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やめるときも、すこやかなるときも の商品レビュー

3.7

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2022/11/14
  • ネタバレ

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こういう出会いもあるんだな、人は何気ない中に人を好きになるんだなと思った。後半にわかったことだが、壱晴は高校生の時に衝撃的な事故で彼女を亡くし、それ以降その命日近くには声が出なくなる。どこが彼女の境遇に似ている(父親からの暴力)桜子と出会う。過去の辛い出来事からすこし心をとざしているような壱晴だが、師匠や兄弟子、妙子などが理解し温かい目で見守ってくれているのが良かった。 職人として独り立ちできていなくて愛する人と一緒になれなかった哲先生の言葉が重い。壱晴の心を後押しする。 哲先生の葬儀で、桜子は 「私の命もいつか終わる。〜 だから、すねたり、ひがんだりしている時間はない。やりたいことをやる時間しか私にはないのだ」と気づく。 お互いの大事さを噛み締めて、結婚することにした二人。その家には哲先生と真織そんの写真がある。日常に流されず、これからもお互いを大事に過ごしてほしい。そして、私も縁あって一緒になった夫や子供達を大事にして暮らしていきたいと改めて思った。

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2022/06/26
  • ネタバレ

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無自覚に重い女とふわんと軽い男の偶然の出会いから始まる結婚道。オトナ女子向け恋愛小説。 というのも、現在の状況が2人ともしんどいもの(家庭内暴力や生活費の肩代わりなど)だけど32歳の大人で日々の生活の中のそのしんどいものがふわっとさらっと書かれ、その中で時間の経過とともに2人の距離がどんどん縮まっていく。泥のような感情を持っている雰囲気はあるけれど書かれていない。あくまでさらっと。 お互いがお互いのことを特別だと想っていく過程が少し唐突。書かれていない部分があるのかな?という読み方もできますが。そこが少し大人の女性向けの恋愛漫画っぽくもある。女性の描き方がとてもうまい。一方、男性はややステレオタイプっぽい。 最近は漫画がドラマ化されることが多いので本作がドラマ化されたというのも納得です。 ※他の作品が直木賞候補となったタイミングで読んだのでやや辛口になってしまいました。女性の主人公・桜子は平凡で重い感じがすごくいいのに、男性の壱晴がふわあああああとしすぎてるし、桜子の父はただの幼稚なおっさんだしでアンバランスすぎる…。

Posted byブクログ

2022/06/12

ブクログやってて良かったなぁと思うのはこういうときですよね そして2022年のテーマを「素直」と決めた自分にはそういうときが頻繁に舞い降りてきています だって絶対窪美澄さんを手に取ることなかったと思いますもん 100%の自信があります 自分1人では窪美澄さんに辿り着くことはなか...

ブクログやってて良かったなぁと思うのはこういうときですよね そして2022年のテーマを「素直」と決めた自分にはそういうときが頻繁に舞い降りてきています だって絶対窪美澄さんを手に取ることなかったと思いますもん 100%の自信があります 自分1人では窪美澄さんに辿り着くことはなかった まず窪美澄さんの文章の感じ好きです 「優しい」?今のところこれが一番しっくりくるかも じわわ〜んときた(感想じわわ〜んって小学生か!いや小学生でももうちょっとまともなこと言うわ!) 結婚って何だろうって思ったりした 「やめるときもすこやかなるときも」かぁ〜 自分これやってないんで誰にも誓ってないからセーフだな(なんだセーフってw)

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2022/04/01

窪美澄のプラトニックな恋愛小説。青空に桜の表紙、ピンクの装丁などデザインが内容と合っていてとても良い。昔の亡くなった恋人が忘れられなくて、結婚しないと決めている家具職人と、恋愛経験のない女性の話。前半は明るい雰囲気が漂い、入り込みやすい。後半は一転して過去の話となり、暗い雰囲気に...

窪美澄のプラトニックな恋愛小説。青空に桜の表紙、ピンクの装丁などデザインが内容と合っていてとても良い。昔の亡くなった恋人が忘れられなくて、結婚しないと決めている家具職人と、恋愛経験のない女性の話。前半は明るい雰囲気が漂い、入り込みやすい。後半は一転して過去の話となり、暗い雰囲気になっていく。 お互いに仕事を妥協せずにこなす2人は応援したくなった。娘にお金を出させておきながら飲んだくれる父親の気持ちは全然分からなかった。 相手のマイナスな部分、見せたくない過去、嫌な親族など「やめるときも、すこやかなるときも」全部ひっくるめて愛せる人に出会えたならそれは幸せだと思う。

