1,800円以上の注文で送料無料

アウシュヴィッツの図書係 の商品レビュー

4.4

146件のお客様レビュー

  1. 5つ

    68

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/09/27

今年読んだ本の中では№1。 事実に基づいて組み立てられ、フィクションで肉付けされている。 本の持ち込みが禁止されている収容所になぜか8冊の本があり、それが収容されている子どもたちに希望を与えるもとになる。 それらの本の管理を任されていたディタがこの本の主人公。 この本が書かれた...

今年読んだ本の中では№1。 事実に基づいて組み立てられ、フィクションで肉付けされている。 本の持ち込みが禁止されている収容所になぜか8冊の本があり、それが収容されている子どもたちに希望を与えるもとになる。 それらの本の管理を任されていたディタがこの本の主人公。 この本が書かれた2012年にはディタは生存していて著者とも交流している。 そのことがこの本を読む者にさらに感動を与える一因にもなっている、と私は思う。 アウシュビッツ、ベルゲン・ベルゼン…本当によく生き残ってくれた。 そして何よりこの本は、本と接することの素晴らしさを教えてくれる。

Posted byブクログ

2017/09/23

感動的な物語でした。第二次大戦で、アウシュビッツの家族収容所に収容された少女、ディタ・クラウスの実話を基にしたフィクションですが、描写がリアルで登場人物も実在した人物です。ディタは、収容所での秘密の図書係として本を管理しながら、肉体的、精神的に苦しい日々を、本を読んで思索に耽るこ...

感動的な物語でした。第二次大戦で、アウシュビッツの家族収容所に収容された少女、ディタ・クラウスの実話を基にしたフィクションですが、描写がリアルで登場人物も実在した人物です。ディタは、収容所での秘密の図書係として本を管理しながら、肉体的、精神的に苦しい日々を、本を読んで思索に耽ることで乗り越えていくのですが、その命掛けの日々には、驚きを感じました。終盤の図書館が閉館されてからの命が脅かされる緊張の瞬間が次々と訪れるさまは読んでいて戦慄を覚えました。それからは、ラストシーンまでページを捲る手が止まりませんでした。この本は、「アルジャーノンに花束を」に並ぶ自分の中での傑作となりました。

Posted byブクログ

2017/09/18

実在する人物を主人公にしたフィクション。 それでもあの二度と繰り返したくない出来事を体験したせだいが減っている今だからこそ、こういう物語が必要なように感じる。あの収容所で数冊の本を守り抜いた人々がいた。そして、生き抜いた人がいた。その事実が重い。

Posted byブクログ

2017/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

真っ暗闇のひどく辛い状況の中でも、本を開きその世界に入り込むと灯りが灯った。 彼女の小さな図書館はマッチ箱だ。 ユダヤ人が大勢収容されているアウシュヴィッツ強制収容所。 過酷な監視下にあったにもかかわらず秘密の小さな図書館が存在した。 そこにあったのは8冊の本。 たった8冊?…いや、そんなひとくくりの数字では簡単に言い表せない。 常に死と隣り合わせの状況の中、その一冊一冊が命懸けで守られてきたのだ! 本の管理を任された図書係の少女ディタにとってこの貴重な本達は、恩師であり友であり宝物であり夢であった。 最悪の状況下でも夢も気力も、ほんの少しのユーモアをも忘れない。 本という小さな希望を胸に秘め、生き抜く! 本は病気を治す薬でもなければ空腹を満たす食べ物でもなく喉の渇きを癒す水でもない。 生きていくために必要とされるものではないかもしれないけれど、本は人を豊かな気持ちにさせてくれるものだということを改めて教えて貰った。 思わず目を背けたくなる描写に何度も挫けそうになったけれど、この本を最後まで読めて良かった。 そしてモデルになられた女性が今もご健在で88歳!それが何より嬉しい!

Posted byブクログ

2020/11/07

アウシュヴィッツ=ビルケナウ。 移送された者はすぐに振り分けられ、弱者はそのままガス室に送られ、生き残った者は死ぬまで強制労働をさせられるという死の施設。 その一角に、家族収容所があった。そしてそこには学校があって、禁止されている本の管理を託された図書係の少女がいた。 飢えと死の...

アウシュヴィッツ=ビルケナウ。 移送された者はすぐに振り分けられ、弱者はそのままガス室に送られ、生き残った者は死ぬまで強制労働をさせられるという死の施設。 その一角に、家族収容所があった。そしてそこには学校があって、禁止されている本の管理を託された図書係の少女がいた。 飢えと死の恐怖がはびこる悲惨な現実の中、わずか8冊の本と生きた本(語り手)から語られる物語の世界は、人々の救いとなり、希望を与え続けた。 読みながら胸が痛くなるような厳しい現実の中にあっても、物語の世界に浸る喜び、新しい世界を知る喜びは、何ものにも奪われるものではないことを教えてくれる。 事実を基にしたフィクション。 でも、ノンフィクションの部分がほとんどなのかも知れないという印象を受けます。 基本的に戦争モノは好きではありませんが、「図書係」という言葉に魅かれて読み始めました。 図書係になったディタが、本の中に自分の世界を広げる喜びが痛いほど伝わります。 そして、大勢の仲間と最大の指導者ヒルシュを失い、自分たちの未来の希望さえ失いかけていた時にも、彼女は物語の力で周りに笑顔を取り戻させます。 ただそこに来た人たちが持っていたものをこっそり集めただけの、寄せ集めの8冊の本が、多くの人たちの心の拠り所となり、結果として命の炎を保つ働きをしていたとは。 本の持つ力の大きさを強く強く感じます。 あんまり悲惨な状況に胸が痛むので、小学生にはお薦めしませんが、主人公は14歳の女の子。YAならイケるでしょう。

Posted byブクログ

2017/09/04

取り扱っている題材の重さはあるが、文章の丁寧さから、事実はゆがむことなく受け取れたと思う。 本を大事にする人にも読んでほしい。

Posted byブクログ

2017/09/03

アウシュヴィッツに家族収容所があり、子供の学校があった。 そこでは本が秘密裏に保管され、ボロボロになりながらも子供たちを始め、みんなが読んでいた。 いずれも信じられないような事実。 過酷な環境で、命の危険も顧みず、図書係を担当したディタの勇気に感動と尊敬の念を覚える。

Posted byブクログ

2017/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直、アウシュヴィッツよりベルゲン=ベルゼンに移送されてからの生活の方が環境が悪すぎて読むのがつらかった。アウシュヴィッツの生活ももちろんつらく大変なものではあったと思うけど、本を読んだり教育を受けられるという喜びがあるだけで全然心持ちが違っていたと思う。 著者のあとがきにもあったけれど、人が生き残るにはパンと水さえあればいいけど、生き続けていくためには文化が必要という言葉につくづく共感した。

Posted byブクログ

2017/08/30

第5回ブクログ大賞 海外小説部門大賞 http://booklog.jp/award/2017/winner/overseas

Posted byブクログ

2017/08/09

自分がもうすぐ死ぬかもしれないっていう時に 私は読書できるか自信がない。 でも 最後の最後まで読書できる人でいたい。 精神を穏やかに保つためには、 やはり読書しかないのかもしれない。

Posted byブクログ