翼がなくても の商品レビュー
いつもの音楽シリーズの舞台が今回は陸上競技に移ってはいるものの、基本的には主人公の葛藤がジンジン伝わってくる文調がとても心地よい。 今回の作品は、ミステリーの意味合いよりも、主人公がどん底から這い上がって勝利を得る、言わばど根性スポ根が全面に出て面白かった。犯人探しの興味よりも、...
いつもの音楽シリーズの舞台が今回は陸上競技に移ってはいるものの、基本的には主人公の葛藤がジンジン伝わってくる文調がとても心地よい。 今回の作品は、ミステリーの意味合いよりも、主人公がどん底から這い上がって勝利を得る、言わばど根性スポ根が全面に出て面白かった。犯人探しの興味よりも、主人公と一緒になってトラックを駆け抜ける様な不思議な一体感を持って全体を読みきったような気がする。御子柴、ちょっと影薄かったかな。 いずれにせよ、読後にいつもとは違った爽快感・疾風感があった。
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将来を嘱望された若きアスリート、一ノ瀬沙良の 未来は、隣人の不良息子の暴走車両によって潰された。失っても潰えない走ることへの渇望。しかし加害者の隣人息子が何者かに殺害されてしまい……。 ついに犬養vs御子柴!といっても二人の対決シーンより事故にあってパラリンピックを目指す女性の...
将来を嘱望された若きアスリート、一ノ瀬沙良の 未来は、隣人の不良息子の暴走車両によって潰された。失っても潰えない走ることへの渇望。しかし加害者の隣人息子が何者かに殺害されてしまい……。 ついに犬養vs御子柴!といっても二人の対決シーンより事故にあってパラリンピックを目指す女性の姿がメインだったのでそちらを楽しみにすると物足りないかも。しかし二人のシリーズとは思えないほど爽やかであたたかい読後感。女性が成長して大会を目指していくさまがドビュッシーを思い出したので成功を掴んでいくほど絶望的などんでん返しを掴まされたらどうしようかとハラハラしたけどよかったよかった。どんでん返しはそっちもか!という感じ。アスリートの情熱にはおいてかれそうになるものの全体通してとてもよかった。
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まるで2つの小説を同時に読んでいるような感覚。ミステリーの謎解きは割とあっさり終わるので障害者アスリートのドラマの方が中心。マイナースポーツ×弱小チームという使い古されてきた題材で、事件の真相も新規性はそこまで無かったかな…でもスポーツ科学の描写はとても丁寧で興味深かった。
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★2017年3月26日読了『翼がなくても』中山七里著 評価A 面白い! 中山七里氏らしいスピード感とストーリー性、社会性を絡めた一流の作品です。今回の作品では、障害者スポーツ、パラリンピックが絡んでくる。事件の謎解きよりもストーリー全体が興味深い。 市ノ瀬沙良はインターハイ女子...
★2017年3月26日読了『翼がなくても』中山七里著 評価A 面白い! 中山七里氏らしいスピード感とストーリー性、社会性を絡めた一流の作品です。今回の作品では、障害者スポーツ、パラリンピックが絡んでくる。事件の謎解きよりもストーリー全体が興味深い。 市ノ瀬沙良はインターハイ女子200メートルの優勝者。実業団陸上部2年目で日本代表も期待されていたホープ。その彼女が、ある日交通事故に巻き込まれて、大切な左足膝下を切除。 その交通事故の犯人は、隣家に住む幼馴染の相楽泰輔。彼は既に交通違反のために、無免許状態で事故を起こした。それ故に危険運転致死傷罪(負傷時15年以下、死亡時加重で最高20年の懲役)の対象外となり、過失運転致死傷罪7年以下の懲役と無免許の加重のみとなる可能性が強いという。 あまりに不条理な処分の可能性に、塞ぎ込む沙良。 通常3ヶ月かかる入院を沙良の努力で2ヶ月で退院。自宅に帰った沙良は、自室の窓の向こうにいる相楽泰輔へ怒りをぶちまける沙良。 その2日後、相楽泰輔は自宅の自室で胸を刺されて出血多量で死亡して発見される。 そして、警察から疑われる沙良。事件の真相は? これ以上はネタばれになるので書けませんが、この後の展開がよく練られていて実に面白い!オススメです。
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読み進めてもなかなか犯人が読めずで、まさかの結末。オチとしては単純明快ではあるけれど、中坊の泰輔が沙良に抱いた気持ちの最後の到達点がそこに至るのはやや切ない。
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事故で片足を失った400メートルの女子選手 被疑者が隣人、初恋の相手、現在ひきこもり 弁護士に相談。自殺を事件にみせかけ、保険金を女子選手にわたす。アメリカ人研究者の高価格義足でタイムがあがり、パラリンピック標準タイムをきった 自分の心臓をナイフで刺し、ドローンでナイフを遠くへ運んだ。証拠がないので立件できず。 弁護士は少年時代で殺人をおかず。弁護士になるが、それをばらされ、現在はいい仕事がない。
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中山作品常連の犬養と御子柴も登場。 未来あるスプリンター・市ノ瀬沙良、隣に住む幼馴染・相楽泰輔の車にひかれ左足を切断しなければいけなくなる。その後、泰輔が殺害され、警視庁の刑事・犬養による捜査が始まる。また、泰輔の弁護人に御子柴が… 輝かしい未来が待っていたはずの沙良、いきなり絶望の淵に落ちてしまう。自分が障害を持ったことによりわかること。苦しみながらも新たな生きる目標を持ち前へ進む沙良は逞しい。そしてその沙良を支えるある人物のお蔭で未来が開けそうなところで終わるのがよかった。
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知らずに読んでみたら、まさかの犬養刑事×御子柴弁護士という嬉しい組み合わせ。 事件の真相は途中で読めるけれど、犬養さんと御子柴弁護士の対決は面白かった。嘘を見抜く(男性に限る)天才・犬養刑事も、御子柴弁護士には一歩及ばず、御子柴弁護士に軍配が上がった感じ。 障害者への差別や偏見...
知らずに読んでみたら、まさかの犬養刑事×御子柴弁護士という嬉しい組み合わせ。 事件の真相は途中で読めるけれど、犬養さんと御子柴弁護士の対決は面白かった。嘘を見抜く(男性に限る)天才・犬養刑事も、御子柴弁護士には一歩及ばず、御子柴弁護士に軍配が上がった感じ。 障害者への差別や偏見だけでなく、無免許だと危険運転に問えない法律の不条理さも訴える。数年前の亀岡での事故を受けてなんだろうけど、最近中山作品はこういう社会問題を色々盛りこんでくるようになった。 スポーツは根性論ではなく科学。 本の中で何度か出てきた表現だけど、コンマ何秒のタイムを縮めるために、あらゆるデータを分析し、管理、調整していく様子は、本当にその通りだと実感する。 それでも、沙良のどこまでもひたむきで限界まで自分の身体を追い詰める姿は、スポーツに無縁の人間としては十分スポ根に見えてしまうのだけれど…。
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図書館で。犬養刑事VS御子柴先生。思ったより物語のインパクトは少なかったけど相変わらずの中山さん節で面白く読めました。ちょっとだけ出来すぎなストーリー感は否めなかったけどまた犬養VS御子柴を読めたらいいな。
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ミステリな落ちはあんまり。御子柴さん、犬養さんと知ってるけど脇役。 スポ根ってあまり感情移入ができない。
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