サピエンス全史(上) の商品レビュー
認知革命、農業革命、統一へ向かう世界、最強の征服者である貨幣、グローバル化を進める帝国、これは、本書の各章のタイトルだが、ホモサピエンスが進化の過程で手に入れたものであり、何故、他の種を圧倒して、この地球の最強の生物になり得たのか解き明かしています。特に集合的想像の生み出した虚構...
認知革命、農業革命、統一へ向かう世界、最強の征服者である貨幣、グローバル化を進める帝国、これは、本書の各章のタイトルだが、ホモサピエンスが進化の過程で手に入れたものであり、何故、他の種を圧倒して、この地球の最強の生物になり得たのか解き明かしています。特に集合的想像の生み出した虚構が人類の協力を可能にし、大きな発展をもたらしたとの指摘は、目から鱗でした。下巻も新たな知見になると思うも読了に時間が掛かりました。
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久しぶりに、ワクワクしながら読んだ。 この本を原典にした書が出回っているため、聞いた事あるなと思う箇所もあったが、それでも新たに学ぶ事が多い。自らのルーツを探りながら、ホモサピエンスとして自覚を強めるなんていう体験は、この読書でなければ、中々味わえない。 とりわけ印象的だった...
久しぶりに、ワクワクしながら読んだ。 この本を原典にした書が出回っているため、聞いた事あるなと思う箇所もあったが、それでも新たに学ぶ事が多い。自らのルーツを探りながら、ホモサピエンスとして自覚を強めるなんていう体験は、この読書でなければ、中々味わえない。 とりわけ印象的だったのが認知革命について。サピエンスとネアンデルタール人他霊長類を決定的に区分したのは、この認知の共有化。サピエンスは、普遍的原理、想像上の秩序を共有する事で、大人数での狩りや争いに有利となった。この想像上の秩序、共通主観が、所謂、神話、貨幣、領土、法律、宗教。会社組織などもそうだ。実在しないが、集団で主観を共有する事で成立するもの。農業革命、産業革命よりも前に起こった奇跡。死肉にもありつけず、脆弱な石器で骨髄を啜る弱小なサピエンスが、集団で獲物を追い込む事を覚えた。 狩猟社会においても神話的建造物が作られていた。これは、農耕社会より先の出来事。農業は、本来特定の作物だけでは栄養の偏りもあり、不合理。しかし、この神話的建造物ゆえ、居住をある程度固定した所から、農業が始まったという。 認知は時代により変わるから、女や子供をただの所有物とした文化や時代もあれば、家畜や奴隷への態度も惨い。しかし、今の我々も、この認知に逆らえないから、教育を重んじ、ルールを作りながら秩序を保っているし、頭の良い人が、ある程度社会を統制できるようなヒエラルキーを自然と成立させている。確かに、思い当たる。論理や理屈を飛躍させながら、あるいは共感なくして他者を動かすのは至難。サピエンス、つまり自らの原点に触れた気がした。
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人類がどのように進化し現代にいたるのか?また現代の人の脳はどのような仕組みで現代に生きるのか?が書かれた名著。人類が地球上でここまで優勢を誇った理由が書かれており勉強になった。
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人は小麦のせいで狂った。定住化が始まり、病気が蔓延するようになった。森の中でナッツをかじって移動する生活を続けて入ればこんなことにはならなかった。森の生活に今こそ帰るべき。と、極端なことを思ってしまった作品。
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途中まで読んで3年くらい電子積読していたのをようやく読み終えた。最初の方はほんと面白くてサクサク読めたけど、中盤くらいからはやや単調に感じた。それでも読んでみればそこそこ楽しめましたが。 以下、面白いと思った箇所を私なりに噛み砕いて記載します。 ホモ・サピエンスが現在に至るま...
