いがどこであったのか読み取れなかった…。 桜子は現実的なのか夢見心地なのか。でも人間ってそんなものか。一定のテンションだけで生きてないか。
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年に一度、声が出なくなってしまう家具職人・壱晴。 その理由とは…─── 高校時代に亡くした大切な人を忘れられない壱晴。 家族のために働き続けて、恋愛らしい恋愛の経験がない桜子。 恋愛に奥手だった上に、好きになった彼の心の中には今も生き続ける女性がいる。 この難しい恋愛に、くじけ...
年に一度、声が出なくなってしまう家具職人・壱晴。 その理由とは…─── 高校時代に亡くした大切な人を忘れられない壱晴。 家族のために働き続けて、恋愛らしい恋愛の経験がない桜子。 恋愛に奥手だった上に、好きになった彼の心の中には今も生き続ける女性がいる。 この難しい恋愛に、くじけてしまいそうになる桜子を応援しながら読みました。 純粋で、不器用な二人が少しずつ距離を縮めていく様子が、なんかくすぐったいような… こんな感じ、久しぶりに味わいました。 そして何といっても、壱晴の師匠・哲の懐の深さと、後輩に席を譲る柳葉の潔さ、 この師弟関係が感動的でした。 特に、哲先生が壱晴の作品を褒めるシーンは涙がこぼれて…。 また、あの日、ギャラリーを訪れた予備校生は真織の幻だったのでは… と思えたり。(想像しすぎかな?) 木工品が好きで、ひとめぼれしてしまうことがよくあるので、(なかなか手が出ませんが) 家具工房が舞台というのも嬉しかったです。 彼らの作った椅子に座ってみたくなります。 美味しそうな卵サンドも食べたくなりました♪ タイトルと表紙の美しい桜とともに、 なんとも美しい余韻が心に残った一冊でした。
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