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三鬼 の商品レビュー

4.3

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2018/02/10

おちかちゃんが江戸の街で不思議な話の聞き役になるという作品の最新刊 4つの短編、、、とまで短くはない作品で構成された作品 ホラーではあるのだが、単純なホラーではない 思い出しながら書いてみる ・迷いの旅籠 行灯行列という豊作を祈るお祭り的な行事が諸々の事情でできなくなった事...

おちかちゃんが江戸の街で不思議な話の聞き役になるという作品の最新刊 4つの短編、、、とまで短くはない作品で構成された作品 ホラーではあるのだが、単純なホラーではない 思い出しながら書いてみる ・迷いの旅籠 行灯行列という豊作を祈るお祭り的な行事が諸々の事情でできなくなった事から騒動になっていくお話 奥さんを亡くした旅人があの世とこの世をつなげようという目的を持ちつつ、その自らの目的を達する為にこの騒動を利用 結果、なんとか亡くなった人をこの世に返らせる事に成功、、、したように見えたが、生きていた頃とは少し様子が異なる 更に、人が生き返る度に、生きている人の魂が抜けたようになってしまう事がわかってきた 自分の知人が生き返ったとなれば、多少様子が違っても良いと考える人も出てくる 逆に、その代わりに今生きている人が死んだようになってしまうのであれば意味はないという良識派もいる 村を二分した騒ぎになっていくという話 ・食客ひだる神 ホラーではあるが、若干コミカルさがある作品 お弁当で有名なお店 しかし、一年のうち少ししか営業しないお店で、なんでだろう?という話になっていたお店 タイミングよく、そこの店主から不思議話を聞く事になった ひだる神という食いしん坊のたたり神にたたられた事があるという この辺りのやりとりが非常に軽妙 「祟られた」という感じではなく進んでいく 好きな話でした ・三鬼 これはホラー作品 妹を誘拐された仇討ちをしたお侍さんの不思議語り その結果、ある辺境の大田舎にある村の監督役を命ぜられる 前の担当がいなくなったり、正気をなくしてしまったり、、、あまり良い話が無い村 そんな村で起きる騒動の中、人とは思えない物の怪に会う 物の怪ではあるのだが、正体は明かされない どちらかというと、人間の悪い心が生み出したものという扱いで描かれていたように感じた ・おくらさま これもホラーではありますが、物悲しさが漂う作品 3姉妹の作品 おばあさんになった末の妹が不思議語りをする 登場が若干不思議な感じ 幼い頃火事が発生 その時に「おくらさま」に助けてもらう その後は家の取り決めとして「新たなおくらさま」が必要になり、お姉さんが「おくらさま」として取られてしまったという 残った姉妹も「何故あの子が」「自分が代わってあげられれば」と思いつつ「自分が選ばれなくて良かった」という気も出てきたりする 誰も幸せにならない家の取り決めだった 実はそれはその家の過去に起きた事による呪いだったのだという結論 4作品ともに読み応え抜群でした 分厚い本ですが、そういった事を感じさせないほど

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2017/12/14

「おくらさま」が一番ゾクゾクしました。三島屋変調百物語もこれで四冊目。おちかの傍を去っていく人もいれば新たに登場した人もいて、三島屋の百物語にも変化がありそうです。おちかちゃんが主役じゃなくなるのかな。これからの展開が楽しみです。

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2021/07/09

三島屋シリーズ第四作。 相変わらず前置きが長いけれど、その前置きもドラマがあって入り込める。本題に入ると益々目が離せない。 「迷いの旅籠」死者に再会できる代わりに…。 「食客ひだる神」飢える神様を食わせれば商売は上手く行くがその代わり…。 「三鬼」極貧の村で生きていくためにはその...

三島屋シリーズ第四作。 相変わらず前置きが長いけれど、その前置きもドラマがあって入り込める。本題に入ると益々目が離せない。 「迷いの旅籠」死者に再会できる代わりに…。 「食客ひだる神」飢える神様を食わせれば商売は上手く行くがその代わり…。 「三鬼」極貧の村で生きていくためにはその代わりに…。 「おくらさま」商売繁盛、お店を守ってくれる神様は代わりに…。 何かを得るために何かを失わなければならない。。何かを増やすためには何かを減らさなければならない。 どちらかを選ぶことが幸せに繋がるなら良いのだが、それが難しい場合は…。 唯一ほのぼのしたのは「食客ひだる神」。こちらは良いバランスを最終的に得られて良かった、 他の話は切なかったり苦かったり。 そのことが主人公おちかにまた一つ新たな思いや決意をもたらしたのは良かった。 シリーズとしても転機の回。一つの別れと新たな出会い。 どのような展開を見せるのか楽しみ。

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2017/12/01

「おそろし」シリーズの4作目になるようだ。しかしまあよくこんなに嘘話を思いつくなあと感心する、著者のストーリーテーリングは現段階では日本一ではないかとさえ思う。本作で話の展開点を迎えたようで、密かに恋していた青野利一郎が去り新たに勘一が登場しきっと変化が生じるだろう、このシリーズ...