途中まで読んで3年くらい電子積読していたのをようやく読み終えた。最初の方はほんと面白くてサクサク読めたけど、中盤くらいからはやや単調に感じた。それでも読んでみればそこそこ楽しめましたが。 以下、面白いと思った箇所を私なりに噛み砕いて記載します。 ホモ・サピエンスが現在に至るまで繁栄してこれて理由は、抽象的思考ができるからである。「言葉を使う」ことをもって繁栄をもたらせた説は良く聞くが、それだけでは不十分。言葉に準ずるようなやり取りは動物であってもしている。その言葉をもって抽象的思考をすることで、他の動物では成し得ない繁栄を続けてきた。 例えば、本著によると猿の群れというのは最大で100頭を率いるのが限界らしい。いかに優れたリーダーであっても、その行動や力といった具体性をもって統率できるのは100頭が限界。それ以上を率いようと思ったら、抽象的概念が必要となってくる。 例えば、本著では自動車メーカーのプジョーが例として使われているが、会社というのは一見具体的な存在のように思えるが、実際には抽象的なものでありプジョーなる具体的なものは存在しない。皆が、プジョーという抽象的概念を信じるから企業というものは成り立ち、そこへの帰属意識も生まれる。 仮にプジョーというブランドに圧倒的な価値を感じている人にとっては、その概念がありそこに属しているだけで愛社精神なども湧くだろうが、実際にはそんな人ばかりではないので、そうした人を繋ぎ止めるために、企業理念があったり事業方針がある。あるいは消費者に対してはCMを打ったりして良いイメージを作り上げたりする。 つまりは、多くの人を率いるためには「物語」が必要となる。そういえば、これも散々寝かせた挙句最近ようやく見終わった『ゲーム・オブ・スローン』 でティリオンが同じようなことを言っていた(見てない人にはさっぱりわからない)。 物語はその時々で、宗教、信念、目標…と様々な形態をとる。 これは会社経営と言うものを考える上で非常に示唆に富んだ視点だと感じた(私は経営者ではないが、一応それに近いところで仕事をしている)。 経営者は、具体的な能力や力や行動を以ってのみで支配をしようと思ってはいけない。具体をもって支配できるのは100人が限界なのは猿の群れと同様だ。その規模の会社であれば所謂「ワンマン社長」で成り立つかもしれないが、それ以上の社員を率いるには、「良い物語」が必要となる。 個別には100人以内に収まる部門、部署が存在し、それらを率いるリーダーはある意味具体的な支配力でやっていけるかもしれないが、彼らを更に統率するためには、強固な物語が必要となる。 「企業理念なんか誰も気にしてないでしょ?」みたいなのは大きな間違いで、会社という抽象的な存在を支えるには必ず理念が要る。ただし余程のブランドホルダーでもない限りは、そこで働く人を繋ぎ止めるのに、企業名と理念だけでは不十分。理念に属した中長期の事業計画があり、それをきちんと「物語」として機能させる必要がある。 こうしたことを軽視して、ただ強いリーダーが組織を強くする、あるいは強い現場が組織を強くする、と思い込むのは、ホモ・サピエンスの繁栄の歴史を軽視する愚行とも言える。繰り返しになるが、100人を率いたいならそれで良いが、その何倍の人を率いるには良質な物語を作り、語ることが必要なのだ。 偉い真面目に語ってしまった。下巻を読むのにまた3年かかりそう。
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著者は歴史学者。サピエンスの歴史、進化、どうやって地球上で今日の最強の地位を築いたのか、興味深い視点、観点が多い。 認知革命によって、どうやって人類が地球という生態系の中でこれほどまでに繁栄できるようになったのか、農業革命によって人類は何を得たのか、貨幣とは何なのか、丁寧に説明...
著者は歴史学者。サピエンスの歴史、進化、どうやって地球上で今日の最強の地位を築いたのか、興味深い視点、観点が多い。 認知革命によって、どうやって人類が地球という生態系の中でこれほどまでに繁栄できるようになったのか、農業革命によって人類は何を得たのか、貨幣とは何なのか、丁寧に説明されていて面白い。
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重厚感があるが読み始めると止まらない。 ・むしろそれは、全く存在しないものについての情報を伝達する力だ ・その秘密はおそらく、虚構の登場にある。厖大な数の見知らぬ人どうしも、共通の神話を信じることによって、首尾よく協力できるのだ ・歴史を動かす重大な要因の多くは、共同主観的なもの...
重厚感があるが読み始めると止まらない。 ・むしろそれは、全く存在しないものについての情報を伝達する力だ ・その秘密はおそらく、虚構の登場にある。厖大な数の見知らぬ人どうしも、共通の神話を信じることによって、首尾よく協力できるのだ ・歴史を動かす重大な要因の多くは、共同主観的なものだ ・自由連想と網羅的思考法は、分類と官僚制に道を譲ったのだ(書紀体系の発明) ・ホモ・サピエンスの異なる集団どうしの生物学的区別は、無視できるほどしかない ・インド社会の複雑さやアメリカ大陸の人種的ダイナミクスは生物学では説明できない。 ・想像力が生み出した虚構を、残忍で非常に現実味のある社会構造に変換した出来事や事情、力関係を学ぶしかない →歴史を学ぶ重要な理由の1つ (想像上のヒエラルキーと差別)
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農業革命が人々を貧しくさせた、のが目から鱗だった。来たるスタグフレーションの時代。みんなが貧しくなる時代。考えさせられる。
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YouTube大学で本書の紹介がされていたので、いつか読んでみたいと思っていた。 チャレンジ出来て良かった。 人間とは何か、どういう構造に基づいて今があるのか、歴史や、宗教、社会学など、 多角的に書かれている。下巻もチャレンジしたい。
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世界史を学んだ人にとっては簡素に映るかもしれないが、読み進めるほどに頭の中の年表が輪郭をハッキリさせてくる感覚が快適。
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