サピエンス全史(上) の商品レビュー
有名な本なのですでに読まれた方も多いかと思います。私も以前から読んでみたかったのですが、なかなか時間が無く、結局年末年始の休みを利用して、という形になってしまいました。 生物学的・文化人類学的な視点から、有史以前のヒトの歴史について紐解かれています。 ・7万年前、ホモ・サピエ...
有名な本なのですでに読まれた方も多いかと思います。私も以前から読んでみたかったのですが、なかなか時間が無く、結局年末年始の休みを利用して、という形になってしまいました。 生物学的・文化人類学的な視点から、有史以前のヒトの歴史について紐解かれています。 ・7万年前、ホモ・サピエンスは架空の事物を捉え語ることのできる能力を得ることができ、新しい認知を獲得できた(=認知革命)。それとともに、共通の目的を他者と共有することができるようになり、飛躍的に発展した。 ・1万2000年前、自然を支配することができるようになった(=農業革命)。その結果、劣悪な環境であったとしても以前よりも多くの人を生かすことができるようになったが、生活の幸福という意味で向上したとは言い難い。 ・貨幣といった経済秩序や帝国化によった政治秩序により、人類はよりグローバリゼーション化が進んだ。 記述自体は少し難しめに書かれていますが、全体としてストーリーとしても面白く、筋が通った納得感が得られるものでした。まるで良質なドキュメンタリー番組を見ているような錯覚に陥ります。 下巻もさっそく読んでみたいと思います。
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認知的不協和という思考の矛盾がサピエンスの文明を築き存続させたらしい。 自由と平和の矛盾かつ両立不可能な課題は議論できるが故に結果はどうあれ存在し続ける。 目前のマストな課題はサピエンスが示教してくれるようだが、それに終点が訪れることはないだろう。
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ずっと読みたくてようやく上巻を読み終えました。 自分の関心が強いところは深く読めたかなと思いますが、そうでない部分はちょっと苦戦しましたね。自分の知識や読解力、集中力がよくわかりました。 ジェンダー、歴史の意義、神話の力、このあたりは興味深く読めました。
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前半は生物学に基づく進化について、 後半は狩猟採集民として比較的動物的だったサピエンスが、農業革命以降人間的に進化していく過程を分かりやすく述べている。 これは上巻だが、下巻は何が書いてあるんだろう。 上巻だけでもしっかり楽しめてしまった。 最近、アバターを見てきたので狩猟採集...
前半は生物学に基づく進化について、 後半は狩猟採集民として比較的動物的だったサピエンスが、農業革命以降人間的に進化していく過程を分かりやすく述べている。 これは上巻だが、下巻は何が書いてあるんだろう。 上巻だけでもしっかり楽しめてしまった。 最近、アバターを見てきたので狩猟採集民というものが非常にイメージしやすかった。 アバターの世界では社会はあるものの、農業地的な場所はないので、農業革命前をイメージしてデザインされているんだろうな。 異世界への進出と共に動物を絶滅させていったサピエンス。 漠然と「人が来ると何故野生生物は逃げるのか」と思っていたけど、人類は危険だとDNAに刻み込まれているんだろうね。 ネアンデルタール人なども恐らく絶滅させたんだろうな〜と私は思うけど、もし農業革命頃まで生きていたら世界はどうなっていたんだろう。 ネアンデルタール人の知能指数は分からないけど、奴隷化されていそう。 まるでハリーポッターの屋敷しもべ妖精のような感じで… 後半の貨幣や文化への言及も面白かったが、内容は中野信子さんの「女に生まれてモヤってる」(だっかな…?)と似た論だったかな。 「私たち」と「彼ら」という認知から始まる差別や搾取、迫害… 今後は、物理的近さが「私たち」にならない世界になっていく気がしている。
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現在のポリコレが生まれる土壌が非常によくわかる。また時代と共に移り変わる価値観とそれを支える社会の有り様について歴史的観点から述べている。
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この本は、私に幅広い視点を与えてくれた! 今直面している問題や、将来の不安、人間関係のもつれなどがちっぽけに見えてくる。 なぜかというと、自分と関係のある人は、一種の動物であり、一人のホモサピエンスであると認識できたからだ! これが歴史を学ぶ一つの大切な理由なのかもしれない...
この本は、私に幅広い視点を与えてくれた! 今直面している問題や、将来の不安、人間関係のもつれなどがちっぽけに見えてくる。 なぜかというと、自分と関係のある人は、一種の動物であり、一人のホモサピエンスであると認識できたからだ! これが歴史を学ぶ一つの大切な理由なのかもしれない。 この本のジャンルは人類史であると思うが、次の下巻はもちろん、これを機に学生時代とても苦手だった日本史も学ぼうと思うようになった! 学びが学びを産む瞬間を味わえてとてもワクワクしながらこの本を読んだ。 歴史を学ぶって面白い!
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認知革命と農業革命の話がとても興味深かった。個人的な人間関係を築くのは150人が限界。宗教や大企業など、たくさんの人間をまとめる為には、それ相応の「虚構」が必要になる。それは「神話」かもしれないし、「企業理念」かもしれない。多くの人の心を擽る物語が、人をまとめる力になる。また、小...
認知革命と農業革命の話がとても興味深かった。個人的な人間関係を築くのは150人が限界。宗教や大企業など、たくさんの人間をまとめる為には、それ相応の「虚構」が必要になる。それは「神話」かもしれないし、「企業理念」かもしれない。多くの人の心を擽る物語が、人をまとめる力になる。また、小麦が人々を家畜化したというのも面白い。小麦を育てるために人々は定住化し、所有物が増え、自分の持つ時間が増え、何十年も先の未来を思い描くようになった。狩猟採集時代とは全然違う生活に切り替わる過程がとても面白く、農業革命は史上最大の詐欺であると語られているのもとても納得させられた。
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人類がいかに多様だったか、認知革命などどういう意味で他の生物と異なるか、どういう歴史を繰り返してきたのか。人類史に関して当たり前に思っていたことが正しくないかもしれないということを教えてくれる。
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本はだいぶ前に買ってもなかなか読もうという気にならず、メディアで概要は聞いている。しかし読み始めたら一気だった。素直に面白かった。
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人文知まとめ 仏教解釈に納得感 ● ゴータマは、渇愛することなく現実をあるがままに受け容れられるように心を鍛錬する、一連の瞑想術を開発した。この修行で心を鍛え、「私は何を経験していたいか?」ではなく、「私は今何を経験しているか?」にもっぱら注意を向けさせる。このような心の...
人文知まとめ 仏教解釈に納得感 ● ゴータマは、渇愛することなく現実をあるがままに受け容れられるように心を鍛錬する、一連の瞑想術を開発した。この修行で心を鍛え、「私は何を経験していたいか?」ではなく、「私は今何を経験しているか?」にもっぱら注意を向けさせる。このような心の状態を達成するのは難しいが、不可能ではない。 苦しみは渇愛から生まれるので、苦しみから完全に解放される唯一の道は、渇愛から完全に解放されることで、渇愛から解放される唯一の道は、心を鍛えて現実をあるがままに経験することである、というのがその法則だ。 もし、ある人の心があらゆる渇愛と無縁であれば、どんな神もその人を苦悩に陥れることはできない。逆に、ある人の心にいったん渇愛が生じたら、宇宙の神々が全員揃っても、その人を苦しみから救うことはできない。
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