みかづき の商品レビュー
とてもよかった。特に最後の方の直哉くんのエピソード。思わず涙しました。 自分が親になってからもう一度読みたい。
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やっと読めました。塾の萌芽の時代は自分か小学生のころと重なり、感慨深いものがありました。塾見学に行った時のことを思い出しました。教育の変遷とエキセントリックな家族のやりととがあいまって、どっちに軸足あるのか、とはおもいましたが、そうした軽さが読みやすさに繋がっているのかもしれませ...
やっと読めました。塾の萌芽の時代は自分か小学生のころと重なり、感慨深いものがありました。塾見学に行った時のことを思い出しました。教育の変遷とエキセントリックな家族のやりととがあいまって、どっちに軸足あるのか、とはおもいましたが、そうした軽さが読みやすさに繋がっているのかもしれません。とはいえ、現在までの教育の動きがつまびらかにされていて、若干関わってる身としては随分のめり込めました。
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今年の本屋大賞候補作品。教育をテーマにした様々な時代背景とともに、変化していく教育、学習指導法などに関する新たな課題、学校と塾の共存とそのあり方、塾経営などについて書かれている。時代の変化、文科省との対立、教育理念や方針など家族間の考えの相違、抱える問題なども乗り越え、教育に人生...
今年の本屋大賞候補作品。教育をテーマにした様々な時代背景とともに、変化していく教育、学習指導法などに関する新たな課題、学校と塾の共存とそのあり方、塾経営などについて書かれている。時代の変化、文科省との対立、教育理念や方針など家族間の考えの相違、抱える問題なども乗り越え、教育に人生を捧げた家族の姿、特に経済的に困窮している子供たちに学習の場を設け、自主的に勉強することや人生において大切なことを学んで欲しい使命感を持ち、様々な人たちの協力を得て奮闘する姿が良い。吾郎の「みかづき」への思いを語る場面が感慨深い。
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「教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。不条理に抗う力、たやすくコントロールされない力を授けるためにある。」 そのためには、どのように教育すべきか、そしてどのような人に教育をすべきかをテーマに物語が進んでいく。 一方で、教育に囚われた家族がそれぞれの教育観に突...
「教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。不条理に抗う力、たやすくコントロールされない力を授けるためにある。」 そのためには、どのように教育すべきか、そしてどのような人に教育をすべきかをテーマに物語が進んでいく。 一方で、教育に囚われた家族がそれぞれの教育観に突き動かされながら、満月たりえない途上の月として、みかづきであり続けることが、真の教育者であるということを伝えている。 小学校、中学校、高校を通じて聖職者とは言わないが、真剣に教育と向き合っていた先生に巡り合っただろうかと、自分のことを振り返ってみると、皆無ではないが、比較的若くて先生になりたての人が該当すると思う。 塾にはそれほど通わなかったので、残念ながらピンとは来ない。 熱血先生には、学校を舞台にしたテレビドラマの中で多く出会っていて、そこから感銘を多く受けていた世代かもしれない。
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素直に面白い。少し登場人物が濃いのが気になるが、教育の不完全さを三日月に例えて、どの時代でもそれを満たそうと尽力する人達に胸を打たれた。ニヤリとする終わり方も良いので、三日月であっても読後感は満月のよう。
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昭和36年、用務員の大島吾郎が放課後に勉強が解らない子達に勝手に勉強を教えていたのだが生徒達には好評、ある日勉強ができる赤坂蕗子もやって来て、蕗子の母親と会う事になり塾経営の話に。そして大島吾郎は蕗子の母親の千明と結婚し塾経営をしていくのだが…3世代に渡る塾経営や教育の話で、2代...
昭和36年、用務員の大島吾郎が放課後に勉強が解らない子達に勝手に勉強を教えていたのだが生徒達には好評、ある日勉強ができる赤坂蕗子もやって来て、蕗子の母親と会う事になり塾経営の話に。そして大島吾郎は蕗子の母親の千明と結婚し塾経営をしていくのだが…3世代に渡る塾経営や教育の話で、2代目あたりまでが面白かったかな。他塾に負けないよう塾経営を大きくしていく千明の野心家ぶりや吾郎の浮気など家庭内問題も絡みながらも、教育を真摯に考え生きていく千明達。3世代の話なので途中世間で流行った話題も出てくるし懐かしさも蘇る。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
家庭の事情で教員への道を断念し、習志野で小学校の用務員をしていた大島吾郎。勉強について行けない子供達を放課後の用務員室で教えていた。不思議な児童・赤坂蕗子。その母・千明のほぼ脅迫ともいえる要請で、まだその概念すらなかった時代、千明の悲願・・・教育という宇宙を照らすもう一つの光・「月」となるような勉強教室「塾」の経営に携わる事になる。 千明の仇敵・文部省との長きに渡る闘い。 教育改革という名の嵐に翻弄され続け、少子化へと向かう逆風の中での同業者との苛烈な競争。 吾郎生来の女難の質、離れていく夫婦の距離、そして、裏切りの連鎖。 教育とは、 経営者とは、 夫婦とは、 親子とは、 子育てとは、 国家とは・・・ 人は、理想の姿を渇望しながら、いつの時代もその時代を悲観し、憂い、嘆き、改革を叫ぶ。 それで良いんじやないの? と問いかけてくる。 常に何か欠けている・・・ 満ちようと足掻きながらも永遠に満月たり得ない途上の月と自らを重ねあわせ、果てしない闘争の末に、それを受けいる事で満たされた心。 赤坂千明、長女・蕗子とその息子・一郎、娘・杏 千明の母・頼子 吾郎との長女・蘭、 次女・菜々美と娘さくら 最初の共同経営者・勝見 吾郎の腹心で、後に蕗子の夫となる上田 千葉進塾のボランチ国分寺 蘭の夫・修平 一郎の彼女・阿里
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小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げた。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に塾の成長が親子三代に渡って描かれていた。詰め込み主義からゆとり教育、相対評価から絶対評価ところころ...
小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げた。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に塾の成長が親子三代に渡って描かれていた。詰め込み主義からゆとり教育、相対評価から絶対評価ところころ変わる文部省の指導要綱。最近の教育を受けられない貧困家庭の話まで教育の変化、時代の流れを塾にかかわる家族の歴史とともに書かれている壮大な話でした。三日月という題名も秀逸。
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教育がテーマ。吾郎さんたちが塾を立ち上げるところから、平成まで。長い長い時代を、大島夫妻、その子どもたち、孫たちまでうねりながら進んでいく姿が描かれていた。
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これはすごい。自分の頭で考えられる人間を育てる。それができなかったための今という現実。塾という視点で戦後教育を俯瞰し、それがはらむ矛盾と理想を描いている。一郎たちの活動は今必要とされているもの。実際はこんなにうまくはいかないだろうが、理想を持ち、あきらめずに前進することは必要だ。
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