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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    204

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/04/01

著者の本はやはり面白い。 これまでの価値観が揺らぐ部分が数多く出て来る。新たな視点が得られる素晴らしい著作であり、かつ平易な文章で飽きさせない。 あらゆる価値観が虚構であり、幸福の尺度は主観的なものである、そうすると何を目標にどうすればいいのかが益々分からなくなってくる。 とにか...

著者の本はやはり面白い。 これまでの価値観が揺らぐ部分が数多く出て来る。新たな視点が得られる素晴らしい著作であり、かつ平易な文章で飽きさせない。 あらゆる価値観が虚構であり、幸福の尺度は主観的なものである、そうすると何を目標にどうすればいいのかが益々分からなくなってくる。 とにかく刺激的だ。

Posted byブクログ

2021/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勤め先の先輩が「人文書なんて読んでたら(読むけど)仕事する気がなくなる」と言っていた。本当にそうです、と真っ先に思い浮かぶのがこの本だ。 我々の生活様式は人類が共通して持つ想像で成り立っていて(貨幣が特に分かりやすい)、日頃拘っている些細なことよりもっと重大な変化が科学の進歩によって私たちの身に起こっているのに、それらをおかしいと思って眠りにつくはずなのに、目覚めたら資本主義という思想の下で働く労働者に早変わり。 この世で信じているものがたいてい虚構なのだと分かってしまったら、人はどういう身の振り方をしていくのだろうか?していくべきなのだろうか?と、上巻を読み終えたときに抱いた疑問の答えを下巻に期待し、概ねその通りの展開だった。ただ、著者の言う通り結論を出すには時期尚早で、個々が問い続けていくしかない問題である。 科学はイデオロギー(と政治と経済)の上に立つことはない。莫大な投資が必要だから。資金を得るにはイデオロギーに即さなければいけない。 個人的には大学の学部選択を迷っている高校生に読んで欲しいと思った。自身が人文社会系出身なのでその観点しか持っていないが、科学と帝国に関する考察は理系分野に進む若者にも触れてほしいものだ。 まだ産んでいないが自分の子どもが15〜20歳頃になる頃、つまり15〜20年後、この本をどんな感覚で読むのだろう。世界は猛スピードで変化している。サピエンスはもう新たな生物への変身に足を踏み入れていて、その変身に気を揉んでいる暇も与えられないのだろうか。恐ろしいね、と我が子と一緒に頭を抱えられるだろうか。そんな時代に新たな生命を誕生させるのは気が引けないか。こんな心配もよそに、科学は先へ先へと歩みを進めるのだろう。"唯一私たちに試みられるのは、科学が進もうとしている方向に影響を与えることだけだ"

Posted byブクログ

2021/03/23

購入した本。 ようやく下巻を読了。 七万年前にアフリカ大陸でひっそりと暮らしていたホモ・サピエンスは今では多くの進歩を成し遂げた。そうした七万年の歩みを振り返り、そこから未来について考えることができた。 最も大事なメッセージは、「歴史は学ぶことは、未来を知るためではなく、視野...

購入した本。 ようやく下巻を読了。 七万年前にアフリカ大陸でひっそりと暮らしていたホモ・サピエンスは今では多くの進歩を成し遂げた。そうした七万年の歩みを振り返り、そこから未来について考えることができた。 最も大事なメッセージは、「歴史は学ぶことは、未来を知るためではなく、視野を広げ想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためである。」 だから、自分も先入観や固定観念に囚われることなく常に新しい視点を持ち続けたい。 また歴史を通して、科学革命の流れを止めることはできない状況になっている。これからは人類は神の領域にまで足を踏み入れることになる。それでも私たちは科学が進もうとしている方向に影響を与えることができる。だからこれからは、もう少し「私たちは何を望んでいるのか」を考えなければならない。 ここからは、印象深かったことを書き残したい。 「資本主義や共産主義も大枠で見れば宗教の一つ。」 「不死を探究するギルガメッシュプロジェクトでは、2050年までに非死を完成させる予測を立てている。(非死とは致命的な外傷がない限り生き続けられること)」 19世紀末、ヨーロッパとアジアには大きな発展の差があった。イギリスでは産業革命が起こり、蒸気機関車が国中を走っていた。一方で中国などのアジア地域では遅れをとっていた。しかし例外的に日本は違った。明治時代に日本人が並外れた努力をし、西洋の知識や装置を採用するにとどまらず、社会や政治などを日本流に作り直した。←イスラエル人である著者にこのように褒められたことに日本人として誇りに思う。 かつては富の総量は限られていると信じられていた。その結果、大金を稼ぐことは罪悪と見做されたし、富裕層は富の再分配を迫られた。現代の資本主義経済下では、富は果てしなく増大していくが、過去、このような考えが蔓延していたので、どの国、宗教においてもお金を持つことは悪とみなされた。 しかし、アダムスミスの国富論によってこの考えは大きく変わった。国富論の中で、スミスは「強欲は善で、個人がより裕福になることは他の人も豊かにすることになる。利己主義は利他主義に繋がる。」と唱えた。 稼ぐ→雇用創出のループがこの説の基盤となっている。 アフガニスタンやジンバブエなどの国に平和をもたらすためには、「安定した民主主義、経済的な豊かさ、中産階級の繁栄」が必要。 1945年以降、世界は格段に平和に近づいてきた。その理由は戦争の代償があまりに大きくなったから。核兵器により大国間の争いは集団自殺になってしまう。いわゆる核の抑止力でこれにより、武力による世界征服は不可能になっている。 また戦争によって得られる利益も少なくなってきた。過去、日本は資源の確保の為に戦争を起こした。しかし、いま仮に戦争を起こしても得るものは少ない。逆に平和からの方が得るものが多い。自由に貿易できるし海外へ投資もできる。 最後にマクロ的に人類史を学びたい人にはおすすめ。新しい視点で物事を考えるきっかけとなった。

