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あひる の商品レビュー

3.6

127件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    53

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2020/11/07

3作収録。『あひる』なんだこれは。怖いねん。鳥好きとしては強烈に微妙な気持ちになったが、たった60ページ前後でこんな物語が書けるなんて、文才が凄いね。ペットのアヒル、のりたま。近所の子供達に大人気。皆が可愛がるのりたま。この「可愛がる」というのも人間のエゴだよねと思う展開。この平...

3作収録。『あひる』なんだこれは。怖いねん。鳥好きとしては強烈に微妙な気持ちになったが、たった60ページ前後でこんな物語が書けるなんて、文才が凄いね。ペットのアヒル、のりたま。近所の子供達に大人気。皆が可愛がるのりたま。この「可愛がる」というのも人間のエゴだよねと思う展開。この平易な文章で感じられるのが皮肉。それにしてももっとキチンと飼ってあげてよ。完全にのりたまはストレスだろう。『おばあちゃんの家』『森の兄妹』この2作はリンクしている。あひるよりはインパクト少な目だが、子供って純で残酷だな~としみじみ。

Posted byブクログ

2020/03/30

久しぶりに不思議な読後感だった。謎というか? つじつま合わせを鼻から放棄しているというか? ミステリーや推理モノだと許してくれないと思うが、芥川賞作家作品だからさ。他の作品も読みたい。

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2020/03/27

好き!「あひる」愛で対象求める老夫妻。子供達を釣る為のアヒルが瀕死で2回交換←既にゾワるが、もしや”わたし”も?思えば夫妻が無関心。弟の赤ちゃん報告時に席を外させられたりずっと在宅なのに生まれた赤ちゃんを写真でしか見てない。おかしい。子ども達も事情を知りつつ、気に留めないであひる...

好き!「あひる」愛で対象求める老夫妻。子供達を釣る為のアヒルが瀕死で2回交換←既にゾワるが、もしや”わたし”も?思えば夫妻が無関心。弟の赤ちゃん報告時に席を外させられたりずっと在宅なのに生まれた赤ちゃんを写真でしか見てない。おかしい。子ども達も事情を知りつつ、気に留めないであひるに会いに来ていたようで、それにもゾワる。(三輪車に乗った女の子の発言より) 私が何かを大切にしてたとしても、実際はその何かだって代替が効くのかもしれない。誰かにとっての私も、その程度かもしれない。そんなことを思わせられる。 「おばあちゃん」都合がいいのか弱い老人を演じていた老婆が恐い。からの「森の兄弟」。2つが近所の話だと察しゾワる。おばあちゃん、主屋の人達はいらなかったんだね。兄弟の方も恵んでくれる誰かを求めていた。皆、代替が利くもので快を求めていたのか。ゾワる。 語り手目線の描写のリアルさも◎ 目に浮かぶような描写なのも好き。田舎の古い家や、田舎の子どもの遊び、おばあちゃんの行動やおばあちゃんとの思い出など。しかも語り手の目線以上には浮上してこない描き方であるところがいい。うまいなー。好きな作家さんに出会った!

Posted byブクログ

2019/10/05

あひるののりたまと両親のものがたり。 自分の子供時代を思い出すような昭和な風景が描かれていた。 子供の無邪気さと冷静さと少しの残酷さ。 こどもは大人が思っているより物事をわかっているけど、そう思いたくないのは大人たちだなというお話し。 表題作他に短編2つ入

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2019/09/16

寂しさ、孤独、貧しさを無意識のうちに埋めようとするその行動の不穏さ、残酷さ。悪意はないからこそ、背筋にすっと冷たい汗が流れるような感覚。 善人も悪人もなく大きな事件も起こらない、ただの日常の輪郭が、じわりじわりとぼやけていく様。 今村さんの作品は読後、とにかくぼぉーっとしてしまっ...

