アウシュヴィッツの図書係 の商品レビュー
いつも評価の星を付けるけれどこれはちょっと付けるのに躊躇してしまう。 所々に年月日が書かれていてその都度「早く45年になってくれ」と思いながら読んでいた。 読んでる私から見たら戦争は45年で終わる。という事を初めから知ってるからこういう読み方になってるのだけど、当時の人からしたら...
いつも評価の星を付けるけれどこれはちょっと付けるのに躊躇してしまう。 所々に年月日が書かれていてその都度「早く45年になってくれ」と思いながら読んでいた。 読んでる私から見たら戦争は45年で終わる。という事を初めから知ってるからこういう読み方になってるのだけど、当時の人からしたら終わりなんてみえない、いつ終わるか判らない状況の中あの想像を絶する環境に身を置かされていた。「1秒でも長く生きる」その事がどれだけ難しい事か。 その中で主人公の少女は8冊の本を守り抜いた。 たかが本、されど本。 生きる希望・精神的な支柱になっていた本。 ディタのヒーローであるフレディ・ヒルシュ。 あんな別れが待ってるなんて。 ディタとマルギットの友情。 解放された時2人が交わした「またね」の言葉が本当の意味で使えた事がとても嬉しかった。 戦争は根こそぎ奪って行くものでしかないね。 得るものなんて何もない。
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図書館で借りた本。 実話をもとにしたフィクション。ほとんどがアウシュビッツに移送されてからの話ではあったものの、最初に戦争が始まった時の回想や、徐々に自由を奪われていく様子なんかもあり、こういう話は覚悟をして読まないと、やられてしまう。タイトルを見て、何も思わなかったけど、実はアウシュビッツの中に本があった事が異常なのだということをこの本で初めて知った。
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タイトルと表紙が気になって図書館に予約。 読んで知りましたが、これは実話を元に書かれた小説でした。実際にアウシュビッツに学校が存在してたそうです。非公式に図書室も。内容はタイトルから想像できるように悲惨な環境です。毎日のように死が隣にあって肉の焼ける臭いに満ちていて、それでも子供...
タイトルと表紙が気になって図書館に予約。 読んで知りましたが、これは実話を元に書かれた小説でした。実際にアウシュビッツに学校が存在してたそうです。非公式に図書室も。内容はタイトルから想像できるように悲惨な環境です。毎日のように死が隣にあって肉の焼ける臭いに満ちていて、それでも子供たちに学ばせよう、学校へ行ける日常を与えようと、大人や少年少女たちが戦う物語。何気ない毎日を過ごせる国と時代であることに感謝。
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アウシュビッツの内情について詳しく書いた本を読んだのはこの本がほぼ初めてで,残酷な描写に読み進めるのが辛くなりましたが,先が気になり,一気読みしました。 抑圧され,自由が奪われた状況の中で,書物がいかに希望を与えてくれるかを,これほど教えてくれる小説はないと思います。 実話に基...
アウシュビッツの内情について詳しく書いた本を読んだのはこの本がほぼ初めてで,残酷な描写に読み進めるのが辛くなりましたが,先が気になり,一気読みしました。 抑圧され,自由が奪われた状況の中で,書物がいかに希望を与えてくれるかを,これほど教えてくれる小説はないと思います。 実話に基づいたお話ですが,今まであまり知られていないのが不思議なぐらいです。 過去にこのようなおぞましく,悲しい出来事があったこと,そのような絶望的な中でも,希望を失わず,必死に生き抜いた人たちがいたことを忘れないためにも,幅広い年代の人に読んでいただきたい本だと思います。
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歴史というのは勝者に都合良く作られ、被害者はその被害を誇張して伝えるというのが当たり前のことではあるのでナチスによるホロコーストの実態は分からない。それでもユダヤ人の迫害があったことは事実だろう。 戦争の被害者はもちろんユダヤ人だけではない。日本人もたくさん被害を受けただろう。...
