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いまさら翼といわれても の商品レビュー

4.1

194件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2016/12/21

なんかほんわかしたタイトルだなぁ、と思ったらかなりハードな一言だった。 古典部シリーズ久々の新巻は中編集。個人的にはこのシリーズは、ミステリー味付けのキャラ小説と捉えているので、このくらいの長さでいろいろな物語が読めるのはとても楽しい。それでありながら、シリーズ全体を動かすエピ...

なんかほんわかしたタイトルだなぁ、と思ったらかなりハードな一言だった。 古典部シリーズ久々の新巻は中編集。個人的にはこのシリーズは、ミステリー味付けのキャラ小説と捉えているので、このくらいの長さでいろいろな物語が読めるのはとても楽しい。それでありながら、シリーズ全体を動かすエピソードがしっかり挟み込まれているのも嬉しい。 主人公4人の青春が進んでいくのも喜ばしい限りだが、ホータローとえるの距離の絶妙さに、つい出歯亀的なワクワクを隠しきれない。こういうのを単純に描かない所に、なんか文学を感じてしまう。

Posted byブクログ

2016/12/21

これまでとは違って、登場人物ひとりひとりの話が多かった印象。それぞれの考え方・特徴がわかる分、彼ら彼女らを身近に感じることができた。本巻を読んでからシリーズを読み返してみると、また違った発見ができるのでは。

Posted byブクログ

2016/12/19

古典部シリーズ最新作。 今回はトリックとしては奇抜ではなかったが、古典部メンバーの人間性が垣間見れる作品だった。 6年ぶりの新刊だと思うとラストはつらい(このラストでまた数年待たなければならないのかっと思ってしまう……) 後は、どうにもならないが、前半は文庫だし文庫であって欲...

古典部シリーズ最新作。 今回はトリックとしては奇抜ではなかったが、古典部メンバーの人間性が垣間見れる作品だった。 6年ぶりの新刊だと思うとラストはつらい(このラストでまた数年待たなければならないのかっと思ってしまう……) 後は、どうにもならないが、前半は文庫だし文庫であって欲しかった。

Posted byブクログ

2016/12/18

古典部シリーズ短編。 生徒会長選挙で不正が行われる。衆人環視の中どのように不正は行われたのか。 鏑矢中学校の卒業制作を台無しにした折木。当時の折木の真意を伊原が解き明かす。 折木の中学時代の担任・小木はヘリコプタが好きだったという折木の認識とは裏腹に、同じ中学の伊原と福部にはそん...

古典部シリーズ短編。 生徒会長選挙で不正が行われる。衆人環視の中どのように不正は行われたのか。 鏑矢中学校の卒業制作を台無しにした折木。当時の折木の真意を伊原が解き明かす。 折木の中学時代の担任・小木はヘリコプタが好きだったという折木の認識とは裏腹に、同じ中学の伊原と福部にはそんな記憶は無かった。その違和感が気になった折木は、自らその謎を調査する。 伊原の所属する漫画研究会が分裂の危機にある中、伊原のネーム用のノートが盗まれる。その裏で動いていた意外な人物とは。 折木はなぜ省エネ主義を掲げることになったのか。主人公・折木のルーツが明かされる。 合唱コンクールでソロパートを任されていた千反田が失踪する。彼女はどこへ行き、なぜ消えたのか。折木が辿り着いた結論は当たっているのか。本書の表題。 今回は登場人物の過去の話しが多く、今後より登場人物に感情移入できそう。 福部は全然活躍してない。

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2016/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

折木奉太郎の走れメロスの読書感想文は面白かった。 読書感想文でそんな切込み方があるのかと思った。 「やらなければいけないことなら手短に」は深い言葉だなと思った。  世の中、やらないといけないが、めんどくさいと思ったり、臭いものには蓋をしたい思いがあり、放っておいて、後で大事になることがよくある。  それを手短にするには、やらないといけないことを放っておかずに、大事になる前に早めに対処する必要がある。  そのことをしみじみ思った。   折木奉太郎は、やらないといけないことの見極め能力が高いと思った。  自分自身もやらないといけないことの見極め能力を高くし、効率よく生きていきたいなと思った。

Posted byブクログ

2016/12/16

古典部シリーズ第6弾。前作「ふたりの距離の概算」から6年。待ちに待った新作。と言っても、初出は結構前のものも多い短編集。作品ごとに語りが奉太郎だったり、摩耶花に変わる。今回は奉太郎たちが中学生だった頃のエピソードなどが描かれ、どことなく新鮮さも感じる。ただ、えるの登場場面が少なく...