寂しさ、孤独、貧しさを無意識のうちに埋めようとするその行動の不穏さ、残酷さ。悪意はないからこそ、背筋にすっと冷たい汗が流れるような感覚。 善人も悪人もなく大きな事件も起こらない、ただの日常の輪郭が、じわりじわりとぼやけていく様。 今村さんの作品は読後、とにかくぼぉーっとしてしまってすんなり自分の日常に戻ってゆけない感覚がある。 「あひる」 「おばあちゃんの家」 「森の兄妹」

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2019/08/03

本も読み映画も見ていたのですが、レビューできず久々の投稿になってしまった…頑張る。 こちらはKindle Unlimitedにて。確か前にテレビで光浦さんが紹介されてた この筆者、1980年生まれなの…もっと上かと思っていた。昭和の田舎風景を想像しながら読了。 3本の短編「あひ...

本も読み映画も見ていたのですが、レビューできず久々の投稿になってしまった…頑張る。 こちらはKindle Unlimitedにて。確か前にテレビで光浦さんが紹介されてた この筆者、1980年生まれなの…もっと上かと思っていた。昭和の田舎風景を想像しながら読了。 3本の短編「あひる」「おばあちゃんの家」「森の兄妹」からなる短編集で、(おそらく)全てひとつの集落の中で展開される3つの物語。 全体的な印象は、田舎特有の仄暗さだった。私ももともと田舎育ちなので(小学生の頃住んでた町には、地元の人しか知らないような単線鉄道の駅がひとつあるだけの…)その仄暗さになんとなく覚えがある。それを全面に押し出している訳ではないし、悪意を持って描いてるとも感じられないのに、その仄暗さが全体に等しく滲み出ているのが絶妙。 今暮らしている環境では感じることがない感覚だな、とも思った。懐かしくもあり不気味で近寄りがたくもある、普通のお話に見せかけたホラー、という感想。

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2019/06/14

あひるを飼うことになった一家を描く「あひる」。おばあちゃんと近所に住む孫の交流を描く「おばあちゃんの家」。母子家庭の兄妹と、うっかり入り込んだ敷地のおばあちゃんとのお話「森の兄妹」。純文学はあまり得意ではありませんが、とても読みやすかったです。ただ、どれも読後色々なことを考えてし...

あひるを飼うことになった一家を描く「あひる」。おばあちゃんと近所に住む孫の交流を描く「おばあちゃんの家」。母子家庭の兄妹と、うっかり入り込んだ敷地のおばあちゃんとのお話「森の兄妹」。純文学はあまり得意ではありませんが、とても読みやすかったです。ただ、どれも読後色々なことを考えてしまい、ざらざらとした読後感が残ります。この独特の雰囲気は好きな人はたまらなく好きなんだろうと思いますが、私はあまり好みではありませんでした。でも賞をとられた「こちらあみ子」の方が評価が高いようなので、そちらも読んでみます。

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2019/05/19

子供に写る世界は、面白くて、少し不気味で、恐ろしい。 そんな感覚が、よく伝わってくる。 この雰囲気、距離感、とてもいい。

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2019/02/22

短編風の話が三つ。でも舞台は同じで、共通の人物も出てくる。 田舎の風景を思い出しながら、色々な出来事を思い出したけど、何より1話目のあひるが怖かったし、三話目の終盤も怖かった。ただの恐怖ではなく、もっとざわざわとしたもの。

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2019/02/03

星の子を読んで今村夏子さんの他の作品はどんなものか気になったので読みました。また、アメトークの読書大好き芸人で読書初心者にはオススメしない?様なことを言っていた気がするのも気になりました。 3つの物語とも切なく感じました。中で私は「おばあちゃんの家」が心にズシンと落ちて来ました...

星の子を読んで今村夏子さんの他の作品はどんなものか気になったので読みました。また、アメトークの読書大好き芸人で読書初心者にはオススメしない?様なことを言っていた気がするのも気になりました。 3つの物語とも切なく感じました。中で私は「おばあちゃんの家」が心にズシンと落ちて来ました。また、読書歴が浅いせいか3つともきちんと理解できた気がしませんでした。ただ、理解できずとも心にくるものがあるのですごく好きです。 こんな例えをするのもおかしいと思うのですが、サブカルマンガの様な雰囲気を感じたので、そういうのが好きな人は合うかもしれません。

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