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三鬼 の商品レビュー

4.3

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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2017/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回は楽しくて怖くて不思議な江戸のお話だけじゃなく、貧しくて暗くて目を背けたい地方の話も。 ・食べ物が旨そうで楽しげな「ひだる神」 ・”この世に戻ってきてほしい”と”あの世へ渡ってしまいたい”の間に唸らされた「迷いの旅籠」 ・業を飲みこんで行かないといけない閉塞感が怖かった「三鬼」 ・”私のようになってはいけない”って励ましに来た、んだよな??な「おくらさま」 登場人物が入れ替わり、おちかも少しは変わっていくんだろうな、という終わり方だった。でも古本屋と従兄だけでは外に出る事になってもまだ役不足な気がするのでまた誰か投入するのか。百物語も進捗としてはまだまだだし”私、幸せになります!”って締めはまだ遠そう。 急ぐと説得力に欠けるし、ダラダラ延ばすとやる気あんのか、ってなるし。読み手としては続けてくれたら色々読めていいんだけど、刊行ペースで行くと完結する前にこっちがヨボヨボになりそうで、悩ましい所。 あ、あと挿絵は今回おちかのなよやかな顔が載ってた。けど、想像してた引き籠りの働き者イメージと違って個人的にはよろしくないかもー。 続きが出れば読むと思うけど、忘れる&他の時代ものと混同するので出るたび復習が必要だなー。

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2017/07/10

表題作のタイトルはなぜ三鬼なのか。何処かにある3つ目の村から来る鬼か、それとも吾作、欣吉とそいつ3人とも鬼という意味か。 おちかも少〜しずつ前に進めているようで。

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2017/07/03

三島屋おちかちゃんの4冊目。「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」相変わらず面白いですが、今作の挿絵がちょっと興ざめ。このシリーズはまったく挿絵がないか、抽象的な図みたいなものだけでおいてほしい。主観的に好きなのは「ひだる神」。「おくらさま」はまずまずだが、この話で...

三島屋おちかちゃんの4冊目。「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」相変わらず面白いですが、今作の挿絵がちょっと興ざめ。このシリーズはまったく挿絵がないか、抽象的な図みたいなものだけでおいてほしい。主観的に好きなのは「ひだる神」。「おくらさま」はまずまずだが、この話で三島屋次男富次郎と瓢箪古堂の勘一が出てくるのがええねぇ。ちょっと謎解きというかミステリ色が強くなってだるんでいた目先が変わって面白かった。

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2017/06/30

今や宮部さんのライフワークとなっている三島屋の百物語シリーズです。 今回も様様な人たちが不思議な話をもって現れます。 今回の特徴的なものとして、語り手として少女が登場、初めてではないでしょうか。 それから肉体を抜けだして魂となって現れた人、これも初めてではないでしょうか。 それぞ...

今や宮部さんのライフワークとなっている三島屋の百物語シリーズです。 今回も様様な人たちが不思議な話をもって現れます。 今回の特徴的なものとして、語り手として少女が登場、初めてではないでしょうか。 それから肉体を抜けだして魂となって現れた人、これも初めてではないでしょうか。 それぞれ怖かったり、辛かったり、大変な体験をおちかに語ることで、心の平安を保とうとする人たちです。 そして三島屋の別の店に奉公にいっていた息子、ちかの従兄や貸本屋の登場など、今後も活躍しそうな人材が新に登場します。 最後にちかのひそかな思い人との別れ、これを乗り越え、ちかは 強くなっていくのでしょうか。

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2017/06/28

三島屋おちか変わり百物語シリーズ。 今回は四話。 どれも読みごたえがあり面白かった。 ちょっと愉快な ”食客ひだる神” はとりついた神様が可愛くて面白くて笑みがこぼれる。 タイトルの ”三鬼” は迫力があって背筋が寒くなるような感じがした。 色々な風味の四話を味あわせてもらった...

三島屋おちか変わり百物語シリーズ。 今回は四話。 どれも読みごたえがあり面白かった。 ちょっと愉快な ”食客ひだる神” はとりついた神様が可愛くて面白くて笑みがこぼれる。 タイトルの ”三鬼” は迫力があって背筋が寒くなるような感じがした。 色々な風味の四話を味あわせてもらった。

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2017/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋百物語の四巻。 三島屋の黒白の間で語られる不思議な話、 ある村の死者をよみがえらせようとした話、 雪国の流刑地のような山村の話。 それぞれ良い話だったけど、やっぱり江戸に起きる話の方が好きかも。 江戸にくっついて来てしまったひだる神の話、 でも一番怖かったのはある店を守るおくら様の話かな。 語り手を捜してちょっとした探偵ものになっていたからかもしれないが。 そして、おちかが心を開いていた手習いの青野先生が、 国に帰ることになってしまったのにはちょっとショックを受けた。 というか、その前に新しい登場人物が都合よく現れたのが、ショックだったのかも。

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2017/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