古典部シリーズ第6弾。前作「ふたりの距離の概算」から6年。待ちに待った新作。と言っても、初出は結構前のものも多い短編集。作品ごとに語りが奉太郎だったり、摩耶花に変わる。今回は奉太郎たちが中学生だった頃のエピソードなどが描かれ、どことなく新鮮さも感じる。ただ、えるの登場場面が少なく、そこが少し残念。来年には映画化もされるし、早く続きが読みたい!

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2016/12/14

<両手は広げない.背中は推さない.屹然と,そばに立っていてあげる―> 古典部シリーズ. 過去の出来事,現在の立ち位置,未来への想像のお話。 カタツムリのようにのろのろとしているようで,目を離すといつの間にか見失ってしまっている学校生活。 思えば,遠くへ,行けるのだろうか.

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2016/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『箱の中の欠落』は、生徒会長選挙で起きた投票数が有権者数を上回った事件を、里志と奉太郎が夜の町をぶらつきながら解く話。 奉太郎視点。 意外に隙のない選挙方法の盲点を突いたハウダニットとそれを解明するためのヒントの隠蔽が巧い一編。 『鏡には映らない』は中学時代に摩耶花が奉太郎を嫌う原因となった事件を、高校での1年間で少なからず折木の見方が変わった摩耶花視点で調査する話。 奉太郎の彼女?登場に驚いたり中学生なりに面倒な人間関係と悪意が描かれたモヤッとする一編。 (最期のやり取りで摩×奉はアリだと思った) 『連峰は晴れているか』は中学時代の教師が口にした「ヘリが好きなんだ」という言葉から奉太郎が受けた印象と里志や摩耶花からの証言との食い違いを調査する奉太郎視点の話。 短い分量ながらこの短編集で繰り返し描かれる過去の事件と他人への認識を扱った外せない一作。 『わたしたちの伝説の一冊』は内部亀裂が決定的となった漫研で起きた事件を摩耶花視点で描く話。 摩耶花の漫画に対する原体験から始まり、彼女がある登場人物の言葉で一歩を踏み出すまでの描写がとても好きで漫画描けないくせにウルッときました。春閻魔やシン・ソー等、米澤先生の他作品に絡めた小ネタも楽しい一編です。 『長い休日』は普段より本当にほんの少しエネルギッシュな休日の奉太郎が千反田に彼のモットーが生まれた原因となった事件を語る話。 小学生時代の奉太郎がモットーを得るに至る過程が明かされ、奉太郎をこのシリーズの根幹に導くある人物の印象的なセリフで〆られるのがとても気持ちいい一編。 描かれた奉太郎の繊細な部分が氷菓の関谷純に繋がるところにオオッとなります。 『いまさら翼といわれても』は合唱祭当日に姿を消した千反田の行方を追う話。変化・成長を見せる古典部の中で大きくブレることのなかった千反田に焦点の当たるが……。 あの人物と奉太郎の対決チックなやり取りが好き。この落とし方で続きを待つしかない私は何かを力いっぱい殴りつけたい気分にかられた。 続刊が大変待ち遠しい一冊です。

Posted byブクログ

2016/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

発売翌日には確保したのですが業務が忙しくなかなか手につかず,また久方ぶりの新刊のもったいなさもあり,なかなか食指が伸びず,ようやく読了。 収録作品は以下のとおり。 ・箱の中の欠落 ・鏡には映らない ・連峰は晴れているか ・わたしたちの伝説の一冊 ・長い休日 ・いまさら翼といわれても 書き下ろしはなく,上記のうち鏡,連峰,長い休日は雑誌掲載時に読了済み。しかしながら一冊の単行本として通して読むとまた趣がありよきかな。 どの作品もおすすめですが,初読で気になったのが「わたしたちの伝説の一冊」。『クドリャフカの順番』の続編?的な位置づけのお話であり,あの人やあの作品もちらっと登場。折木奉太郎ではなく,伊原摩耶花視点で話が進みます。彼女が何かを決断する話。 Amazonのレビューにもあったように思いますが,「長い休日」と掲題作「いまさら翼といわれても」の両作は対となっている感じ。「長い休日」の方は自分にも覚えがあり,なんとも歯がゆいような苦い気持ちを思い出しました。一方「翼」は作中の折木と同じく彼女を慮るしかできませんが,次作にどうつながるか,「私,気になります」。

Posted byブクログ

2016/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古典部シリーズにおいて、10代にもかかわらず、爺むさい言動の折木奉太郎だが、そうなった理由の一端が明かされる。さらに、千反田、井原の女子ふたりには転機が訪れ… 4人の物語は、まだまだ続きそうだ。いまや本格派になった米澤さんだけど、こういった日  常ミステリも書き続けてほしい。ところで、小市民シリーズの冬期はどうなったんだろう。ブッシュ・ド・ノエルと予想しているのだけれど。

Posted byブクログ