ジャッジメント の商品レビュー
スラスラ読める内容でしたが1つ1つの話しが とても重く色々と考えさせられる小説でした。 復讐法なんて世の中に無い方がいいとは思うけど いざ自分の大切な人が殺された時は 思ってしまうと思う「犯人を殺してやりたい」って 復讐法を選んだ人達の葛藤も読んでて辛かった 特に第3章のこのセリ...
スラスラ読める内容でしたが1つ1つの話しが とても重く色々と考えさせられる小説でした。 復讐法なんて世の中に無い方がいいとは思うけど いざ自分の大切な人が殺された時は 思ってしまうと思う「犯人を殺してやりたい」って 復讐法を選んだ人達の葛藤も読んでて辛かった 特に第3章のこのセリフ 「誰かの悪意が何かを壊し、 壊された者はその怒りを他の誰かに向ける」 ってセリフが自分の中では1番刺さった、、、
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何が本当で何が嘘か、 この先、何百年経っても、人間は何が正しい法なのか議論し続けるだろう。 この言葉が刺さる。 誰の間にも立てない複雑な話で でもすぐ隣で向き合わなきゃいけない内容。 これがデビュー作はすごいです!
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凶悪な犯罪が増加する日本で、治安の維持と公平性を重視した新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。 応報監察官、鳥谷と復讐法を選んだ遺族の5つの短編集。 父親と喧嘩して飛び出した息子が、未成年の少年らによって壮絶なリンチの末に殺害される、サイレン。 宗教にはまった祖母に、災いを呼...
凶悪な犯罪が増加する日本で、治安の維持と公平性を重視した新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。 応報監察官、鳥谷と復讐法を選んだ遺族の5つの短編集。 父親と喧嘩して飛び出した息子が、未成年の少年らによって壮絶なリンチの末に殺害される、サイレン。 宗教にはまった祖母に、災いを呼ぶ子と忌み嫌われ虐待をうける孫娘の、ボーダー。 心神喪失と偽り、無差別に通り魔に刺された、母親と、大学生の弟、婚約者のアンカー。 予言者と崇められた女が予言によって殺されるかも知れないと孫を庇い、同級生の少年を殺す、フェイク。 内縁の父親と、実の母親に、激しい暴力と育児放棄され、ゴミ袋にいれられたまま餓死した妹の為に復讐法を選択した10歳の兄のジャッジメント。 殺害された方法で、刑を執行できる復讐法。 読むまでは、自分も同じ立場なら必ずや復讐法を選択するだろうと思っていたが・・・・どんな罰を与えようが、大切な人の命はもう戻らない。 同じ方法で刑を執行して犯人を殺害した時に、もう自分は自分を保てないと思った。 しかしやっぱり殺したい程憎むであろう・・もう、読み終えた時にはグッタリしてしまった。 かなり難しいテーマの内容なのに、デビュー作と知り驚いた。他の作品もぜひ読みたい。 皆さんなら、大切な人が殺された時に、「復讐法」を選びますか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
重い、重い、重すぎるよ!!「目には目を歯には歯を」被害者の関係者は加害者にそれと同じ目にあわせられる、復讐法。斬新な切り口でした。この本で少し違和感?を感じたのは懲役数年の比較的重くない刑でも復讐法が適用され(=殺してOK)、復讐法の方が刑は重い点かな。この法律が施行されたら、犯罪が抑止的に働くでしょうね。気を付けないといけないのは、私のような心清らかな人間には心臓に悪い。できないよ!絶対できない、合法だと知っていて、相手を嬲り殺すこと。この作家さん、注目していきたい。もう一度、斬新でした!!
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凶悪犯罪に歯止めをかけることをめざして、「復習法」という法律が成立した近未来の日本。復習法は、犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰と執行できる、というものだった。しかし、従来の法による刑罰ではなく執行法の適応を選択した場合、選択した者が自らの手で刑を執行しなければなら...
