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たった、それだけ の商品レビュー

3.8

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2021/02/09

最初はサスペンス風味であんまり、、かと思いきや、読み進めていくにつれ引き込まれた。笑顔を貼り付けて守っていたのは本当は何だったんだろうな。

Posted byブクログ

2021/01/30

「逃げ切って」。贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃がす。告発するのは自分だというのに―。正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前...

「逃げ切って」。贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃がす。告発するのは自分だというのに―。正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前に踏み出そうとする“変化”。本屋大賞受賞作家が、人の心が織りなす人生の機微や不確かさを、精緻にすくいあげる。正幸のその後とともに、予想外の展開が待つ連作形式の感動作。

Posted byブクログ

2021/01/26

収賄容疑の男を巡り、様々な視点から語られる連作短編集。 淡々としているけれど、綺麗な文章を書くという印象。 後半、繊細で温かな空気感に変わる。 たった一言をかけられなかったという後悔。 好きな人と過ごせた、交わした言葉。 たったそれだけの幸せ。 何気ない一言。 それがずっと心に...

収賄容疑の男を巡り、様々な視点から語られる連作短編集。 淡々としているけれど、綺麗な文章を書くという印象。 後半、繊細で温かな空気感に変わる。 たった一言をかけられなかったという後悔。 好きな人と過ごせた、交わした言葉。 たったそれだけの幸せ。 何気ない一言。 それがずっと心に残り、支えにもなり、深く傷つけてしまう事もある。 私達は、ほんのささいな出来事に思いの外、左右されたり一喜一憂したりする。 人生を変えてしまうくらいに。 明日からの日々が変わってしまうくらいに。 不器用でもいい。 逃げてもいい。 思うように生きていい。 道に迷いながら、もがきながら、本当に必要な「たったそれだけ」を守っていければいい。

Posted byブクログ

2021/01/10

悪事をした人、された人、された人の子供、一番最後の「された人の子供」は第3者に近い立場だけれどそれが辛さを生む原因になることがよく分かった。第3者は誰かのせいにして生きるには少し遠い位置にいると思うから。ただそれが強く生きるための道標にもなるのかもしれない。私は人に悪いことを「さ...

悪事をした人、された人、された人の子供、一番最後の「された人の子供」は第3者に近い立場だけれどそれが辛さを生む原因になることがよく分かった。第3者は誰かのせいにして生きるには少し遠い位置にいると思うから。ただそれが強く生きるための道標にもなるのかもしれない。私は人に悪いことを「された」からその「せいで」こうなってると自分の悲しむべき状況を正当化してしまうことがよくあるが、それを少しずつ辞めるきっかけになるかもしれない。 宮下奈都さんらしい表現があってそこに安心した。

Posted byブクログ

2020/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

テーマは「逃げる」。一見、順風満帆に見えた正幸は会社から贈賄の責任を負わされる。それを浮気相手により暴露されるが正幸を逃亡させる。正幸の妻は正幸が逃亡したことで、正幸が戻らないと分かり、自分自身から逃げる。正幸の姉は正幸の過去を回想し、正幸から逃げる。この逃げの最大の犠牲者は正幸の子ども・ルイ。ルイは父親(正幸)をほぼ知らず、学校でもうまくいかない。真正面から立ち向かうが、この状況から逃れられない。最終章、偶然もあり、それぞれが幸せを掴む決意をする。この少しの決意が幸せへのトリガーとなっていくのだろう。

Posted byブクログ

2020/11/17

短編かと思いきや、 1話、二話と続いていく たったそれだけ」というのではなく 重くて、暗くて辛かった(なんせ根性なしなもんで) 物語の時間軸は長い。 どこまでこの苦しさが続く?と 自分には耐えられない〜 最後に望月ルイが笑ったところでホッとした。 今までの(自分が読んだ)宮...

短編かと思いきや、 1話、二話と続いていく たったそれだけ」というのではなく 重くて、暗くて辛かった(なんせ根性なしなもんで) 物語の時間軸は長い。 どこまでこの苦しさが続く?と 自分には耐えられない〜 最後に望月ルイが笑ったところでホッとした。 今までの(自分が読んだ)宮下奈都作品とは ちょっと違うかな。

Posted byブクログ

2020/11/15

私にとっての、「たった、それだけ」を考えてみた(思い返してみた)。たった、それだけ、言われてどんなに心救われたかの言葉(どれだけ幸せな気分になったとか)。 たった、それだけの勇気。行い。後悔。 今さらながらだが、人の一生は、無数の「たった、それだけ」で繋がっていることに気づかせて...

