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アウシュヴィッツの図書係 の商品レビュー

4.4

147件のお客様レビュー

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2017/08/09

自分がもうすぐ死ぬかもしれないっていう時に 私は読書できるか自信がない。 でも 最後の最後まで読書できる人でいたい。 精神を穏やかに保つためには、 やはり読書しかないのかもしれない。

Posted byブクログ

2017/07/24

ナチス強制収容所体験をつづったもので私のベストは「夜と霧」でした。 この本は実話に基づく物語。 本は絶望的な環境の中に置かれている人に希望を見出すものであった。 本は生きる力を与えてくれる。こともある。

Posted byブクログ

2017/07/01

図書係の少女だけでなく、いろいろな立場の人の視点からアウシュヴィッツについて書かれている。ナチス親衛隊の男が、囚人の少女に恋をし、少女とその母親を助けるために命をかける場面では、ナチスの兵隊もただのひとりの人間なのだと思い知らされる。一番印象的だったのは、四千人弱が殺された日、ト...

図書係の少女だけでなく、いろいろな立場の人の視点からアウシュヴィッツについて書かれている。ナチス親衛隊の男が、囚人の少女に恋をし、少女とその母親を助けるために命をかける場面では、ナチスの兵隊もただのひとりの人間なのだと思い知らされる。一番印象的だったのは、四千人弱が殺された日、トラックでガス室へ運ばれて行く人々が、歌っていたこと。これから死ぬのだとわかっている収容者たちが、歌っている…。「右」に分けられるか「左」に分けられるかで生死が決まるような日々に胸が痛くなる。

Posted byブクログ

2017/06/27

フィクション仕立てだから、主人公が生き延びるのはわかっていても、 アウシュビッツがあったことは揺るぎない事実で、 そんな中本当に本を隠し続けた子がいたなんて なんだか圧倒される。 いろいろと言葉をなくした。

Posted byブクログ

2017/06/18

ユダヤ人の少女の本を守っての健気で勇気ある振る舞いに,悲惨な現実の中の小さくても強い光を感じた.そして,アウシュヴィッツで行われている非人間的な世界の中にももちろん人間らしい営みがあり,友情や親子の愛情や恋愛,あるいは民族愛など,素晴らしい人たちがいたことに感動した.戦争は本当に...

ユダヤ人の少女の本を守っての健気で勇気ある振る舞いに,悲惨な現実の中の小さくても強い光を感じた.そして,アウシュヴィッツで行われている非人間的な世界の中にももちろん人間らしい営みがあり,友情や親子の愛情や恋愛,あるいは民族愛など,素晴らしい人たちがいたことに感動した.戦争は本当に恐ろしい.

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2017/06/16

時には読んでいて胸が痛く息が苦しいほど。絶望の日々。でも、本を読むこと、本の世界に空想を広げることが子どもたちの日々にほんの少しでも喜びを感じさせ、ディタに勇敢であきらめない心を維持させ、ヒルシュの言葉や行動の意味を考えさせ続ける力となったのは確か。命の保証がない状態で本に意味が...

時には読んでいて胸が痛く息が苦しいほど。絶望の日々。でも、本を読むこと、本の世界に空想を広げることが子どもたちの日々にほんの少しでも喜びを感じさせ、ディタに勇敢であきらめない心を維持させ、ヒルシュの言葉や行動の意味を考えさせ続ける力となったのは確か。命の保証がない状態で本に意味があるのかというのも確かに確かなのですが、それでも、本にも学びにもそれだけの価値がある。

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2017/06/16

感動ってなんだ…。 ノンフィクションじゃなくて、フィクションで肉付けされているというところに、過去の惨劇を伝えたいだけではない何か(ちょっとした冒険譚とかカタルシスとか…)があるんだろうと思ったけど、あまりにも予想通りの重さと、展開の無さに、2度ほど途中でやめようかと思った。 結...

感動ってなんだ…。 ノンフィクションじゃなくて、フィクションで肉付けされているというところに、過去の惨劇を伝えたいだけではない何か(ちょっとした冒険譚とかカタルシスとか…)があるんだろうと思ったけど、あまりにも予想通りの重さと、展開の無さに、2度ほど途中でやめようかと思った。 結局最後まで読んだけど、「読んでよかった」とは思わなかった。 薄情と捉えられるのかもしれないが、戦争モノというのは、概してそういうものなのかな、とも思ってしまった。

Posted byブクログ

2017/05/29

実話を基にしたフィクション。 1人の勇敢な少女の物語として読むこともできるし、アウシュビッツ絶滅収容所に存在したであろう人々の群像劇として読むこともできる、大変骨太の良作だった。

Posted byブクログ

2017/05/14

アウシュビッツでは人の命は虫けらほどの価値もない。鉄砲の弾の方が貴重だから、もはや誰も銃殺されもしない。チクロンガスを使うガス室があるのは、ドラム缶一本で何百人も殺せば、その方がずっと安上りだからだ。まとめて始末しないと不敬罪というわけだ。そのアウシュビッツに学校があった。木造バ...

アウシュビッツでは人の命は虫けらほどの価値もない。鉄砲の弾の方が貴重だから、もはや誰も銃殺されもしない。チクロンガスを使うガス室があるのは、ドラム缶一本で何百人も殺せば、その方がずっと安上りだからだ。まとめて始末しないと不敬罪というわけだ。そのアウシュビッツに学校があった。木造バラックの中、教室とはいっても名ばかりで、椅子と子供たちの寄せ集めにすぎない。仕切りも黒板もない。 教師は二等辺三角形やアクセント記号、ヨーロッパの川の流れに至るまで、空中にさっと描く。子供たちの小さなグループは20近くあり、それぞれに教師が1人。グループ同士はいくらも空いてない。教師たちはささやき声で授業を進める。学校など作れるのもか、何もかもが禁止されている残酷な絶滅収容所で、子供たちに教育を施すなど、どうしてできるのだ。誰かが何かを伝えようとし、子供たちがそれを聞こうと周りに集まれば、そこが学校になるのだから。BⅡb区画はいわゆる家族収容所だ。他の区画には、子供どころか、鳥さえほとんどいない。鉄柵にぶつかって感電死してしまうから、アウシュビッツには鳥がないのだ。子供たちを楽しく遊ばせれば、BⅡb区画の親たちは仕事がやりやすくなる、とヒルシュはドイツ当局を説得した。収容所の最高司令官はBⅡb区画の31号棟を子供船宝のバロックにすることを許可した。 最初からそのつもりだったのかもしれない。但し、勉強を教えることは一切禁じられていた。監視が来ると、勉強を中断して、授業はドイツ語のわらべ歌やなぞなぞ遊びに切り替えられた。アーリア人至上主義のナチスの狼たちが、その金髪碧眼の顔でバラックを覗きこむときには、全てが秩序通りに運んでいるふりをする。

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2017/05/02

そこにあるのは飢えと恐怖と絶望、そして死。 平和の中で安穏と生きている私はこの物語について語る言葉を持たない。 けれど、この極限状態の中で命をかけて本を守ろうとした少女がいたことを覚えておかなければならないと思う。 一冊の本が、人の生き延びる力となりうることを覚えておかなければな...

そこにあるのは飢えと恐怖と絶望、そして死。 平和の中で安穏と生きている私はこの物語について語る言葉を持たない。 けれど、この極限状態の中で命をかけて本を守ろうとした少女がいたことを覚えておかなければならないと思う。 一冊の本が、人の生き延びる力となりうることを覚えておかなければならない、と強く思う。

Posted byブクログ