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やめるときも、すこやかなるときも の商品レビュー

3.7

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    3

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2017/12/20

「やめるときも、すこやかなるときも」 自身が病を経験し、配偶者との関係が破綻していく中で、この言葉の重さを身を以て知った。 心に深い傷を負い、毎年ある時期になると声が出なくなる壱晴。 難ある家族を経済的にも支え、そんな負い目も手伝ってまともな恋愛経験のない桜子。 正直、壱晴がど...

「やめるときも、すこやかなるときも」 自身が病を経験し、配偶者との関係が破綻していく中で、この言葉の重さを身を以て知った。 心に深い傷を負い、毎年ある時期になると声が出なくなる壱晴。 難ある家族を経済的にも支え、そんな負い目も手伝ってまともな恋愛経験のない桜子。 正直、壱晴がどうして桜子だけにそんなに心惹かれるのか理由が分からないけれど、壱晴自身も「その人が目の前にはいないのにその人のことを思い出して記憶を反芻する行為は、もうすでにその人が自分のどこかに住み着いてしまったことと同じなんじゃないだろうか。好きとか嫌いとか、はっきりとした感情がなくとも。」と考えたように、誰かを本当に好きになる時ってそんなものかもしれないと思う。 転勤族の夫に必ず付いて行き、新しい場所で人生を謳歌する壱晴の母も、夫の暴力に抵抗もせず、別れることも選ばない桜子の母も、両極端なようでいて、ある意味「やめるときも、すこやかなるときも」という気持ちが心にあるのは同じなのかもしれない。

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2017/11/29

まず、主人公の名前が桜子というお嬢様ネームなのに、全くその逆を行っているというギャップよ。 窪氏は目を背けたくなるような現実をなすすべもなく生きる人物を書くのが相変わらず上手い。 わかりやすいハッピーエンドであるけれど、無理なく穏やかにまとめられている印象。 映画にしたら良...

まず、主人公の名前が桜子というお嬢様ネームなのに、全くその逆を行っているというギャップよ。 窪氏は目を背けたくなるような現実をなすすべもなく生きる人物を書くのが相変わらず上手い。 わかりやすいハッピーエンドであるけれど、無理なく穏やかにまとめられている印象。 映画にしたら良さそうとは思うものの、ストーリー自体はありがちなヒューマンドラマなのでやはり作品の魅力は作者の表現力によるものなのだろう。 哲先生が病室で「作れ。こんなところに…もう来なくていい」と壱晴を突っぱねるシーン、 同じく哲先生が死に際に壱晴の作った椅子を見て「いいじゃないか」と言って頭を撫でたシーンは何度読んでも涙が止まらない。

Posted byブクログ

2017/11/25

彼のトラウマも背負って、一緒に生きていきます。 的な。 こういうの大好物だわ。 もう、桜子目線でトキメキながら読んじゃいました。 でも、なんだかんだ言って 桜子の家族もそれほど悪くはないよね 終盤の女たちが一致団結した場面 興奮して涙出た。

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2017/11/09

2017.11.9 さらさらと一気読み。壱春と桜子それぞれのサイドから描かれていて、なんかほんとあっというまに物語が進んでいった。壱春と真織の高校生時代の話は、自分の高校生時代を思い出すくらい、描写がありありと高校生活を描いてた。放課後、テスト、自転車通学、花火大会ー 哲さんもい...

2017.11.9 さらさらと一気読み。壱春と桜子それぞれのサイドから描かれていて、なんかほんとあっというまに物語が進んでいった。壱春と真織の高校生時代の話は、自分の高校生時代を思い出すくらい、描写がありありと高校生活を描いてた。放課後、テスト、自転車通学、花火大会ー 哲さんもいい味出してたなあ。 あと個人的に、登場人物の名前が好きでした。

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2017/10/29

静かなトーンで流れていく小説。 過去と向き合うのはとても辛い。それが会える人でも、もう会うことのできない人でも。 前を向いていけるようになるにはとても時間がかかる。

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2017/10/26

静かに流れる時と繊細な心情が文章からも伝わり、二人の心に隠された思いがより深く現れているかのようだった。ベッドインから始まる二人の関係はエロティックな印象から、だんだんと恋心が芽生え、複雑な感情が絡み合い、どこまでが恋愛かその一線はどこにあるのか、戸惑う部分があり、それが二人を苦...

静かに流れる時と繊細な心情が文章からも伝わり、二人の心に隠された思いがより深く現れているかのようだった。ベッドインから始まる二人の関係はエロティックな印象から、だんだんと恋心が芽生え、複雑な感情が絡み合い、どこまでが恋愛かその一線はどこにあるのか、戸惑う部分があり、それが二人を苦しめているようである。男性の方はある時期になると声が出なくなる症状に苦しむこと、お互いの事を知る内にイメージとは違っていたものが感じ、障壁だと感じる男性の気持ちを察し、距離が縮まり、ラストが明るいもので救われた感じ。

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2017/10/12

なんか漫画っぽいなと思いながら読んだ。 桜子のことが好きになれなくて、お互いがどこに惹かれたのか全然理解出来なくてなかなか進まなかった。

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2017/10/07

いたわりとか、やさしさとか、しんどいかとを超えて、手に入るものでしょうか。タッチが繊細で丁寧。二人の幸せを祈りたい。

Posted byブクログ

2017/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で借りた本。 家具職人の壱晴は、ある日目が覚めると知らない女性が隣で眠っていた。記憶は無い。おぼろげに前日の知人の結婚披露パーティーで知り合った女性だと思い出す。起こさないでそのまま出勤した壱晴は、家具のパンフレットを作る為に契約した相手としてその女性と再会する。パンフレットの打ち合わせ中に、急に声が出なくなった壱晴。実は毎年12月のこの時期、決まって声が出なくなるのだった。

Posted byブクログ

2017/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

桜子にも壱晴にも感情移入ができませんでした。 壱晴が初恋?の人を亡くしてしまったのはかわいそうだけれども、そのせいで女の人をとっかえひっかえというのは、違うだろ~という気がするし、桜子が家を出たいし、現状を変えたい気持ちはわかるけど、いきなり「結婚する!」というふうになるのには、ちょっとついていけないなと思いました。 最後のイスを買いにきた真織ちゃんのエピソードは、いかにも小説って感じで、不要だと思いました。

Posted byブクログ