あひる の商品レビュー
可哀想な人って誰ですか? それを決めるのは誰ですか?? 静穏に見えている日々にも それぞれの思惑はあって…… 小説ならではの居心地の悪さが 心地いい。 ヒップホップのパンチラインの様に 毒がチクチクと刺さりこむ。
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日常に起こる、起こったかどうかもわからないような小さな事件に、どれだけ心を寄せられるか、何かを感じられるか、が、日々を深く豊かに暮らすカギで、そんな日々が続いてゆくことが幸せなんじゃあないか、なんてことを考えてしまうような、静かであたたかですこしさみしい今村夏子さんの物語が、一文...
日常に起こる、起こったかどうかもわからないような小さな事件に、どれだけ心を寄せられるか、何かを感じられるか、が、日々を深く豊かに暮らすカギで、そんな日々が続いてゆくことが幸せなんじゃあないか、なんてことを考えてしまうような、静かであたたかですこしさみしい今村夏子さんの物語が、一文一文が、大好きです。「こちらあみ子」、文庫に併録されてるのが単行本とちがうなんて知らんかった!ので買わねば。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
…「昨夜はありがとう。お父さんとお母さん、あなたが来てくれて嬉しそうだった」… 51-2 …のりたまに会いにくる子は後を絶たなかった… 10 …資格があれば仕事が決まる… 34 …「お父さんお母さん。のりたまが死んだよ」… 53
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短編集。 ちょっとしたユーモラスがあり クスッとさせてくれる。 ありそうで なさそうな 日常に スポットが当たっている。
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初読みの作家さん。 最低限の言葉で綴られていて読者にイメージさせて完成する、 そんな作品集。 決して未完成という意味ではありません。 「あひる」は子どもと動物がでてくるのに決して明るくない。 ごく普通にふるまう子どもたちの 言動の裏を読みたくなってしまう。 子どもに妙に気を...
初読みの作家さん。 最低限の言葉で綴られていて読者にイメージさせて完成する、 そんな作品集。 決して未完成という意味ではありません。 「あひる」は子どもと動物がでてくるのに決して明るくない。 ごく普通にふるまう子どもたちの 言動の裏を読みたくなってしまう。 子どもに妙に気を遣う、 でもちょっと嬉しいと思ってる夫婦の裏も読みたくなってしまう。 「おばあちゃんの家」も「森の兄妹」も ただただ、朗らかなだけの子ども時代ってないかもなぁ、と思った。 でも、それが、それぞれの日常なんだよね。 言葉は本当に少ない。 それだけに、軽く読むか重く読むかも読み手次第。
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読み始めると心がざわつく。何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあ...
読み始めると心がざわつく。何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在り様を、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。 何だか背筋がすーっと寒くなるような後味の悪さみたいなものが残る作品でした。純文学ってやっぱり苦手だなぁと思った瞬間・・・。装丁はとてもかわいらしくて好きだけど、中身はちょっとホラーめいてきて私に合わなかった。一匹目も二匹目も、あひるは殺されてしまったということなの?両親は知らんふりってこと?あひるが大好きで小さい頃世話した身としては苦い読み応えだったしどうしても歪んでる家族の姿を肯定できない。諾々と弟や両親の言うことに意見を言うわけでもないのに自分が試験に落ちることを彼らのせいにするような娘の視点にもイライラした。
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良い意味でコトバが少なく、淡々としている。だから、短いストーリーの中に、「どうしてそうしたんだろう?」と考えさせられるシーンがたくさんあり、ふと思い出したりして、頭から離れられなくなる。本当は「そうしたこと」に大した理由なんかなくて、感情の赴くままにしてしまったのかもしれないし、...
良い意味でコトバが少なく、淡々としている。だから、短いストーリーの中に、「どうしてそうしたんだろう?」と考えさせられるシーンがたくさんあり、ふと思い出したりして、頭から離れられなくなる。本当は「そうしたこと」に大した理由なんかなくて、感情の赴くままにしてしまったのかもしれないし、たくさん考えた上に出したことなのかもしれない。読む人によって、受け取り方が変わる本かも。1つだけ不満を挙げると、なぜかしおりのひもが非常に短かかった…。
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家で飼うことになったアヒルの「のりたま」。父母と三人の暮らしは、その日から少しずつ変わっていく。学校帰りの児童たちが、アヒルを見る為に家に来るようになったのだ。どんどん増える子供達と、それを楽しみにしている父母。ところがアヒルの具合が悪くなり病院に行ってから、何かが変わって…。 ...
家で飼うことになったアヒルの「のりたま」。父母と三人の暮らしは、その日から少しずつ変わっていく。学校帰りの児童たちが、アヒルを見る為に家に来るようになったのだ。どんどん増える子供達と、それを楽しみにしている父母。ところがアヒルの具合が悪くなり病院に行ってから、何かが変わって…。 主人公「私」も、父母もいい人なんだけどどこかすっきりしない感じで、ちょっと違和感を感じる。何とも変な読後感のある短編集。嫌な感じではないんだけど。
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酒井駒子さんの装画に惹かれて手にとった。 読み終わったとき、 どこかで読んだ " 物語は「怪談」からはじまる "という言葉を思い出した。 物語ははじまったのだ。 この人の書くものをもっと読んでみたいと思う。
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