たった、それだけ の商品レビュー
いいものを読ませていただきました…というのが本を閉じたあと最初に湧き上がってきた感情でした。最初はミステリー的な内容なのかと思ってたけど、見るべきところはそこじゃなかった。 昔の自分が「人に隙を見せることなく生きていくこと」こそが大事なことだと信じ込んで、振り返ってみれば窮屈な人...
いいものを読ませていただきました…というのが本を閉じたあと最初に湧き上がってきた感情でした。最初はミステリー的な内容なのかと思ってたけど、見るべきところはそこじゃなかった。 昔の自分が「人に隙を見せることなく生きていくこと」こそが大事なことだと信じ込んで、振り返ってみれば窮屈な人間だった気がするなぁ…というのを思い出しました。じゃあ今はどうなんだって話なんですが。
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共感できるフレーズがたくさんあった。だからこそ過去の傷を抉られているような気がして苦しかった。 でもそれが快感だった。自分の感情が言語化されているからだろうか。共感してもらえた気になるからだろうか。登場人物に「読書はせっかくの逃避なのに」と言われてしまいそうだ。
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はっきりした顛末を求める人には、少し物足りないかもしれない、、。 賄賂の疑いをかけられて逃亡した望月正幸の愛人、妻、姉、娘目線そして同僚目線で話が紡がれていくが、結局なんで彼が冷めた人だったのか、わからなかった。 奥さんも、見切りをつけて自分の人生を生きればいいのに。 しお...
はっきりした顛末を求める人には、少し物足りないかもしれない、、。 賄賂の疑いをかけられて逃亡した望月正幸の愛人、妻、姉、娘目線そして同僚目線で話が紡がれていくが、結局なんで彼が冷めた人だったのか、わからなかった。 奥さんも、見切りをつけて自分の人生を生きればいいのに。 しおりから再度読む時に、毎回内容を忘れていたので数ページ前から読み直していた
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贈賄、ひとりの会社員が失踪…という始まり方から、真実が明かされる系なのか?じゃあ、「たった、それだけ」は何のことなんだろう?という風に読んでいました。 気付いたら真実の解明ではなく、各話の登場人物の過去と小さいけれど確実な変化を追いながら、、ラストはあたたかい気持ちになります。でもちょっと贈賄の件の真実も知りたかった…(笑)
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良かった。ただよかった。 望月さんを巡るお話。 好きな人を売ってしまうこと。それを受け入れて逃げること。涙という名前。奥さんの窮屈さ。 心に残ってる
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最近は短編集が肌に合うなぁと感じています。一気に読み切れないと他のことが手につかなくて、なんならオールしてしまう。毎週話ずつ進んでいくドラマも苦手で、みんなよりちょっと遅れて見始めて一気に追いつくのが好きです。「ただそれだけのこと」がテーマだったラブ・レターと、「Just be....
最近は短編集が肌に合うなぁと感じています。一気に読み切れないと他のことが手につかなくて、なんならオールしてしまう。毎週話ずつ進んでいくドラマも苦手で、みんなよりちょっと遅れて見始めて一気に追いつくのが好きです。「ただそれだけのこと」がテーマだったラブ・レターと、「Just be...」がテーマだったキンキーブーツに同時にハマっていた頃に、似たようなタイトルだなぁと心惹かれて手に取った本宮「人を傷つけたことのない人なんていないと思うけど。」という書き出しから始まり、賄賂だとか不倫だとか重く暗い雰囲気で描かれる中に、ほんのりとした優しさが感じられて救われる一作だった。人はみんな、弱さもあって、狡さもあって、後悔もあって、迷いもある。それでも生きてるんだから、マジでたったそれだけで十分だよな!!!!!!!って思いたい時が1年に3回くらいあるよね?自分なりのプライドで、自分なりに自分の人生に価値や意味を見出したいからいろんなこと頑張るわけだけど、そういうスイッチ切れた時に立ち戻りたい書籍だった。初めましての作家さん、素敵な出会い。
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ちょっとしたきっかけで人は誰かを傷つける。 そして、ちょっとしたきっかけで人は誰かを助けられる。 正直に生きる。 これがなによりも大切。
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1人の失踪した男の人の周辺の人の目線で語られる連作集となっている。次は誰?という思いながらそして失踪した人はどんな人物なのかを考えながら。悪い人ではなさそうだけれど実際に贈賄の疑惑をかけられて妻子を残して失踪して、浮気相手が2人はいたことも事実。時効まで姿を現すことなく身を隠していたんだからそれなりの考えがあったとも思える。贈賄は罠だったと実姉は言うが真実は分からない。読了しても何かもどかしい気持ちになった。
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人は過ちをおかすのか、いつの間にか過ちに飲み込まれているのか。突然、居なくなった人。もし、あの時こうしていればと周りの人は後悔を抱く。「決して触れてはいけない幸福な記憶」のみ抱いて生きていく。悲しいのか、幸せなのか。
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宮下奈都さんらしい、丁寧で精巧なあたたかい作品。 話の運びも面白く、分量も多くないため、時間にゆとりがあるならば1日でサクッと読むのにとても良いと思います。
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