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三鬼 の商品レビュー

4.3

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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2017/08/20

人は語る。語り得る。善いことも悪いことも。楽しいことも辛いことも。正しいことも、過ちも。かたって聞き取られた事柄は、一人一人の儚い命を超えて残ってゆく。

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2017/08/17

変わり百物語シリーズ第4弾。 今回語られるのは4つの話で、本が分厚いので怯んだが、読み始めるといつものように心に染み渡る文章で引込まれた。亡者、憑き神、家の守り神など怪異が登場しても、怖いのも哀しいのも人の心で、それでも最後に一条の光が射す読後感が好きである。 聞き手のおちかの身...

変わり百物語シリーズ第4弾。 今回語られるのは4つの話で、本が分厚いので怯んだが、読み始めるといつものように心に染み渡る文章で引込まれた。亡者、憑き神、家の守り神など怪異が登場しても、怖いのも哀しいのも人の心で、それでも最後に一条の光が射す読後感が好きである。 聞き手のおちかの身の回りでも変遷があり、今後の展開が気になる。

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2017/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「聞いて聞き捨て、語って語り捨て」の三島屋シリーズ第4弾。 今回も切なくなったり泣いてしまったりと感情を揺さぶる話ばかり。 特に「食客ひだる神」は弁当屋の亭主と食い意地のはった「ひだる神」さんとの温かくて微笑ましい交流がとても良かった。 今回も亡者や鬼、憑き神等が出てくる、ちょっと恐ろしくて忌まわしい話をおちかを通して聞くことになった。 そこには語り手と話の中で語られる人達の悲しみや辛さだけでなく、人の温もりや優しさも込められていて相変わらず心地好い。 そして今回はおちか自身の心を揺さぶる出来事が…。 でも身を案じて背中をそっと優しく押してくれる人達がいる限り大丈夫! いつか一歩を踏み出し、自分の道を選ぶ日がきっと来る!と願いながら第5弾を待つことにしよう。

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2017/08/16

最近読んだ中では読み応えあり、でした。 宮部さんの三島屋変調百物語シリーズの四作目。このシリーズは割合と静かな世界観で、その中に様々な不思議、こわさ、人の世のあれこれがあるんですよね。 主人公が年頃の女の子(女性と言うべきか)なので、そこも相俟って、全体の印象を繊細に柔らかく...

最近読んだ中では読み応えあり、でした。 宮部さんの三島屋変調百物語シリーズの四作目。このシリーズは割合と静かな世界観で、その中に様々な不思議、こわさ、人の世のあれこれがあるんですよね。 主人公が年頃の女の子(女性と言うべきか)なので、そこも相俟って、全体の印象を繊細に柔らかくしているかも知れません。かつ、豪胆と言いますか、強さもあるわけですが。 今回は四篇。それぞれにボリュームがありましたし、各語り手に個性もあり、語り口に惹き込まれました。 中弛みすることなく、どんどん読み進めてしまうだけの魅力。宮部さんの筆力を改めて実感した次第。 人物の描写、心情の描写、情景の描写、世の有り様、人と人のこと、四季折々、食べ物、物語の要となるふしぎ語り。それらがわかりやすく飾り立てず書かれていて、かつ読みやすく心地よく、スッと入ってくる。 個人的には『食客ひだる神』が全編通して愛おしくおかしく、好きです。 そして、前々から好感を持っていた登場人物、青野利一郎若先生。再登場ですね。物語の中でも月日は流れているんだなぁ。 新たに登場した貸本屋の勘一も気になる存在です。本作には挿絵があるけれど、私の脳内ではもうちょっとこう、イメージが違うかも知れない。濱田岳くんみたいなイメージかしら? 三島屋次男坊、富次郎さんは何だか『こいしり』シリーズの麻之助を彷彿とさせる。 うーん! 面白かった……!

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2017/08/15

三島屋百物語シリーズの第4段。 独立した中編が4編からなる。 単にあやかしの話を連ねるだけでなく、最後におちか周辺の話を持ってくるのはお約束か。 次回からの新しいレギュラーと思われる登場人物もあり。 以下はメモ: 迷いの旅籠 おつぎの視点から、すっと自然に客観的な描写に切り替...

