あひる の商品レビュー
三つの小品を集めた作品集。 どの作品も、ほのぼのとしているようで、少し異界を描いている。 そして、読後感もなんとなくぞわぞわして違和感が残る。 続いて読みたくはないなぁ。
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あひるを飼うことにより、平穏だったはずの生活が徐々に変わっていく様を描いた表題作ほか2編。 あひるにひかれ近所の子どもたちが集うようになる最初のうちは、表紙の絵のように微笑ましく童話的。が、子どもたちの傍若無人振りはエスカレートし、同時にじわじわと家族の異常性も露呈して不穏なム...
あひるを飼うことにより、平穏だったはずの生活が徐々に変わっていく様を描いた表題作ほか2編。 あひるにひかれ近所の子どもたちが集うようになる最初のうちは、表紙の絵のように微笑ましく童話的。が、子どもたちの傍若無人振りはエスカレートし、同時にじわじわと家族の異常性も露呈して不穏なムードが広がっていく。 一度も外で働いたことのない三十路の娘と、子どもたちの要求を無条件に受け入れ、次々とあひるを補充する両親。作者は、表面的な出来事を優しい言葉で淡々と並べ、詳しい説明はあえてしない。でも、そこには確かにいびつなものが存在する。 たとえば、一見は愛情たっぷりと思える両親の行動も、じつは恐ろしく無責任で嫌なものはなかったことにしているだけ。その結果、社会に不適応の娘がいる。まともなのは弟だけだ。 ほかの2編も、読み手の想像力次第で物語の奥がいくらでも広がっていく。 穏やかな語り口調で余分な情報は与えずに、目には見えないような小さなトゲを蒔いていく不気味さには、小川洋子に通じるものを感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「あひる」の「わたし」は「おばあちゃんの家」の「みのり」で、インキョのおばあちゃんが「森の兄妹」のおばあさん という感じでゆるくつながる短編3作。
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読んでいて、これは何を言いたいのだろうと思ったが、 「あひる」「おばあちゃんの家」「森の兄弟」を読んでいるとなにか心がぞわぞわする。なにかぞわぞわすること、そんなことを書きたかったのだろうか。 かわった出版社だなぁ。
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初めて読む作家さん。 読後感はちょっともやもや、心がざわつく感じ。 この本に収録されている3作品ともに不思議な世界観の作品だなと感じた。
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29.8.13読了。 3作の短編集。短くて文章もとても読みやすい。読みやすすぎてラストは3作ともに「あれ?もう終わった?」って呟いた。 どれも一見明るいホームドラマのようで、でも流れる空気は確かに不穏で。「見ちゃいけないものを偶然見ちゃった」ような居心地の悪さ。
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あひるや、老夫婦とこどもの交流など、一見かわいらしくほのぼのとしたモチーフが、その陰に潜む家族の病的な閉塞感をあぶり出していきます。型通りの幸せに執着し、体裁を重んじる日本人の風潮が、この一家に凝縮されているようで怖いです。 時系列がバラバラですが、収録されている三作は、どれもこ...
あひるや、老夫婦とこどもの交流など、一見かわいらしくほのぼのとしたモチーフが、その陰に潜む家族の病的な閉塞感をあぶり出していきます。型通りの幸せに執着し、体裁を重んじる日本人の風潮が、この一家に凝縮されているようで怖いです。 時系列がバラバラですが、収録されている三作は、どれもこの一家のお話ではないでしょうか。だとすると、この一家の(日本の)闇が世代を超えて受け継がれていくようで、なんともいえない不穏な気持ちになりました。
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・あひる ・おばあちゃんの家 ・森の兄弟 「こちらあみこ」を読んで、この人の作品をもう一つ読みたくなった。 この人の作品は、描かれている人の視点が、感情が少し変わっていて、それをそのままで読むと、情景がぐにゃりとゆがんでしまう。その常識と違ったぐにゃりとした情景を楽しめるかど...
・あひる ・おばあちゃんの家 ・森の兄弟 「こちらあみこ」を読んで、この人の作品をもう一つ読みたくなった。 この人の作品は、描かれている人の視点が、感情が少し変わっていて、それをそのままで読むと、情景がぐにゃりとゆがんでしまう。その常識と違ったぐにゃりとした情景を楽しめるかどうかなんだと思う。 誰が悪いとか、誰が変だとかそういう話ではなく、ただ、感性が異なる人目線での日常が、通常と異質なだけなのだけど、でも、やっぱり読んでいると気持ちが悪い。 嫌いじゃないけど、気持ちが悪いから、もうこの人の作品は読みたくないと思った。
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簡易で読みやすいほのぼのとした物語のように始まりますが、そこはさすがの芥川賞候補。家族の日々が少しずつ歪んで行く過程に、ゾワゾワと鳥肌が立つような恐怖を感じます。人の心にはちょっとした歪みがあるのは当然だけど、それが家族間でうやむやに誤魔化され共有されてしまうと、決定的なひずみに...
簡易で読みやすいほのぼのとした物語のように始まりますが、そこはさすがの芥川賞候補。家族の日々が少しずつ歪んで行く過程に、ゾワゾワと鳥肌が立つような恐怖を感じます。人の心にはちょっとした歪みがあるのは当然だけど、それが家族間でうやむやに誤魔化され共有されてしまうと、決定的なひずみになるというお話です。表題意外の収録作も、どことなく気持ちの悪いお話しでした。軽くホラーです。
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「あひる」 両親に反抗してばかりだった弟 この人はこの人で問題を抱えてるのだけども その一家の中では、結局いちばんまともな大人になったという 「おばあちゃんの家」 なんとなく厄介者あつかいされているおばあちゃんだが その実、家庭内の精神安定を一手に担っていた 「森の兄妹」 貧...
「あひる」 両親に反抗してばかりだった弟 この人はこの人で問題を抱えてるのだけども その一家の中では、結局いちばんまともな大人になったという 「おばあちゃんの家」 なんとなく厄介者あつかいされているおばあちゃんだが その実、家庭内の精神安定を一手に担っていた 「森の兄妹」 貧乏な母子家庭の兄妹は精神的にも物質的にも飢えていて とくに兄のほうは臆病で卑屈なくせにちょっと意固地なとこがあって まあ狷介な性格なのだが それでも母親が物わかりのいい性格なので救われる 魔界ゾンべえじゃないがなんかそんなようなタイトルの漫画が出る
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