題字は北村宗介で,挿画は北村さゆり・・第三作とは出版社も字も絵も違う~相模から出てきた小作の娘・おつぎは村で遭った亡者の話を殿様である旗本に語る小手調べとして、おちかに語る。一の殿様の姫様が亡くなって祭が禁止され、大行灯でおひかり様を目覚めさせることができなくなり、村人は名主の呆けた隠居が使っていた離れ屋敷を大きな行灯に見立て、絵師に村人の姿を描かせたが、名主の死んだ隠居や、おつぎの兄の許嫁が薄ぼんやりとした姿で現れ、その代わりに村人が一人ずつ冷たくなって床に就いてしまう。絵師は竹で手形を作って亡者に渡し帰って貰うことに成功するが、この世の村人も一人あの世へ旅立ってしまった。花見の季節に弁当を拵えてくれるだるま屋は商いを大きくしようとしない。店の主人は搗金の菜種問屋の出身で煮売り屋をしていたが、生母が危篤だと聞いて帰郷し帰ろうとした夜の峠道で、ひだる神に取り憑かれたのだ。ひだる神は美味しければ母の遺品のお手玉から小豆を三つ取り出して並べる。何が受けるか理解した達磨屋は商売を拡大したが、店に取り憑いたひだる神も大きくなって、店の造りを壊すほど生長し、隙間風で家人が起き上がれないほどだった。商売を小さくしてひだる神に小さくなって貰い、細々と生きていく道を選んだのだが、父の葬儀に出向いた帰りに、取り憑かれた場所で、だるま屋から離れていったらしい。二万石の森・栗山藩は改易となったが、その元江戸家老・村井清左衛門は若き日の山番士の話を始める。三里はなれた上村・下村では怪我人・病人がでると赤い狼煙を上げて知らせる。若き日の清左衛門は、真っ黒な籠を被り、蓑に雪沓を履いた化け物を見てしまう。同僚の鉄砲使いが村で見初めた女と生まれた子も化け物が来て、命を失った。鬼と呼んでいるが、元は上下に分かれて厄介になった者に互いに引導を渡していたのだが、鬼が現れた。貧しさ故と同僚の鉄砲使いは山を下りて山奉行に訴え、藩主にも願いが届けられた。山を下りた清左衛門は、江戸に上り、家老に気に入られて後釜になったが、江戸での倹約を叫び続けて煙たがられていたのだ。話し終えて数日後、清左衛門は腹を切った。従兄の富次郎が修業先の揉め事に巻き込まれて怪我を負い、帰ってきた。おちかの仕事を聞いて、次の間でお勝と聞きたいと願ってきたため、呼ばれたのは梅という老婆。おくらさまという神様がいる香具屋の美人姉妹に産まれたが、家事が出た時に主が願い、その店だけは助かったが、次姉の菊がおくらさまになってしまった。不思議な話を終えてふっと姿を消したことに次の間にいたはずの二人に尋ねるが、憶えていない。手掛かりは店の名。貸本屋の若旦那も協力して噂話を集め、遠縁に引き取られていたお梅を発見する。生き霊になって黒白の間に赴いたのだった。手習いの若先生が故郷に帰り仕官するという…~日経新聞で連載していたらしい。第四巻だが、違う印象。最初の話「迷いの旅籠」は暗くて、語り手を13歳の少女にしたため、話が進まずに苛々させられた。新聞で読んでいたらもっと苛々するだろう。悲惨な話でも、「三鬼」のように整然としている方が良いよね。所で、鬼は一匹しか出てこないけど、私の読み込み方が甘い所為?「ひだる神」のように悪さをしない妖怪も良いけど。手習い所の若先生が去り、貸本屋の若旦那と、帰ってきた従兄である小旦那が登場した。まだ続くの?

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2017/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋変調百物語シリーズ。 一作目のなんだかわからないハリウッド和製ホラーみたいなラストのときは「だめだこりゃ」くらいに思っていたのですが段々と面白くなってきました。主人公であるおちかさんの身の回りもいろいろと少しずつ変化していくとともに彼女の内面も少しずつ変わっていっているのがとても面白い。今回も来る人あり去る人あり、と。。。 で、語り手が変わる日も近づいてきているんでしょうか・・・?いやもう作者本人によるネタばれとかホント勘弁してほしいですわ。。。

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2017/06/08

今回はあまりの人間の業の深さに恐怖に慄くまでのお話はないけれど、どの話も興味深く楽しめた。特にひだる神のお話はどこかほんわかと優しい気持ちにさせてくれて読後感も爽やか。最後のお話おくらさんでは、不思議な客のお梅さんの存在自体がおちかに強く影響を与えたと思われ、それを踏まえての今後...

今回はあまりの人間の業の深さに恐怖に慄くまでのお話はないけれど、どの話も興味深く楽しめた。特にひだる神のお話はどこかほんわかと優しい気持ちにさせてくれて読後感も爽やか。最後のお話おくらさんでは、不思議な客のお梅さんの存在自体がおちかに強く影響を与えたと思われ、それを踏まえての今後のおちかの生き方が興味深い。次巻を待つ。

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2017/06/04

2016.6 おどろおどろさを感じなくなり、ホロっとしてり、せつない話が多くなりました。いい小説です。次回作も楽しみ。

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