三島屋百物語シリーズの第4段。 独立した中編が4編からなる。 単にあやかしの話を連ねるだけでなく、最後におちか周辺の話を持ってくるのはお約束か。 次回からの新しいレギュラーと思われる登場人物もあり。 以下はメモ: 迷いの旅籠 おつぎの視点から、すっと自然に客観的な描写に切り替わるのはさすが。 蘇ったのは亡者か、生者の魂か。 神社の御神体の件はなんだったんだ? おつぎの話が終わった後に名主を呼んだ以降の話は余分な気がする。 食客ひだる神 食客として取り憑いた「ひだる神」の話。 289p 「わたしはどうやら、考え違いをしていたらしい。この話はひだる神の置き土産ではなかった。だるま屋さんの置き土産だったんだわ。」 三鬼 山深い洞ヶ森村で生き残っていくための習わし。 真っ黒な籠 「鬼は私であり、おまえだった。」 おくらさま おちかの回りの人々も含めて物語が展開。 けっきょく、あれは生者の想いだったのか。語りの内容はどこまで事実だだたのか。

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2017/08/13

このシリーズは重く暗い話ばかり。強すぎる思いは怖い。従兄弟や貸本屋がメインの仲間に加わったのは明るい兆しかな。

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2017/08/10

好きだった人物がまさかの退場となり、新しい風も吹いてきた。本当に節目となる巻だった。大好きなシリーズなのでまだまだ続いて欲しいし、これからおちかが自分の感情をちゃんと表に出して生きていくのが楽しみだ。

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2017/08/07

 三島屋変調百物語シリーズの4作目。 久々にこのシリーズを読んだけれど、読後に独特の余韻が残る。  第一話、二話はそれほど惹きこまれず、重くてしんどい第三話を読むための、軽めの助走のように思えた。 それほど、三話目がきつい。 第四話は、ちょっと教訓めいた、戒めのようなお話。 そ...

 三島屋変調百物語シリーズの4作目。 久々にこのシリーズを読んだけれど、読後に独特の余韻が残る。  第一話、二話はそれほど惹きこまれず、重くてしんどい第三話を読むための、軽めの助走のように思えた。 それほど、三話目がきつい。 第四話は、ちょっと教訓めいた、戒めのようなお話。 そして、物語が大きく動いた。 この作品は、大きな物語の流れから言えば、ちょっとした節目だったかも。私が大好きだった人が、物語から去ってしまった。なので、思いの外寂しい。 新たな物語の始まりと、選手交代。 次の話がもうすぐに待ち遠しくなるのも、このシリーズの大きな特徴かもしれない。 おちかの今後が一層気になった、4作目だった。

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2017/07/24

おちかが百物語を聞く、三島屋シリーズ。短編。 「迷いの旅籠」 「食客ひだる神」意思疎通ができるんだかできないんだかわからない妖怪。多分生前は意地汚かったんだろうと思う。 「三鬼」鬼が出るより、鬼がでるまでの経緯が怖い。生き延びようとする人間たちが。 「おくらさま」

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2017/07/19

2017/07/18、読了。 久々の読書。 第一話 迷いの旅籠 第二話 食客ひだる神 第三話 三鬼 第四話 おくらさま 迷いの旅籠を読み始めてしばらく積読。 その後再開したら、止まらなくなり。。。 宮部さんの時代物は安心して読める。 怖くてて悲しい。切ないけど、ただそれだ...

2017/07/18、読了。 久々の読書。 第一話 迷いの旅籠 第二話 食客ひだる神 第三話 三鬼 第四話 おくらさま 迷いの旅籠を読み始めてしばらく積読。 その後再開したら、止まらなくなり。。。 宮部さんの時代物は安心して読める。 怖くてて悲しい。切ないけど、ただそれだけじゃない。 あと食べ物やおやつがどれも美味しそうだなと。 一杯やりたくなる^^; 迷いの旅籠は、ご隠居様が家守みたいに覗き込んでたところが印象深い。 食客ひだる神は、ちょっとくすりとした感じが良い。 三鬼は何とも遣る瀬無い。 最近旦那さまが宮本 常一さんの忘れられた日本人とか読んでおり、よく昔の生活の苦しさとかについて我が家の話題になるんだけど(GWに旅行に行った時に、五箇山だとか白川郷付近を通った時とか)まさにこういう世界が嘗てはあったんだろうなと、三鬼はフィクションではあるけど、思うところがありました。 一番怖かったし切なかったし心に残っているのがおくらさま。 昼行灯とか言われちゃうけど、いい感じの貸本屋さんも出て来ましたね〜。 きっと続きが出ればまた買ってしまうんだろなぁ。 おちかちゃん可愛いし^^;

Posted byブクログ