歴史というのは勝者に都合良く作られ、被害者はその被害を誇張して伝えるというのが当たり前のことではあるのでナチスによるホロコーストの実態は分からない。それでもユダヤ人の迫害があったことは事実だろう。 戦争の被害者はもちろんユダヤ人だけではない。日本人もたくさん被害を受けただろう。アメリカ軍によるものだけでなく、日本政府から被害を受けた人も少なくないはずである。 この本を読んだ感想としてはそぐわないかもしれないが、憎むべきはナチスドイツだけではなく戦争そのものだということは忘れずにいたいと思う。 この小説の感想としては、起承転結がなく延々と悲劇が繰り返されており、読んでいて長いなと感じた。 翻訳は素晴らしかった。これが初翻訳とのことだがこれからたくさん翻訳をして欲しい。
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アウシュヴィッツの悲劇のようなことは、注意していないと国や人種に関わらず、今でも起きる危険性はあると思うけど、そういった悲劇的な状況の中でも、表現が救いとして存在するのは、希望も感じさせる一冊だった。
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紹介用に読んだのだが、容赦ない予算削減がどうしてもシンクロしてしまう。いや、一緒にしちゃダメだけど。
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「記憶は弱者にあり」 を改めて思い起こしました。 筆者がジャーナリストであったことが 大きく影響しているのでしょう 実際にアウシュビッツに行って、偶然に(必然に!)出遭うことになった一冊の本 ーこの小説のモデルになったホロコーストを生き延びることになっ一人の無名の作家がホ...
「記憶は弱者にあり」 を改めて思い起こしました。 筆者がジャーナリストであったことが 大きく影響しているのでしょう 実際にアウシュビッツに行って、偶然に(必然に!)出遭うことになった一冊の本 ーこの小説のモデルになったホロコーストを生き延びることになっ一人の無名の作家がホロコーストの体験を基に書いた小説 から、すべてが始まっている。 もう、この出会いから すでに 物語が始まった。 といってもいいでしょう。 そのホロコースト博物館の売店では、事実を知らしめるための一冊の小説に過ぎなかったのでしょうが。こうして、素晴らしきジャーナリストの手に渡り、しかも一編の物語として編まれたときにまた新たな 歴史の証言者として生まれ変わった。 実際の事実をもとに、優れた映画が生み出されることがままある。 その時に感じる深い衝撃と深い感動を覚えました。
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なんて重苦しく悲しい物語だろう❗しかし、こんなにも本の中の世界にのめり込んだのも久しぶりだった。私は主人公ディタと共にアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所に送られ、そこで何日も食事の出ない飢餓状態に置かれ、コレラやチフスの蔓延する地獄のような環境のなかで、明日への希望もない日々を...
なんて重苦しく悲しい物語だろう❗しかし、こんなにも本の中の世界にのめり込んだのも久しぶりだった。私は主人公ディタと共にアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所に送られ、そこで何日も食事の出ない飢餓状態に置かれ、コレラやチフスの蔓延する地獄のような環境のなかで、明日への希望もない日々を送り、過酷な労働を強いられたのだ。 14歳の少女ディタは、収容所のブロックリーダーの青年フレディ ヒルシュから図書係に任命される。しかしその図書とはたった❗8冊の本❗すなわち地図帳、「幾何学の基礎」、H・G・ウェルズの「世界史概観」、「ロシア語文法」、フランス語で書かれた「モンテクリスト伯」、フロイトの「精神分析入門」、表紙のないロシア語の本、チェコ語で書かれた「兵士シュベイクの冒険」 たったこれだけの本でさえ、収容所の人たちにとっては、本を読むことが唯一の娯楽であり、つかの間現実を忘れられるひとときだったのだ。 この物語は事実に基づいており、ディタも実際にいたし、フレディヒルシュの自殺にも触れられている。 ディタが生き延びたことは読者にとっては、唯一の救いだ。 アウシュビッツ関連の本は一度は読んでおかないとと思っていたが、この本に出会えてよかったと思う。
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今年2月にアウシュヴィッツを訪ねましたが、このような図書館があったなんて聞きませんでした。 旅の記憶を重ね合わせて読みました。
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