愚者の毒 の商品レビュー
話に引き込まれるし、ミステリーとしても良かったです。良かったんですけど過去の話を読み進めるのが辛かった。辛すぎました。理不尽なことへのやりきれなさ、無力感を抱くのも偽善のように感じるし、彼等に比べて私が不満を持つなんて許されないとまで思いました。 それだけ伝える力のある小説という...
話に引き込まれるし、ミステリーとしても良かったです。良かったんですけど過去の話を読み進めるのが辛かった。辛すぎました。理不尽なことへのやりきれなさ、無力感を抱くのも偽善のように感じるし、彼等に比べて私が不満を持つなんて許されないとまで思いました。 それだけ伝える力のある小説ということです。 良い作品ですが私には辛すぎるので星ひとつ減らしました。 ごめんなさい。
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めちゃくちゃ重いです。全体的にネタバレにつながるので言いづらいのですが、これまた貧困が絡んできます。人生お金が全てではありませんが、必要最低限のお金が無いというのは、心を削るし人生そのものを破壊します。 高度経済成長期の日本の好景気から見放され生きていくのが精いっぱいの人々。障害...
めちゃくちゃ重いです。全体的にネタバレにつながるので言いづらいのですが、これまた貧困が絡んできます。人生お金が全てではありませんが、必要最低限のお金が無いというのは、心を削るし人生そのものを破壊します。 高度経済成長期の日本の好景気から見放され生きていくのが精いっぱいの人々。障害を持つ子供を抱えて就職もままならない人。何故自分は自分なのか。自分はあの人でなかったのは何故なのか・・・。罪から逃れる為に罪を重ね、心の牢獄に閉じ込められた2人の回想はとても重苦しいです。 前半も重いは重いのですが、太っちょの優しい先生のおかげでとっても雰囲気が良くて、意外と読んでいてほんわかした気分になったりしました。それだけに中盤以降の重苦しさが非常に辛かったです。 砂の器を彷彿とさせる話でありましたが、むしろ僕はこっちの方がぐっときました。
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2015年の高級老人ホームの老女。1985年の職安が縁で知り合った生年月日が同じ二人の女性。最初はミステリの伏線を探すように読んでいました。でも二章の1965年の廃鉱部落の話になると、炭鉱事故の被害者や家族の悲惨さに、生きるための逞しさと悲しさに、胸が潰れる思いで読み進めました。...
2015年の高級老人ホームの老女。1985年の職安が縁で知り合った生年月日が同じ二人の女性。最初はミステリの伏線を探すように読んでいました。でも二章の1965年の廃鉱部落の話になると、炭鉱事故の被害者や家族の悲惨さに、生きるための逞しさと悲しさに、胸が潰れる思いで読み進めました。後半、すごい勢いで物語が組みあがっていき、多少想像がつく部分はあったものの、構成の上手さに舌を巻きました。人生は最期に帳尻が合うものでしょうか。最期にあったのは救いでしょうか。久しぶりにすごい骨太のミステリを読んだ気がします。
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5歳の言葉を話さなくなってしまった子どもを抱えて 葉子は職探しをする。ハローワークで知り合ったのは同じ誕生日の希美。 希実が葉子に仕事を紹介したところから、 2人の過去と今と未来が動く、と言うお話。 1章で暗くて辛くて なんとか生きてほしいと思いながら読んだが、 2章ではさらに...
5歳の言葉を話さなくなってしまった子どもを抱えて 葉子は職探しをする。ハローワークで知り合ったのは同じ誕生日の希美。 希実が葉子に仕事を紹介したところから、 2人の過去と今と未来が動く、と言うお話。 1章で暗くて辛くて なんとか生きてほしいと思いながら読んだが、 2章ではさらに辛くて 沼にはまっていくようだった。 全く別のものに着替えても 自分は自分でしかない。 それ以上でも以下でもなく 自分のしたことが消えることもないのだ。 終盤は伏線が綺麗に回収されて納まるが、 難波先生の言葉がこんな形で発揮されるなんて。 それは残念でならない。 ノンとユウに終わらせてほしかった。
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暗い話で読んでて辛かった。設定はありがちかなー。 ミステリー的には面白かったけど、だれにも共感できず、、、。って感じです。
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ちょっしたことで知り合い、友情を深めていく二人の女性。 早い段階でネタバレと思われる描写があるが、なぜそうならなければならないのか、どう繋がっていくの気になって一気読み必至。 後半は、貧困、劣悪、過酷な環境の少年少女時代の話に戻る。 これが大変つらい。読んでいて胸が締め付けられる...
ちょっしたことで知り合い、友情を深めていく二人の女性。 早い段階でネタバレと思われる描写があるが、なぜそうならなければならないのか、どう繋がっていくの気になって一気読み必至。 後半は、貧困、劣悪、過酷な環境の少年少女時代の話に戻る。 これが大変つらい。読んでいて胸が締め付けられる。 少年少女はただ一生懸命生きてきた。暗い過去に追いかけられながら、それでも一生懸命生きてきただけだ。 最後、穏やかだったのだろうか・・・もっと幸せを感じてほしい一生だったと願わずにはいられない。 宇佐美さんの本は初めてだったが、また次の作品も読みたい
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すごい読み応え! ストーリーも重厚なうえ ミステリーとしても完璧。 まさかの展開に何度も驚かされた。 なんにも悪くない むしろ誠実に生きている主人公達が 犯罪を犯しつつ生き延びていく様は もどかしくも切なかった。
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過去と現在を行き来しながら物語は進む。序盤は思わせぶりでまどろっこしい語り口に辟易したが、第一章の終幕から雲行きが一変し、三池炭鉱事故の史実に基づく第二章は非常に気が重くなった。最終章では全ての謎が綺麗に解けるが、この真相がまた重苦しく、折角見つけた光を己の手で葬ってしまった二人...
過去と現在を行き来しながら物語は進む。序盤は思わせぶりでまどろっこしい語り口に辟易したが、第一章の終幕から雲行きが一変し、三池炭鉱事故の史実に基づく第二章は非常に気が重くなった。最終章では全ての謎が綺麗に解けるが、この真相がまた重苦しく、折角見つけた光を己の手で葬ってしまった二人の罪悪感は筆舌に尽くしがたい。途中で筋書きは読めてしまうものの、最後の一行が終わると同時に流れるエンドロールが目に浮かぶ映画的な作品でもあった。哀しい物語だが、葉子と達也の紡がれなかった絆は何とも美しい。当然「白夜行」は連想した。
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壮絶な過去を持った葉子と希美が職安でひょんな事から知り合う。同じ匂いがする二人はお互いの存在で荒んだ心に必要な存在となって行く。希美の紹介で難波家の家政婦として葉子は亡くなった妹の子達也と住み込みで働くようになる。1965年の過去から1985年の葉子と希美の出会い…そして、現在…...
壮絶な過去を持った葉子と希美が職安でひょんな事から知り合う。同じ匂いがする二人はお互いの存在で荒んだ心に必要な存在となって行く。希美の紹介で難波家の家政婦として葉子は亡くなった妹の子達也と住み込みで働くようになる。1965年の過去から1985年の葉子と希美の出会い…そして、現在…物語が明らかになるにつれて、それが繋がってくるとどんどん話に引き込まれた。
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4月-10。3.5点。 暗い過去を持つ女性。しゃべれない甥っ子と金持ちの住み込み家政婦に。 場面変わり、悲惨な炭鉱労働者一家。逃亡する男女。 面白い。ラストもおー、そー来たかっと言う感じ。 炭鉱労働者一家の悲惨さが、際立っていた。
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