アウシュヴィッツの図書係 の商品レビュー
多くの人にぜひ読んでもらいたい。感想を簡単に言葉で書く事は難しい、戦争の悲惨さ、その中で希望を失わず強く生きた人たちのお話。凄まじい惨状が生々しく描かれ、本から顔を上げて現実を見回し、今は何て平和なんだろうと幾度も感じさせられた。三度の食事に感謝せざるを得なくなる。戦争を生き抜い...
多くの人にぜひ読んでもらいたい。感想を簡単に言葉で書く事は難しい、戦争の悲惨さ、その中で希望を失わず強く生きた人たちのお話。凄まじい惨状が生々しく描かれ、本から顔を上げて現実を見回し、今は何て平和なんだろうと幾度も感じさせられた。三度の食事に感謝せざるを得なくなる。戦争を生き抜いた人には本当に頭が上がらない。
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実在の話を脚色して書いたもの。 アウシュヴィッツに関してをきちんと読んだことなかったので、とても衝撃を受けた。 アンネフランクは有名だが、それ以外の人もいっぱいいる。主人公は生き残ったので救いがあるが、その途中で大勢の人が亡くなっている。人の命とは何なのか、考えさせられる。
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アウシュヴィッツというと、昔本で読んだアンネ・フランクの伝記由来の知識しかなかったため、多少フィクションが入っているとはいえ図書係が実際にいたなんて全く知らなかった。 ディタの勇気と知恵は本当に素晴らしいと思う。自分が同じくらいの歳で同じ環境にいたとしてもディタのようには振る舞えないかもしれない。 収容所での描写は目を背けたくなるようなものも多かったけれど、それが現実にあったんだということはしっかり覚えておかないといけないと思う。 そんな状況の中でも、本を読めば違う世界に旅立つことができるし、本を読むことがディタの心を救い、生き延びる力となった。本の力って素晴らしい。 プラハにもいつか行ってみたい。時計台も見てみたい。
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一冊の本の持つ力…始まりはスペインのジャーナリストがアウシュビッツ博物館の売店で手にした名もなき作家の本。 そしてそこにある史実をもとに描き上げられた感動の物語を大使館が日本に持ち込みそれに注目した出版社が熟練の訳者の協力を経て生まれたのがこの一冊、どこが欠けても私たちの国の書架...
一冊の本の持つ力…始まりはスペインのジャーナリストがアウシュビッツ博物館の売店で手にした名もなき作家の本。 そしてそこにある史実をもとに描き上げられた感動の物語を大使館が日本に持ち込みそれに注目した出版社が熟練の訳者の協力を経て生まれたのがこの一冊、どこが欠けても私たちの国の書架に並ぶことはなかっただろうことを思うとこの本のテーマの持つ執念を感じざるを得ない。 私たちは知っておかねばならない、そこで何が行われていたのかを、そしてそんな絶滅収容所にあっても汽車に乗ってバケーションに出掛けられる偉大な本という存在があることを
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あのとき何があったのか。 戦争の狂気はいまいち分からないし、繰り返し本で読んでも見えてこない。 文中では、尊厳が失われた収容所で本の中にある自由を守ろうとした悲しい話が書かれてある。 最終的に虚しい想いだけ残る。
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(翻訳文は、個人的には読んでいても響いてこないことがあるが、そういった文体などについては排して)、知るべき、読むべき記録(ノンフィクションではないが)の本だと思った。 人間の、娯楽や趣味の欲求は最後の域と思われていて、実際食べないと死んでしまうが、遊ばないと死ぬわけではないことは...
(翻訳文は、個人的には読んでいても響いてこないことがあるが、そういった文体などについては排して)、知るべき、読むべき記録(ノンフィクションではないが)の本だと思った。 人間の、娯楽や趣味の欲求は最後の域と思われていて、実際食べないと死んでしまうが、遊ばないと死ぬわけではないことは確かだが、でも、「教養娯楽」がいかに、心の栄養になるのかが、とても具に、置かれた状況が「地獄」であるがゆえに、余計に迫ってくる。 これが実話に起こったことという事が、真にどういうことなのか。読んで想像しなければ。 読むべき本。
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タイトルに引っかかりました。「そんなまさか。ありえないだろう」とまず思い。そして本作が事実を元に書かれた小説であるということを知り、これは読んでみるしかないと思い切って手に取りました。もう、このタイトルを見たときから手に取るのには覚悟がいりますよね。 人は何によって生きるのか、ということを考えさせられましたね。 図書係が主人公であるものの本当の主人公は図書係を任命した彼の方であるだろうと思いました。 著者は小説家ではなくライター。そういう書き方だ、と思いましたがそこが逆に登場人物に感情的に肩入れしている感がなく良かったような気がします。訳もいいのでしょうね。 大変苛烈な事実が次々と出てくるのですが文章自体はとても読みやすい。 どれだけ過酷な状況に置かれても、人は芸術や文学や自分以外の世界というものに心惹かれずにはいられないものなのかと思い知らされた思いです。生きる支えというのはそういうものなのかもしれないとも思います。 著者あとがき及び訳者あとがきを読むと、この一冊が世に出る必然があったような気がしてきます。 手に取りにくいけれどたくさんの人に読んでいただきたい一冊です。
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最初はそんな過酷な環境で本を読んでる場合じゃないだろうと思ってたけど、読み進めると命をかけてでも心を守るために必要なんだというのが分かってきた。 その本を守り続けたディタの強さは本当に尊敬に値する。 全編に渡って戦争のむごたらしさが伝わってくるが、とくに看守エリザーベトに対して、戦争がなければ善良な美容師に過ぎなかっただろうとディタが想像を巡らせるところが、かなりキた。 看守たちはもとから『恐ろしい人』ではない。 どこにでもいる普通の人が、戦争によって恐ろしい加害者になる。 それが戦争の怖さの一つだと。 それと、脱走したルディ。 彼がアウシュビッツの真実を訴えても誰も耳を貸さなかったところがキツい。 あの時誰かがルディの訴えを真剣に受け止めていたらもっと早く収容所の人たちを救えたかもしれないのに。
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当事者の証言を元に書かれた小説なだけに、ノンフィクションといってもいい迫力がある。想像も付かない悲惨と絶望が語られるが、淡々とした記述のおかげでどうにか読み進めることができた。感情がほとばしるのは最後。「人生」を取り戻したときようやく過去に色が付くのではないだろうか。極限状態のな...
当事者の証言を元に書かれた小説なだけに、ノンフィクションといってもいい迫力がある。想像も付かない悲惨と絶望が語られるが、淡々とした記述のおかげでどうにか読み進めることができた。感情がほとばしるのは最後。「人生」を取り戻したときようやく過去に色が付くのではないだろうか。極限状態のなかで、「本」の果たす役割の大きさを思う。人はパンのみにて生きるにあらず。この後にはもちろん神への信仰の大切さが続くのだが、それとともに心を活かすものが必要だ。だからこそ、人間性を奪うために、支配者は文化を破壊するのだろう。
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