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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    204

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2021/01/24

2021年1月 もやもやしていたものが、当たり前ではない、正しくないかもしれない、ということに気づかされると、なんだか癒される。変な話だが癒しを求めてこの本を読んだ。 「消費して社会貢献!」みたいなことを言われるが、金持ちはお金を投資に、庶民はお金を消費に(お金の行き先は結局、...

2021年1月 もやもやしていたものが、当たり前ではない、正しくないかもしれない、ということに気づかされると、なんだか癒される。変な話だが癒しを求めてこの本を読んだ。 「消費して社会貢献!」みたいなことを言われるが、金持ちはお金を投資に、庶民はお金を消費に(お金の行き先は結局、金持ちのふところ)、という社会的分業に巻き込まれてしまっている恐ろしさ。

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2021/01/24

いゃ〜!わかり易く感動的で衝撃的で面白い素晴らしい本でした。 人間の歴史が始まってから現在、人間はこれからどこへ向かうのか? 考えさせられる。 印象に残った文章 ⒈ 歴史のダイナミクスは人類の境遇を向上させることに向けられてはいない。 ⒉ 金儲けを追求する実業家がいなかったら、コ...

いゃ〜!わかり易く感動的で衝撃的で面白い素晴らしい本でした。 人間の歴史が始まってから現在、人間はこれからどこへ向かうのか? 考えさせられる。 印象に残った文章 ⒈ 歴史のダイナミクスは人類の境遇を向上させることに向けられてはいない。 ⒉ 金儲けを追求する実業家がいなかったら、コロンブスはアメリカに到達しなかっただろうし、ジェイムズ・クックはオーストラリアにたどり着かなかっただろう。 ⒊ 生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない。 ⒋ ヨーロッパ帝国主義こそが資本主義の信用制度を創出したのだ。 ⒌ 間もなくこの人道支援団体は、成長と利益を真の目的とする営利事業になった。 ⒍ 純粋に科学的な視点から言えば、人生にはまったく何の意味もない。人類は、目的も持たずにやみくもに展開する進化の過程の所産だ。私たちの行動は、神による宇宙の究極の計画の一部などではなく、もし明朝、地球という惑星が吹き飛んだとしても、おそらく宇宙は何事もなかったように続いていくだろう。 ⒎ 自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?

Posted byブクログ

2021/01/24

幸福の指標は人それぞれ備えつけられた空調システムみたいなもの。 10段階あれば7出せる人もいるし、5までしか出ない人もいる。 5までしか出せない人は宝くじの当選で一時的に7まで上がったとしても、ほどなくして5に戻る →幸福度はコントロールできない 未来はもっと豊かになる(これ...

幸福の指標は人それぞれ備えつけられた空調システムみたいなもの。 10段階あれば7出せる人もいるし、5までしか出ない人もいる。 5までしか出せない人は宝くじの当選で一時的に7まで上がったとしても、ほどなくして5に戻る →幸福度はコントロールできない 未来はもっと豊かになる(これこそ一貫して主張されているサピエンスの虚構)ことを前提に投資がなされ、パイが広がり、利益を再投資に回すというフィードバックループが資本主義の根幹をなし、社会を豊かにした。 ただし、このループは富裕者が利益を再投資に回すとことを前提としている。 (アダムスミスの国富論)

Posted byブクログ

2021/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻は中盤の科学、国家、資本主義あたりのところが面白かった。上巻の感想に書いた通り、序盤はヨーロッパの歴史についての前提知識が無いと理解が結構難しい気がする。 科学、帝国、資本のポジティブフィードバックループにより人類の歴史が加速した。科学が発展したのは人類が無知を自覚し、知識の空白を埋めようと冒険や実験に挑戦したからだという。今では当たり前に思えるが、それ以前は宗教の始祖などがこの世の全てを既に知っており、教典に書かれていることが全てだと思われていた。 また、科学が発展することで世界は進展しているという考えが一般的になり、信用が生まれ、資金の調達が容易になった。それ以前は世界は進展しているという見方はなく、むしろ世界は衰退していると思われていた。 家畜の動物たちの話を読むと複雑な気持ちになった。牛、豚、ひよこ、鶏たち。ベジタリアンにはなれないけれど、せめて今後感謝をして食べたい。 終盤のサピエンスの未来についての話はゾッとした。医学の進歩は希望でもあるけど、パンドラの箱を開ける可能性もあるということだ。

Posted byブクログ

2021/01/10

<結論> 戦争もほとんどなくなり、個人が尊重される時代になったが我々は幸せなのか? ホモサピエンスを凌駕する生命体が現れる可能性に直面し、我々はこれからどう生きていけばいいのか? <概要> 宗教とは? →本来神の役割は人間と動物の仲立ち 500年前 【科学革命】 →我々は何も知...