私にとっての、「たった、それだけ」を考えてみた(思い返してみた)。たった、それだけ、言われてどんなに心救われたかの言葉(どれだけ幸せな気分になったとか)。 たった、それだけの勇気。行い。後悔。 今さらながらだが、人の一生は、無数の「たった、それだけ」で繋がっていることに気づかせてもらった。 「たった」とは、ほんの僅かなという空虚さをともなう言葉と捉えがちでしたが、希少だからこそ貴重なもの。そうおもえば、これから些細な出来事、時間も有り難く感じとれるのかもしれない。 贈賄罪が発覚する前に失踪した望月正幸。逃亡を企てたのは社内の浮気相手。正幸に関わる人達がそれぞれの視点で「逃げる」をキーワードに、正幸への思いを回想する。 描かれているのは、主に愛人の後悔、妻の迷い、姉の罪悪感、娘ルイの未来。物語は、うす暗く闇の中にいるようで、装丁の青い絵のような掴みどころがなくい寂しげにかんじた。解説にある、「最後は満ち足りた気持ちになる」は一度でのみこめず、各所(特に第6話)もう一度読んだ。 益田さんは最後自分を顧み、次は前向きに二度目の人生を送るが、だったらなぜ、最初から妻を泣かせ苦労させたのか、と妻の目線で見てしまった。 両親に嫌悪(違和感)を覚え生きてきた、娘、ルイ。逃亡する父のことを待ち続け、働いて働いて・・そして体まで壊してしまう母。そんな母を、しあわせにならずに父の帰りを待つことは父への復讐だと捉える。 母は、そして父はずっとルイの幸せを願っているのに、若いからそう捉えてしまうのは仕方がない。 父は言う。「短い時間だったけど、一緒に暮らした。たった、それだけ。その記憶だけで、生きて行ける。もう決して触れてはいけない、幸福な記憶です」 たった、それだけ、の記憶。あります、思い返せば一日一日生きる張りがでてきそうです。 所々に名言がちりばめられていて、深く心に響きました。帯に、著者は「ずっと読みたかった物語を自分で書きました」とあります。書きたかったというのでなく「読みたかった物語・・」、という所に著者の究極の思いが込められていると感じました。読んで良かったです。

Posted byブクログ

2020/11/10

ちょっとよくわからなかった。結局、彼は何処に?! 登場人物の微妙な心境などはよく描かれていたと思うけど、私には理解しにくいお話でした。

Posted byブクログ

2020/09/01

ー「逃げ」さえも、一歩なのだ。 「逃げて」。当面必要なものを入れたはずのコンビニの袋を押しつけて浮気相手の私は言う。でも、この人を窮地に立たせてるのは自分だ、その上で彼に逃げ切って欲しい。賄賂容疑で彼を告発した。きっと彼はこれから逃げる生活が始まる。妻も娘も置いて。妻はいつまで...

ー「逃げ」さえも、一歩なのだ。 「逃げて」。当面必要なものを入れたはずのコンビニの袋を押しつけて浮気相手の私は言う。でも、この人を窮地に立たせてるのは自分だ、その上で彼に逃げ切って欲しい。賄賂容疑で彼を告発した。きっと彼はこれから逃げる生活が始まる。妻も娘も置いて。妻はいつまでも待ち、姉は困惑し、娘はどこにいても試練が待ち受ける。6話、それぞれ登場人物が語る「彼」そして「逃げ」、そして「幸福」とは。 小説自体は薄いのですが、厚みを感じるお話です。 爽やかな表紙からは想像つかない内容です。 前進することの対義語は「逃げ」だと思っていましたが、逃げることに対する捉え方が変わるお話でした。 「地球は丸いんだから、向こう側から考えたら追いかけてきてるのかも」という言葉にハッとします。 でもなぁ〜やっぱり、悪いことをしたらきちんと向き合って欲しいかなぁ、巻き込まれているんだとしても、その場合は本当に悪い人がいるのだから。……というのは個人的見解です。笑

Posted byブクログ

2020/08/20

短編6話だが 大作の一冊 女性作者の 男性にはない 潔さ これが本だ! と 思わせてくれた本!

Posted byブクログ