凶悪犯罪に歯止めをかけることをめざして、「復習法」という法律が成立した近未来の日本。復習法は、犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰と執行できる、というものだった。しかし、従来の法による刑罰ではなく執行法の適応を選択した場合、選択した者が自らの手で刑を執行しなければならない。 大切な人が殺されたとき、従来の司法の裁きにゆだねるか、自らの手で復習するか。 身内を殺された被害者の心痛は察するに余りあります。とても想像できるものではありませんが、自らの手で加害者を殺害する(加害者の犯行をそのまま再現して殺害する)ことは、「人を殺す」という行為の重大さと相まって、被害者家族の精神を重ねてむしばむ行為であるようにも感じます。 社会派小説として十分に読みごたえがありながらも、重くなりすぎず適度なボリュームに仕上がっていると感じました。 被害者家族が加害者に「刑を執行する」様子を監督する「応報監察官」の視点から描かれる人間模様からは、人間の多様性(複雑さ)が感じられましたし、主人公と一緒にしっかりと「悩む」ことができました。 自分だったらどうするか。遺族感情として犯人には死刑になってほしいと思うことは当然だとは思う一方で、果たしてそれが「救い」になるのか、ということについては考えさせられます。 以前読んだ、森達也の『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』と合わせて読むと、より思考が深められるようにも感じました。
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「復讐法」とは、犯罪者から受けた被害内容と同じことを近親者が合法的に刑罰として執行できる法制度のこと。 昨今、凶悪犯罪が増えているが、現実にはあり得ない設定ではある。 でも、もし自分がその立場に置かれたとしたら、“人を裁く(殺める)”と“人を赦す”の法の選択は本当に難しいものにな...
「復讐法」とは、犯罪者から受けた被害内容と同じことを近親者が合法的に刑罰として執行できる法制度のこと。 昨今、凶悪犯罪が増えているが、現実にはあり得ない設定ではある。 でも、もし自分がその立場に置かれたとしたら、“人を裁く(殺める)”と“人を赦す”の法の選択は本当に難しいものになるだろう。 大切な人に生きている時に言うことができなかった素直な言葉や想い、それを伝えられなかった悔恨。その時、自分自身の感情がまともな平衡感覚を保っていられるのか。 法の正悪、正しい答えは何なのか、読み終えた後でも見つけられないままである。
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大型新人登場!という触れ込みだったはずだが、いまいちだった。 各章で、”こんなケースです”というように展開されているが、深まっていかなかった印象。
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「復讐法」という被害者若しくはそれに準ずるものが加害者に対して被害内容と同じ事を合法的に刑罰として執行できる法律のある話。 犯罪被害者若しくはそれに準ずるものは旧来の法に基づく判決か復讐法に則り刑を執行するかを選択できるが復讐法を選択した場合、選択者本人が刑を執行しなければならな...
「復讐法」という被害者若しくはそれに準ずるものが加害者に対して被害内容と同じ事を合法的に刑罰として執行できる法律のある話。 犯罪被害者若しくはそれに準ずるものは旧来の法に基づく判決か復讐法に則り刑を執行するかを選択できるが復讐法を選択した場合、選択者本人が刑を執行しなければならない。 全5章からなり、あり得ない設定だけの話かと思ったら被害者の方が実は悪かったり意外な真実が出てきたりと毎回それなりのどんでん返しがあって面白かった。
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小林由香さんが困難な異端の分野に挑んだショッキングなデビュー作です。まずこんな法律が可決されるとは思えず異世界が舞台の架空小説でしょうけれど巧みに考えられているなと思いますし私は読者の非難を恐れずに敢えて困難な命題を選んだ著者の努力と勇気を讃えたいですね。復讐法は遥か昔のエジプト...
小林由香さんが困難な異端の分野に挑んだショッキングなデビュー作です。まずこんな法律が可決されるとは思えず異世界が舞台の架空小説でしょうけれど巧みに考えられているなと思いますし私は読者の非難を恐れずに敢えて困難な命題を選んだ著者の努力と勇気を讃えたいですね。復讐法は遥か昔のエジプトの「目には目を歯には歯を」で有名なハムラビ法典に先祖返りしたような物で人間性からすれば遠い未来に現実化するのでしょうか。後味が悪く出口のない悲しみで幕を閉じるストーリーが多いですが私は賛否に結論が出せず複雑な思いに駆られましたね。
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治安の維持と公平性を重視した新しい法律家「復讐法」。 遺族には報復する権利があるはず。復讐法を選択すれば、被害者の無念をはらすことができるはず。 しかし、そこに救いはあるのだろうか。 この法を選択しても、しなくても、被害者や被害者家族、加害者家族も、苦しみ続けるのだ。悲しみがいや...
治安の維持と公平性を重視した新しい法律家「復讐法」。 遺族には報復する権利があるはず。復讐法を選択すれば、被害者の無念をはらすことができるはず。 しかし、そこに救いはあるのだろうか。 この法を選択しても、しなくても、被害者や被害者家族、加害者家族も、苦しみ続けるのだ。悲しみがいやされることはないのだ。
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