<結論> 戦争もほとんどなくなり、個人が尊重される時代になったが我々は幸せなのか? ホモサピエンスを凌駕する生命体が現れる可能性に直面し、我々はこれからどう生きていけばいいのか? <概要> 宗教とは? →本来神の役割は人間と動物の仲立ち 500年前 【科学革命】 →我々は何も知らないという無知の自覚 500年以上前は、聖書が全て。神々のいた時代が最高潮であり、進歩することはないと考えていた 科学が進歩し、どんな問題も克服できると考え出した 空白の地図で、探究心が刺激された 近代に入り、将来に対する信用が出来たことから経済は大幅に成長した 第二次世界大戦以降、征服・併合を目的とした戦争はなくなった 核兵器の誕生により、戦争より平和の利益が増大。交易が盛んになり、独立国家ではなく他国に依存する国家が増えることにより戦争が衰退 ホモサピエンスに手を加えすぎて、私たちがもはやホモサピエンスではなくなるかもしれない 我々は今幸せなのか? 生物工学・サイボーグ工学・非有機的生命体のいずれかがホモサピエンスに大きな影響を及ぼす <感想> 科学が発達するにつれて、ホモサピエンスをまとめ上げた宗教の立ち位置が揺らいでいくと感じた。民主主義や資本主義のイデオロギーが正しいのかは今は分からない。ただ戦争が殆どなくなり、個人が尊重される時代になったことは人間が過去の過ちを認め、学んだ結果だと思う。少なくとも不憫な思いをして死にゆく人は明らかに減ったのだから。

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2021/01/10

仏陀の悟り 心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛はつねに不満を伴う 渇愛しない人は苦しみようがない 一神教の第一原理は「神は存在する。神は私に何を欲するのか?」 仏教の第一原理は「苦しみは存在する。それからどう逃れるか?」 資本と政治の固い結束が債権...

仏陀の悟り 心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛はつねに不満を伴う 渇愛しない人は苦しみようがない 一神教の第一原理は「神は存在する。神は私に何を欲するのか?」 仏教の第一原理は「苦しみは存在する。それからどう逃れるか?」 資本と政治の固い結束が債権市場に影響を及ぼす例、1821年 ギリシャ人がオスマン帝国に反乱を起こす、ロンドンの資本家たちはこの戦いが勝機になると読み、ギリシャ独立債を発行させる。ギリシャは独立を勝ち取った暁には利息をつけて償還すると約束する。 反乱軍の敗戦が濃厚になると、独立債保有者は財産を失う危機に瀕する。彼らの利益は国家の利益でもあり、イギリスは多国籍艦隊を組織し、1827年にナヴァリノの海戦でオスマン帝国の主力の小艦隊を撃滅。 数世紀にわたる支配から、ギリシャはついに自由になったが、新生国家にはとても償還できないほどの巨額の債務がついてきた。 ギリシャ経済はその後何十年も、イギリスの債権者に担保にとられていた。 ナヴァリノの海戦後、イギリスの資本家はリスクの高い海外の取引に以前より進んで投資した。もし海外の債務者が借金の返済を拒んだら、女王陛下の軍隊が彼らの資金を取り戻してくれることがわかったからだ。 今もエリート層と大衆の間には分業がある。中世のヨーロッパでは、貴族階級の人々は派手に散財して贅沢したのに対して、農民たちはわずかなお金も無駄にせず、質素に暮らした。今日、状況は逆転した。豊かな人々は最新の注意を払って資産や投資を管理しているのに対し、裕福ではない人々は本当は必要ない自動車やテレビを買って借金に陥る。 資本主義と消費主義の価値体系は表裏一体であり、二つの戒律が合わさったものだ。富める者の至高の戒律は「投資せよ!」であり、それ以外の人々の至高の戒律は「買え!」だ。 ニーチェの言葉 あなたに生きる理由があるのならば、どのような生き方にもたいてい耐えられる。有意義な人生は、困難のただ中にあってさえもきわめて満足いくものであるのに対して、無意味な人生とは、どれだけ快適な環境に囲まれていても厳しい試練に他ならない。 純粋に科学的な視点から言えば、人生にはまったく何の意味もない。人類は、目的も持たずにやみくもに展開する進化の過程の所産(しょさん)だ。 人々が自分の人生に認める意義は、いかなるものもたんなる妄想だ。妄想に取り憑かれているのだ。

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2021/01/02

人類史の決定版。めちゃくちゃ面白い。長いけど、1章30分くらいで読めるので、1日1章という感じで、章ごとに少しずつ読み進めていくとよいと思います。

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2020/12/25

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』や伊藤計劃『ハーモニー』は、人類が個々の意識を捨てて、それまでとは別物に成り果てる世界を描くSFだ。ハラリさんの予感はそれを思わせる。「科学が進もうとしている方向」に対して「私たちは何を望みたいのか?」を問うべきだとハラリさんは言う。幸福?...

