壁の男 の商品レビュー
新聞で知り手に取った。 主人公の伊苅以外の人間の、 劣等感、排他的態度、狡猾さ、意固地さ、恥も外聞もない様が非常に色濃く迫って来て気持悪くなる。生身の人間感たるや。 あたしも劣等感だらけだから同族嫌悪だ。 そんなあたしでも身の丈をわきまえた伊苅に感情移入して読めた事が嬉しい...
新聞で知り手に取った。 主人公の伊苅以外の人間の、 劣等感、排他的態度、狡猾さ、意固地さ、恥も外聞もない様が非常に色濃く迫って来て気持悪くなる。生身の人間感たるや。 あたしも劣等感だらけだから同族嫌悪だ。 そんなあたしでも身の丈をわきまえた伊苅に感情移入して読めた事が嬉しい。 過去に行ったり、戻って来たりする進み方も無理がなくするすると読めた。 そしてラストで真実を知る。 「そうだっのか。」 とすすり泣いちゃった。 新聞とってて良かった。
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こんな形で一人の男の半生記を描けるんだ。巧み過ぎる。読み終わって、静かで強い悲しみと、その裏に数々の喜びを感じた。こんなに悲しくても人生に喝采を送りたい気持ちでいっぱい。
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生まれ育ったふるさとへ独りで帰り,稚拙ながら皆を惹きつける絵を書き続ける主人公。いつしか田舎町は彼の絵でいっぱいに…。なぜ彼は書き続けたのか? ラストで悲しい過去とその動機が明らかになる。静かで透明なストーリー,読後感。
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最初どういうお話かわからなかったけど読んでるうちに伊刈さんの人生に引き込まれる!途中から涙が止まらない。最後読み終わってもしばらく涙が止まりません。最後の章は辛すぎて読みたくなくなるくらいでしたが、でも読んでよかった本。
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あらすじ 田舎町で、町中の家の壁や塀に、落書きのような絵が描かれていると話題になる。書いたのは一人の中年男性で、他の家の住人は希望して描いてもらったらしい。ルポライターは、彼の過去に興味を持つがわからない。彼が絵を描き始めたきっかけは、画家だった母、別れた妻、友人夫妻、愛娘の関わりだった…。 最後まで純粋な気持ちで読めます。主人公が関わった人物とのエピソードが細かく描かれている。主人公がいい人過ぎるのでさらさらとストーリーは進むが、一つ一つのエピソードはドラマチック。
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町の家々の壁に、絵を描く男・伊苅。決して巧い絵ではなくむしろ稚拙なのに、その絵が人々の心を慰め愛されるのは何故なのか。伊苅の人生を探っていく物語で、広く言えばミステリともいえないことはないかな。 なかなかにつらいことが多い伊苅の人生。でも誰にでも不幸は多かれ少なかれあるものだし、...
町の家々の壁に、絵を描く男・伊苅。決して巧い絵ではなくむしろ稚拙なのに、その絵が人々の心を慰め愛されるのは何故なのか。伊苅の人生を探っていく物語で、広く言えばミステリともいえないことはないかな。 なかなかにつらいことが多い伊苅の人生。でも誰にでも不幸は多かれ少なかれあるものだし、と思えども、やはりこれは読んでいてつらいものです(闘病に関する部分は特に)。そんな中で彼の心の支えとなり、絵の原点になったものは……まさかそういうことだったの!? とてもしんみりと、そしてじんわりと来る読後感でした。
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地方都市で自宅の塀に絵を書き話題となる 男の母が美術の教師、入賞ありだが、自分に絵の才能なし ガンで死んだ娘の思い出で書き始めた 娘は会社同僚の遺児。 結婚した妻は学生時代の浮気女。浮気再発して離婚 東京の大学に行き町を出た。娘が死に町に戻って塾をはじめた。母が死んだのでアトリエで塾 塾の壁に絵を書いてみたのがきっかけ 隣人から絵を依頼された 死んだ孫の思い出
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面白くて一気に読み終えたのだけど、やりきれないストーリーに、ちょっと食傷気味。もう少し明るさが欲しい。
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最初はどういう話かよく分からなかったけど、読み進めるとどんどんのめりこんでいく。驚きは少ないけど、面白かったと思う。 それにしても本当に梨絵子が嫌い。
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孤独な男の半生を描いたストーリー。 読み進めるごとに伊苅の過去が明かされて行きます。 帯には「ラストには言いようのない衝撃と感動が待ち受けるー」とありますが、、最後まで読み終えて、薄いかなぁっと。。 初期の貫井作品は衝撃的な作品が多くて好きだったんだけど、最近のはあまり衝撃を受け...
孤独な男の半生を描いたストーリー。 読み進めるごとに伊苅の過去が明かされて行きます。 帯には「ラストには言いようのない衝撃と感動が待ち受けるー」とありますが、、最後まで読み終えて、薄いかなぁっと。。 初期の貫井作品は衝撃的な作品が多くて好きだったんだけど、最近のはあまり衝撃を受けない。。 貫井サン、もっと衝撃をくれぃ。
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