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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    204

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2021/02/20

人類史を総括する説明不要のメジャー本。 上下巻を読み通して感じたのは、あらためて、人類は凄いことを成し遂げてきた、ということ。 金融システム等、今となってはあって当たり前の世の中の仕組みも、本著を読んで「よく実現できたよなコレ…」とその難しさを認識できました。 それにしても、ヨ...

人類史を総括する説明不要のメジャー本。 上下巻を読み通して感じたのは、あらためて、人類は凄いことを成し遂げてきた、ということ。 金融システム等、今となってはあって当たり前の世の中の仕組みも、本著を読んで「よく実現できたよなコレ…」とその難しさを認識できました。 それにしても、ヨーロッパのルネサンスから産業革命に至る流れは、それこそ物凄い幸運に恵まれていないととてもこんな展開にはならない「トゥルールート」のようにも感じました。 「一人じゃできないこと」を実現させるやり方として、会社だったり金融だったりが生まれ、果てはヨーロッパの覇権を実現した。 今となっては衝突の原因となっている宗教も、確かに過去は世界統一の流れを助けるものだった、というのも言われてみて納得です。 しかし、前に進む新しいことをするためには、最初に少し余裕がないといけないんだなと。目先の生存や食事にキュウキュウとしている状況では、そんな勇気はとても生まれない。 ※自分の日常に照らしてみても、なんだか考えさせられます(笑 脇道ですが、最後に翻訳について触れると、最終章は「超ホモ・サピエンスの時代へ」という邦題。「超」は原語で何だったんだろう?と思って原題を調べてみたら「The End of Homo Sapiens」なるほど…。 訳者がこう訳した理由も何となく察しつつ、両方とも面白いなぁと感じました。 人類史を振り返った上で、今度は未来。ホモ・デウスも早く読んでいきたいところです。

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2021/02/19

「無知」を認めたことによる「科学」の追求と、「欲望」と「他人(種)の苦しみへの無知無感」をシステム化した「資本主義」という新たな宗教から「化け物」になったホモサピエンス。でも、ホモサピエンスは「幸せ」なのか?ホモサピエンスはこれから「どうしたいのか?」。この投げかけにはっとさせら...

「無知」を認めたことによる「科学」の追求と、「欲望」と「他人(種)の苦しみへの無知無感」をシステム化した「資本主義」という新たな宗教から「化け物」になったホモサピエンス。でも、ホモサピエンスは「幸せ」なのか?ホモサピエンスはこれから「どうしたいのか?」。この投げかけにはっとさせられました。

Posted byブクログ

2021/02/17

サピエンスの歴史の中で様々な革命を経て、全く想像もつかない程の文化や生活の変化は起こってきたが、サピエンスの生物としての構造そのものはほとんど変わってはいない。幸せ一つとっても、神経伝達物質の作用など機能以外の何者でもないのは確かであるとのこと。非常に安心させられた。

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2021/02/12

自らの無知を前提とする科学主義が、それまでと全く異なる大航海時代をもたらし、やがてそれは資本主義と結びついていく。かつての中国にいくら大きな船があったとしても、自らがすべてを知っていることを前提にするから、大航海時代にはならない。 幸福とは期待との相関で初めて意味を持つ。脳内の...

自らの無知を前提とする科学主義が、それまでと全く異なる大航海時代をもたらし、やがてそれは資本主義と結びついていく。かつての中国にいくら大きな船があったとしても、自らがすべてを知っていることを前提にするから、大航海時代にはならない。 幸福とは期待との相関で初めて意味を持つ。脳内の問題に閉じ込めれば、セロトニン増やせと言う話になる。期待そのものを修行によって極小化するのが仏教。

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2021/02/07
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科学は自らの無知を前提に発展。 それが大航海時代の原動力に。 科学がどの道を進むかは、イデオロギーと政治と経済の力に影響される。 科学によって、富の総量は変わらないという思い込みが覆され、科学と資本主義は深く結びつきながら発展した。 偉大な探検も、背景には投資家の援助があった。 利用できる資源は増え続けている。 幸福は、客観的条件と主観的な期待との相関関係によって決まる。

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2021/02/01
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この本のキーワードである「虚構」というものがどのようにサピエンスの歴史に関与してきたかということが具体的に知ることができました。  サピエンスは共同主観的現実を生み出し多くの人々と協力してきたことを知り、このような虚構による秩序が現在の社会を構築し発展してきたのだと思いました。  中でも衝撃を受けたのは宗教は帝国の正当性を担保するものに過ぎないということです。宗教によって想像上の秩序が強固になり多くの人を結びつけることが可能になったということが印象に残りました。 人類がどのように科学を進歩させていったのかそのプロセスや思想を知ることができた。  印象的だったところは資本主義について述べている箇所だ。現在私たちが生きる世界の多くの国が今日も資本主義を維持するのは、私たちが将来の成長を信じさらなる発展を期待しているからではないかと思った。  また幸福についても考えさせられた。幸福を掴むヒントは仏教の考え、すなわちブッタの教えの中にあるのかもしれないと思った。