「おそろし」シリーズの4作目になるようだ。しかしまあよくこんなに嘘話を思いつくなあと感心する、著者のストーリーテーリングは現段階では日本一ではないかとさえ思う。本作で話の展開点を迎えたようで、密かに恋していた青野利一郎が去り新たに勘一が登場しきっと変化が生じるだろう、このシリーズはまだまだ続きそうだ。BS・NHKで波瑠が主演で映像化されたが、出来はすこぶる良かったので、「おそろし」の続編を製作してほしいものだ。

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2017/11/19

分厚いけれど、相変わらず一気に読める面白さ。最後の「おくらさま」のように、おちかの身近な人々が登場するお話が好き。 人の世は出会いと別れの繰り返し。後ろばかり見ていたら、後ずさりで生きることになって余計に危ない。 縁を失い、新たな縁を得ることで、一歩前に進むおちか。次作で三島屋...

分厚いけれど、相変わらず一気に読める面白さ。最後の「おくらさま」のように、おちかの身近な人々が登場するお話が好き。 人の世は出会いと別れの繰り返し。後ろばかり見ていたら、後ずさりで生きることになって余計に危ない。 縁を失い、新たな縁を得ることで、一歩前に進むおちか。次作で三島屋のシリーズが終わってしまうのではないかという不安を感じる一方で、富次郎や勘一という新しいキャラクターも登場して新たな展開の予感も。

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2017/11/18

560ページもあるのに今回もあっという間に読み終えてしまいました。三島屋シリーズ、安定の面白さです。 煮売り屋と富次郎の甘味談義が、とても美味しそうでお腹がすきました(笑)。 タイトルにもなっている三鬼のお話は、色々辛い物語でした。 おくらさまでは馴染み深い登場人物がいなくなって...

560ページもあるのに今回もあっという間に読み終えてしまいました。三島屋シリーズ、安定の面白さです。 煮売り屋と富次郎の甘味談義が、とても美味しそうでお腹がすきました(笑)。 タイトルにもなっている三鬼のお話は、色々辛い物語でした。 おくらさまでは馴染み深い登場人物がいなくなってしまって、私もおちかと一緒に悲しみました。 今、一番続きを楽しみにしているシリーズです。次巻も期待。

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2017/12/04

宮部さんの作品は、ページをめくるワクワク感が半端ない。先が気になってしょうがない。そんな感想がぴったりきます。 物語後半のエピローグ的な箇所にやられました。

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2018/11/23

三島屋おちかの変調百物語、第四弾。 「迷いの旅籠」・・・亡者、死者、生者。 一つ処では暮らせない意味。迷いと確信が揺れ動く。 第一弾の「家鳴」でおちかの体験と交錯すろ感。 「食客ひだる神」・・・第二弾の「あんじゅう」と似た、 ユーモラスな作品。ひだる神は成仏したのか? はたまた、...

三島屋おちかの変調百物語、第四弾。 「迷いの旅籠」・・・亡者、死者、生者。 一つ処では暮らせない意味。迷いと確信が揺れ動く。 第一弾の「家鳴」でおちかの体験と交錯すろ感。 「食客ひだる神」・・・第二弾の「あんじゅう」と似た、 ユーモラスな作品。ひだる神は成仏したのか? はたまた、帰りたい場所へ戻ったのか? 「三鬼」・・・深い山奥に密かに存在する怪異。 三鬼とは?その名前に考えさせられた。 「おくらさま」・・・憑き神は守り神か、凶つ神か? 生き霊になってまで語った衝撃の事実! どれも遜色無い、書ききった感の作品でした(*^_^*) 「おくらさま」では去る者へのおちかの心情も・・・。はぁ。 そして新たなる登場人物!第五弾に期待大♪

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2017/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

刃物を持った鬼が描かれた表紙。読んでみると、そこまで怖い話でもないのですが。どの話にも共通するのは切なさ、悲しさでしょうか。 意外にほんわかとした「食客ひだる神」が一番面白かったです。そうか稲荷は傷みやすいのか、なるほどー。

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2017/09/22

安心して楽しめる。「食客ひだる神」のようなあたかかな肌触りの話が特に好き。 挿絵は不要だと思う、というかいらんやめて。

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