Posted byブクログ

2021/03/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

サピエンス全史下巻では、「科学革命」「コレからの人類」について深く書かれている。 -科学革命-  科学革命は人間が「無知」を認め探求を続けたことによって起こった。それまでは森羅万象を全て偉大な神によって証明されていた。だが、人類は自分達が無知である事を認め、神に頼らず「なぜだろう?」と探求し続けたのだ。  そして「科学」と「帝国」と「資本」のループは過去500年の最大のエンジンになった。  このループエンジンは例えばこんな具合だ。科学の研究の1番ネックなのは資本だ。それに科学は戦争には絶対必要だった。戦争で勝つ為に、科学を向上させる。その為に科学へ投資する。科学が向上し経済が成長する。経済の成長が将来の信頼につながる。信用が盛んに発生する。科学に投資が回る。  とはいえ、原材料とエネルギーには限界がある。コレらがなくなればエンジン全体が崩壊する。それを打破したのが「産業革命」だ。産業革命とは、一つのエネルギーを他のエネルギーに変換したり、後に使うようにと貯めたりする事が実現した革命だ。例えば、蒸気機関は燃料を燃やし、熱を使って湯を沸かし、蒸気を生み出す。蒸気が膨張する時にピストンを押し、それに繋がった物も一緒に押されて動く。熱を運動に変換したのだ。 自然には沢山にエネルギー(太陽や風)がある。  科学革命と産業革命のお陰で、人類は理論上半永久的に存在可能になった。  現在では、自分たちで生まれてくる生物をデザインすることさえできる。蛍光性の持ったウサギを作ることも、牛の耳をネズミの背中に生やすことも可能になった。  生物工学、サイボーグ工学、非有機工学の視点からサピエンスとはまた別の人類が生まれるのも、不思議な話じゃないのだ。

Posted byブクログ

2021/03/14

期待値が高かったせいか、自分的にはそこまで感動はなかった。 人類が繁栄してくるにあたり、どういうファクターが大きく影響してきたのかについての考察がされていた。広範な範囲を対象にまとめられているのはすごいと思ったが、新たな発見があったわけではなく頭の整理に役立ったという印象。

Posted byブクログ

2021/03/12
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p.254 心が集合的なものになったら、自己や性別のアイデンティティなどの概念はどうなるのか? 人類補完計画みたいですね。

Posted byブクログ

2021/03/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

 訳者あとがきにもある「目から鱗が落ちる」体験が随所でできる名著であった。特に私が常識が覆されたような感覚を持ったのは以下の点においてである。 ・人間の文明は全て虚構の上に成り立っている。  ホモ=サピエンスが他の人類種を退けて生存した理由は「認知革命(=虚構を作り出す能力)」にあると論じる筆者は、今の諸文明も全てこの認知能力に基づいていると論を進める。一見すると確固たる不変的なものとして捉えられがちな政治体系や経済も全て人間の編み出した虚構であるそうだ。

Posted byブクログ

2021/03/07

筆者は虚構を受け入れる能力、無知を認める能力が今日の科学革命、資本主義の発展を促したとする論考を展開していきます。そして生物工学、サイボーグ工学、非有機的生命工学のいずれかによりサピエンスはサピエンスでなくなるという予言でしめくくっています。題名で想像するような各論めいた民族ごと...

筆者は虚構を受け入れる能力、無知を認める能力が今日の科学革命、資本主義の発展を促したとする論考を展開していきます。そして生物工学、サイボーグ工学、非有機的生命工学のいずれかによりサピエンスはサピエンスでなくなるという予言でしめくくっています。題名で想像するような各論めいた民族ごとの歴史は最小限で、人類全体の発展に至る前提条件などに多くの紙面を割いています。現代の資本主義、科学技術の背景を理解するにも多いに参考になると思います。

Posted byブクログ

2021/03/06

人類の歴史の流れを網羅的にカバーした本 とは言え、基本は欧米視点。 現在金融や経済の思考がベースになっているが、それがどの様に発生し発展したのかが背景から理解できた。 中世の人々は、未来が良くなると言う思考ベースが無かったと言う話は今の世界の感覚からは正反対だと感じた。 しか...

人類の歴史の流れを網羅的にカバーした本 とは言え、基本は欧米視点。 現在金融や経済の思考がベースになっているが、それがどの様に発生し発展したのかが背景から理解できた。 中世の人々は、未来が良くなると言う思考ベースが無かったと言う話は今の世界の感覚からは正反対だと感じた。 しかし当時の社会状況や医療技術からは当然なのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/02/28

2014年刊行だが、書かれている事が既に置き始めている。脳をコンピューターに繋ぐのも先日発表されたばかり。遠くない未来、今の若い世代が高齢になる頃には、高齢、と言う定義も曖昧になってる気がする。

Posted byブクログ