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2021/01/31
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自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?(P265) 人類への警鐘、含蓄そして今後の示唆に富む素晴らしい良書でした。 出家したくなりました笑

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2021/01/31
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(上巻より) とにかく面白かったが、感想をいくつか。 文化が矛盾を内包している、とする説明で、 中世ヨーロッパの貴族がキリスト教と騎士道の両方を信じていたというのは、 失笑できるが、 現代ではそれが、「自由と平等」だと指摘されると笑えない。 グローバルな社会への道は必然的な結果と書かれているが、 このコロナ禍の世界を著者はどうみているのだろうか。 分断された状況は一時的なものだと考えているのだろうか。 日本の西欧化の成功(ある意味での)については、中国や他のアジア諸国と異なり、 西洋と機械や装置だけでなく、社会や政治機構やその思想を受け入れたからだと 書かれていた。 それはその通りなのだが、それだけではない気がする。 「資本主義」が新しい宗教であり、経済成長を信じているとすれば、 バブル崩壊後、デフレ・スパイラルが実在した日本は、 その信者ではないのだろうか。 ネアンデルタール人を絶滅に追いやったのか、 それともただ生存競争に勝っただけなのかは不明だが、 カインがネアンデルタール人でアベルが私たちなのだろうか。 気になったのは図26. 古代中国の文字が貝が貨幣を現しているという見本だったが、 それがどの漢字に当てはまるのかわからない文字があって、気になった。 一番笑えたのは、図6。 サピエンスが遺伝子や生物学的限界を超えた「認知革命」の例として、 繁殖や子育てをしないアルファオス(ボス猿)の例えとして、 ローマ教皇の写真を載せるのは反則だ。

Posted byブクログ

2021/01/25

「貨幣・国家・宗教」という人類の進歩を加速させた3大要素。これらは全て“虚構=フィクション”である。 認知革命によって、うそ(虚構)を信じる力を手に入れたホモ・サピエンス。虚構を信じる力でここまで進化したと言える。 現在生きている社会の全ては虚構でしかない。 相互信用が成り立って...

「貨幣・国家・宗教」という人類の進歩を加速させた3大要素。これらは全て“虚構=フィクション”である。 認知革命によって、うそ(虚構)を信じる力を手に入れたホモ・サピエンス。虚構を信じる力でここまで進化したと言える。 現在生きている社会の全ては虚構でしかない。 相互信用が成り立っているからこそ、現在の社会は成立している。 ある日突然、世界中の人が事実しか信じれなくなったとしたら。貨幣という相互信用の象徴も、国家というコミュニティも、宗教も。全てが価値を失う。その後の世界はどうなるのだろうか。 想像してみると、、、少しだけワクワクする。 何を信じて生きているのか? あなたが価値があると信じているものは、本当に価値があるのか? そのもの本来の価値とは? 私たちホモ・サピエンスは、認知革命・農業革命・科学革命という三大革命を経て、大幅な進歩を遂げた。しかし、それが他の種(人類種含む)や個々のサピエンスの幸せや苦しみにどのような影響を与えただろうか。 そして、「私たちが直面している真の疑問は、『私たちは何になりたいのか?』ではなく、『私たちは何を望みたいのか』かもしれない。」 歴史を知るのは、現在の私たちの状況は必然的なものではなく、想像しているよりもずっと多くの可能性があったことを理解するため。 読書をするのは、自分の先入観や固定概念、常識を覆され、視野が広がり、新しい目で物事を眺められるようになるため。 自分の頭で考えることをやめるな!

Posted byブクログ

2021/01/24

上下巻とも共感・納得できるバランス感覚(認識、並べ方)で大変面白かったです。あくまで今の自分という立ち位置ありきで、過去から学ぶという事は、状況も範囲も視点も異なるのだから安易には重ねられないという事実こそ含め、だし、前提の思い込みや知らず定義を一方に偏らせてしまう事がいかに多い...

上下巻とも共感・納得できるバランス感覚(認識、並べ方)で大変面白かったです。あくまで今の自分という立ち位置ありきで、過去から学ぶという事は、状況も範囲も視点も異なるのだから安易には重ねられないという事実こそ含め、だし、前提の思い込みや知らず定義を一方に偏らせてしまう事がいかに多いか…という、日々感じていた不安に寄り添ってくれる内容だったので。漠然と感じていたもの達を整然と整理して頂けて、有り難い。想像と(必要性に応じた)虚構のめまぐるしさは不可逆性でもあると思われ、それらを、ヒト・己の傲慢さを噛み締めながら、ただ今を生きる事への着地、に思い馳せ読了。ボリュームには苦戦しましたが、がっぷり向き合うのも良い体験でした。

Posted byブクログ