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』や伊藤計劃『ハーモニー』は、人類が個々の意識を捨てて、それまでとは別物に成り果てる世界を描くSFだ。ハラリさんの予感はそれを思わせる。「科学が進もうとしている方向」に対して「私たちは何を望みたいのか?」を問うべきだとハラリさんは言う。幸福?どうもそうではないらしい。だってそんなもん、セロトニンが多めに分泌できるような薬でどうにでもなるし、人によって生得的に上限決まってるんだし、そもそも永続性がないし。「科学は人類の幸福に寄与する」あるいは「科学が人間を滅ぼす」と単純化して議論できたのは20世紀のお話。事態はもっと先に進んでる。例えば「非死」が庶民にも手の届くものになって、曽孫や玄孫と遊べる日が来たとしても、彼らと私に何ら心理的な共通点がなくて途方にくれることになるんだったら、私は「非死」も人間の進化もいらないなぁ。楽しくなさそうだもの。やっぱり、例えばクリスマスプレゼントにリカちゃんもらったらキャッキャしてほしいし、田植えの時には頼んでもないのに肩まで泥につかって顰蹙買ってみたりしてほしいし。そういうつまんない事柄の集積で私の楽しい人生は出来上がっているので、「それはもう過去のものになりました。来年からは別物として生きてください」って宣言されるのは、「死ね」って言われるのと大差なかろうな、と。結局のところ、相当悲惨な人生を送っているのでない限り、今日と大差ない明日が来ると思い込んでいられることを「幸福」と感じている人が大部分なんではないのかな、とこのコロナの状況を見ていても思うので、科学に何を望みたいか、と問われると心底、答えに詰まってしまう。だって、探求と改変こそが科学の正体なのだから。「無知の自覚」に駆動されて「地図の余白」を消すことこそが、科学における進歩なのだから。

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2020/12/22

・純粋に科学的な視点から言えば、人生にはまったく何の意味もない。人類は、目的も持たずにやみくもに展開する進化の過程の所産だ ・人々が自分の人生に認める意義は、いかなるものもたんなる妄想にすぎない ・私たちは新たな特異点に急速に近づいているのかもしれない。その時点では、私、あなた、...

・純粋に科学的な視点から言えば、人生にはまったく何の意味もない。人類は、目的も持たずにやみくもに展開する進化の過程の所産だ ・人々が自分の人生に認める意義は、いかなるものもたんなる妄想にすぎない ・私たちは新たな特異点に急速に近づいているのかもしれない。その時点では、私、あなた、男性、女性、愛、憎しみといった、私たちの世界に意義を与えているものいっさいが、意味を持たなくなる。何であれその時点以降に起こることは、私たちにとって無意味なのだ

Posted byブクログ

2020/12/20

科学革命を含め人間の進化が全て人間の信仰、想像力と密接に関わっていることがわかった。上下通して人類の繁栄の歴史を見てきて、最後の章の幸福と豊かさについての章が1番興味深かった。この本を読む前から社会が発展しすぎて逆に不幸になっているのではないかと感じていたので、それが言語化された...

科学革命を含め人間の進化が全て人間の信仰、想像力と密接に関わっていることがわかった。上下通して人類の繁栄の歴史を見てきて、最後の章の幸福と豊かさについての章が1番興味深かった。この本を読む前から社会が発展しすぎて逆に不幸になっているのではないかと感じていたので、それが言語化された感じでスッキリした。何をもって幸せな人生だと感じるんだろう、自分にとっての幸せは何だろうということを考えた。今帰省していて、とても感じるのは家に人がいるのが幸せだなあということだ。一人暮らしも快適だが、将来的には家庭を持ちたいなあと強く感じた。僕たち子供のために働いてくれる親に感謝するとともに、自分の成長以外にもそういった仕事のモチベーションもあるんだなあと考えた。仕事が自分の中では幸福度に大きく関係すると考えたが、ほかが充実していてこその仕事という位置づけの方が、人間として自然なのかもしれない。そう考えると、趣味がハッキリといえなかったり、暇な時間の使い方が下手なのは不幸なことなのかもしれない。また教育が好きだが、それをどう仕事にするかということも最近考えている。仕事にしない方がいいのかもしれないとさえ思っている。私は子供と関わるのが好きだ。では子供にどうなって欲しいのか、幸せになる力を育んで欲しいのかもしれない。別に勉強ができることだけがいいことではないと思っているし、幸せならそれでいい。私自身は勉強を通して新しいことを知るのが楽しいから勉強をしている。それもいろんな分野について広く浅く知る方が多分好きだ。でもその知識を子供に教えることに意味はあるのか?ある程度は知識を持っていて欲しい。なぜなら無知だと騙されるからだ。自分でしっかりと判断できる人になって欲しい。主体的に学ぶ子供を育てるためには自分が学びを楽しんでいる姿を発信するのがいいのかもしれない。

Posted byブクログ