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壁の男 の商品レビュー

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68件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2017/06/29

栃木県のある村で、壁に絵を描き続けている男性の半生。 クレイジージャーニーで観た、台湾の村で絵を描き続けているおじいさんを思い出した。

Posted byブクログ

2017/06/23

伊苅が家の外壁に絵を描く理由。 よい意味で裏切られた本。 予想と全然違う方向へ進み、最後は伊苅さんの絵を見に行きたくなる。 表紙とタイトルと内容にギャップが。 一つの命が終わった日に…。

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2017/06/22

章ごとにテーマのようなものはあるが,過去と現在を行ったり来たりしながら,伊刈の人となりが浮かび上がり,そしてなぜ壁に絵を描いたのかがわかる.最後になってやっといろいろなことが腑に落ちた.

Posted byブクログ

2017/06/17

貫井さんの作品は初めて。ずいぶんしっかりと文章を書くんだなあ。ある一人の男性について、その人がとった行動の原点を、ノンフィクションライターが人物を掘り下げ、調べていくといった風に書かれているのだけれど…。短編をくっつけたようにも感じた。才能のお話や悲劇、うまくは書かれているが、正...

貫井さんの作品は初めて。ずいぶんしっかりと文章を書くんだなあ。ある一人の男性について、その人がとった行動の原点を、ノンフィクションライターが人物を掘り下げ、調べていくといった風に書かれているのだけれど…。短編をくっつけたようにも感じた。才能のお話や悲劇、うまくは書かれているが、正直、あまり心に深くはつきささらなかったな。

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2017/05/27

どうして絵を描くようになったのか、その真髄がラストにわかる構成は見事でした。子どもの闘病場面は本当につらいです。そして伊刈さんの今後の幸せを祈らずにいられません。ただ、笑里ちゃんは、途中で呼び方変えたの?それがちょっと不思議でした。

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2017/05/22
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『壁の男』というよりは『壁に絵を描く男』。 主人公は素直で真面目。絵は下手だが、それでも絵を描きたいから描いている。その絵が稚拙でも人の心を惹き付ける。 何故こんな幼稚な絵が人の心を惹き付けるのか。 彼には絵の才能はない。絵だけでなく、これといって何かの才能があるわけではない。 彼は誠意と素直さで人を惹き付けていく。 しかしそんな彼の人生は喪失の連続だった。 ここからは貫井さんらしい展開だが、やはり辛い。もしかしたら奥様の経験も入っているのか。 何故彼が絵を描くようになったのか、絵の題材の意味は、それが次第に明らかになっていく。 彼のその後の人生が穏やかで温かなものであるように願う。

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2017/05/19
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参った,という本。前半でほんとに泣けてきて,後半ちょっと離れて読む感じになったところ最後にドカンとやられた。「読み返したくなる」という感想の本はちょこちょこあるけど,本当に一から読み直した本は初めてな気がする。 期待せず,かつ予備知識なく読んだ故かもしらんけど,深いし,これぞ小説という本だと思う。