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2022/03/26
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出会ってすぐに男の人の方が結婚を前提に付き合いたいと言い出す少女漫画的展開も、家庭の問題も、彼氏の悲しい過去も、いつもだったらよくあるパターンね、と食傷気味に思って斜め読みにしがちなのだけど、この作品はしみじみと良かった。 丁寧に積み重ねられる描写を読んでいって、最後に桜子のお母さんがお父さんに「みんなに甘えるのもいい加減にしなさいよ!」と言う場面では泣いてしまった。 序盤、ほとんど喋ったこともない壱晴と結婚すると言い出して突っ走る桜子のことを、経験不足の痛い女だと思ったのだけれど、その後分かる彼女の家庭環境を知って、比較的恵まれている自分の視点だけで一面を見て偉そうなことを思ってしまった、と自分の浅はかさが恥ずかしくなった。 みんな本当に色々な背景を持っているんだということを、日常生活でも一度立ち止まって考えようと思うきっかけになった。

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2021/08/12
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樹の命。家具となり寄り添う。 同様に、人の命も亡くなりも残された人の心で生きている。 そう解釈したが、違うようでした。読解力を養わなければ。 それにしても前半は退屈でした。

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2021/07/23

藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんで、ドラマ化されました。  この人なら愛せるのではないか。お互いにそう思いながら、探っていく。複雑な心境を持ちながら自分の思い出を振り返りながら。  この本に出会って、窪美澄さんのファンになりました!

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2020/10/08
  • ネタバレ

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新聞の書評欄で紹介されていた本 初めて好きになった女性を目の前で事故で亡くした男性と、複雑な家庭で育ったせいで恋愛に対し卑屈になっている女性。 偶然が重なった運命的な出会いに、「この人となら現状を抜け出せる」と思ったのでしょうか?付き合い始めた動機は、一見エゴのようにも思えます。 それでも、共に過ごすうちにだんだんとお互いを思いやる気持ちが芽生え、いつしか心から共に生きたいと思うようになります。 交互に物語の視点が変わるので、同じシーンで二人がそれぞれ何を思っていたのがわかって、より切ない気持ちになりました。

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2020/09/12

人はみんな少なからず傷や事情があって、そういったことを100%理解は出来ないかもいれないけど、 理解しようとしてくれる人に出会えるだけで、人は生きている価値はあるよね。 そう思いたい。

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2020/08/10

恋の仕方を知らない女という表現は適切なのか?人並みというレールから外れた生き方になってしまう人は案外多いのではないか。誰もそれを公表して生活しているわけではないし、人に言えない寂しさを抱えて社会の片隅でひっそりと生きている。大事にしたい、幸せになって欲しい、幸せになりたいという思...

恋の仕方を知らない女という表現は適切なのか?人並みというレールから外れた生き方になってしまう人は案外多いのではないか。誰もそれを公表して生活しているわけではないし、人に言えない寂しさを抱えて社会の片隅でひっそりと生きている。大事にしたい、幸せになって欲しい、幸せになりたいという思いがいつ訪れるかは人それぞれ。向き合える人と出会えるのは幸なのだろう。 「私、セックスしたいわけじゃなくて、やっぱりちゃんと結婚したいんだよ!」声に出して初めて自分の望みに気づいた。結婚すれば家を出られる。周りに変な劣等感を抱かなくてすむ。処女だから、モテないからと自分を卑下することもなくなる。結婚というカードを手にすれば、自分はもっと前向きに生きられるはずだ。 もう離婚して暮らそうと言っても母さんは1度も首を縦に振らなかった。父さんと母さんの間に愛情があるようには思えないのに、母さんは決して父さんを1人にしようとはしなかった。こんな状態になっても2人が一緒にいる意味って何だろう。1人で生きていけないから父さんと結婚したのだろうか。「結婚しなくてもいいの?」「女の人だって仕事をして1人で生きていけるなら別にしなくてもいいんだよ」 誰かを好きになって自分の事を知って欲しいと思ったのは生まれて初めての事だった。それまでは、むしろ私の家のことなど知って欲しくなかった。どちらかといえば隠しておきたい。私の背景はなしにして、目の前の私だけと付き合って欲しかった。 私がお金のことと同じくらい心配しているのは、私が家を出たら母さんだけが父さんの暴力にさらされることだ。両親に甘えることができない自分の性格を少し、恨んだ。「あなただって幸せにならなくちゃ」母さんだって。そんな父さんとそれでも一緒にいたいなんて、私1人がこの家の事、母さんのことを心配してまるで馬鹿みたいだ。 どんなに嫌なことがあっても、仕事を辞めるつもりはない。この仕事でお金を貰っているからだ。

Posted byブクログ