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2017/04/26
  • ネタバレ

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 「壁の男」ってどういう意味? と考えながら読み始めました。  すると、ある町に子供でもこれよりうまい絵を描く子はいるだろう、というような絵で覆い尽くされようとしている、という話。 つまり、町の壁に絵をかく男の人の話なのかな? という結論に達しました。  その男の人伊刈が壁に絵を描き始めたきっかけは、母親のアトリエで学習塾を始め、殺風景な教室に絵があった方が良いを思え、そして わくわくして描きたいと思えた。  その絵に対する子供の感想は「下手だねー」と正直な感想を口にするがみんなその絵を見て笑っていた。 その笑顔に満足感がこみ上げる伊刈でした。  その後、子供たちを一緒に絵を描いたりしていたが、まだまだ描き足りなくても、絵を描くスペースが無くなり、とうとう家の外壁に絵を描くことを思いつく。  それに対する町の人の反応なさまざまで、精神面を疑う人もいた。  そんな時に昔の因縁でいつも怒りに鋭い視線を向けていた川上という人の一人息子が車に撥ねられて死んでしまう。  そのお葬式の後、伊刈は外壁に女の子と並んで男の子の絵を描く。 それから一か月後ぐらいに川上から、息子の絵を外壁に描いて欲しいと頼まれる。  そしてその絵が川上夫妻の心を癒していき、川上との関係も改善される。  その後、雑貨屋の壁に思わず車を止めてしまうような、インパクトのある絵を描いて欲しいと頼まれる。 その後、偏屈な老親高梨の家に絵を描いてからは、雪崩をうつように他の家々から、絵を描いて欲しいという要望がくる。  そして、その絵によって有名になった町に人が集まるようになって、観光地となった町を喜ぶ人も増える。 しかし、そこからがこの本の本題でした。  壁に描いた女の子の絵は伊刈の亡くなった笑里という娘だった。 たった3歳で、「横紋筋肉腫」という腫瘍にかかった。 その時は治療の効果が出て、5年目となる小学3年生に無事進級できたが、脳に腫瘍が出来、亡くなってしまった。  次に出てきた、両親との逸話は、この本で一番訴えたいと思っていると思ったことであり、この本の中で一番印象に残った言葉が伊刈の母が嫉妬に苦しむ伊刈に言った「才能の有無をその人の価値は、全く別の問題なの。才能があるからって、それだけでその人の価値が決まるわけじゃない。何をしたかが大事なのよ。」「才能に恵まれていることがイコール優れた事だなんて、ただの思い込みだから。同じように、才能がないことを引け目に感じる必要もない。才能が無いから駄目だというのも、思い込みでしかない。」 という言葉でした。  だから、絵の才能が無い伊刈だったけれども、町の人たちを笑顔に出来る絵を描いたことが素晴らしいと思えた。  そして、最後の章が☆5になった理由でした。 心の底から愛情緒を注ぎまくった笑里ちゃんの出生がわかり、伊刈は心から素晴らしい事をした尊敬できる人だと思えました。  

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2017/04/24
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タイトルがイマイチな気がするな~ 平凡すぎるというかタイトルだけだと興味をひかれない気がします。 とはいえ、内容はなかなか面白かった!読みやすく、気がつけば一気読み。 ただ第2章は、子持ちには読むのが辛い・・・ 第3章は、ムカムカムカムカ 第4章は、ちょっと中途半端な気が。お母さんのセリフのための1章かな。 そして最終章、う~んこれを「どんでん返し」と言うのかな?ここで2章と3章で引っかかっていたことが、あ~そういうことと分かって辻褄あったけど。お話全体としては、ワタシは少しがっかりきてしまったよ。 いえいえ面白かったけどね

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2017/04/21

壁に幼稚な絵を描き続ける中年男の半生を、ルポライターが取材を通して明らかにしていく。 男にとっての大きな出来事を、思春期や青年期など何段階かに分けて克明に語っていくのだが、あえて時系列に並べていないため、話は前後する。そして、何のための絵なのか、途中の違和感の理由などが、最後ま...

壁に幼稚な絵を描き続ける中年男の半生を、ルポライターが取材を通して明らかにしていく。 男にとっての大きな出来事を、思春期や青年期など何段階かに分けて克明に語っていくのだが、あえて時系列に並べていないため、話は前後する。そして、何のための絵なのか、途中の違和感の理由などが、最後まで読むとすべて明らかになるという仕組みだ。 感動的な話であることは事実なのだが、最後に集約させようとした仕掛けと、ルポライターの位置が半端なせいで、各章が細切れになってしまい、全体を通して見るとちぐはぐした感じが否めない。そのため、いい話だけれど、で終わってしまった。 幼い子どもの闘病の章は、読むのが辛かった。

Posted byブクログ