ジャッジメント の商品レビュー
「復讐法」犯罪者に合法的に刑罰執行。思い悩みながら復讐する人々と見守る執行官。 「ジャッジメント」一番良い。十歳の少年が母と男を裁く。妹を思う兄の気持ちは切ない。
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復讐法という設定が面白かったです。 復讐する=執行者も殺人者になるというところに、登場人物たちの葛藤と重みを感じます。 復讐を見守る立場の文乃が主人公となり、客観的に一つ一つの事例を捉える一方、彼女自身の精神面の辛さも伝わってきます。 こういう法律が一度制定されると、作中にあるよ...
復讐法という設定が面白かったです。 復讐する=執行者も殺人者になるというところに、登場人物たちの葛藤と重みを感じます。 復讐を見守る立場の文乃が主人公となり、客観的に一つ一つの事例を捉える一方、彼女自身の精神面の辛さも伝わってきます。 こういう法律が一度制定されると、作中にあるように賛否が出て色々な決断をする人がいるのでしょうが、実際にどう法と向き合うかを決めるのはなかなか難しいだろうなと思います。 虐待や信仰等、それぞれの短編の事件に考えさせられる背景があるので、長編でも読んでみたいと思いました。 特に2編目の「ボーダー」はもっと深掘りして読んでみたいです。
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読書備忘録706号。 ★★★★。 小林由香さんを読むシリーズの最後。デビュー作にたどり着きました。 テーマが衝撃的ですね。この作品以降続く、救われない被害者の苦しみ、微かに見える救いを描き続ける作者の原点と思います。 「復讐法」 20XX年に制定された法律。 凶悪犯罪が増え続...
読書備忘録706号。 ★★★★。 小林由香さんを読むシリーズの最後。デビュー作にたどり着きました。 テーマが衝撃的ですね。この作品以降続く、救われない被害者の苦しみ、微かに見える救いを描き続ける作者の原点と思います。 「復讐法」 20XX年に制定された法律。 凶悪犯罪が増え続ける日本において、これに歯止めを掛ける為に、やられたらやりかえしても良い、ということが合法となった。 犯罪者はこれまでの旧法で裁かれる。いわゆる懲役刑など。それに加えて、被害者遺族が加害者に対して、被害者が受けた内容と同じことを執行できるオプションが付く。被害者遺族は、旧法による裁きか、自らが執行する復讐かを選べる訳です。 作品は、復讐を選んだ被害者遺族の刑罰執行に同席し観察する"応報監察官"鳥谷文乃を主人公に、復讐法執行の5つの短編から構成されます。 【サイレン】 応報執行者は、息子を札付きの未成年達に壮絶なリンチの末殺された父親。 執行される施設の外で息子を許してくれと土下座する加害者の母親。息子がリンチされるきっかけを作ったのは父子喧嘩であり、一切息子のことを構って来なかったことに苦しむ父親・・・。 【ボーダー】 応報執行者は加害者の母。娘を執行しようというのだ。娘は祖母を殺した(応報執行者にとって母親)。最愛の母親を殺された母は、自分の娘に同じ思いをさせて復讐すると。しかし、娘にとって祖母はいかがわしい宗教団体にはまり、自分の大切な家族を壊した悪魔であった・・・。 【アンカー】 通り魔殺人に最愛の家族或いは婚約者を殺された被害者3人が応報執行者3人。3人の気持ちは纏まるのか・・・? 【フェイク】 霊能者の女性に息子をビルの屋上から突き落とされた母親が応報執行者。霊能者はなぜ女性の息子を突き落としたのか?霊能力に裏に秘められたふざけるな的事実・・・。 【ジャッジメント】 妹を、内縁の父親と実の母親に、暴力と育児放棄により餓死させられた少年が応報執行者。執行方法は餓死。骨と皮だけになっていく両親。しかし、少年も消耗していった。少年の抱える後悔は・・・。 巻末を見ると、実は最終話のジャッジメントが初出。 単行本としては時系列。作者は初めからすべての構想を練っていたのでは思わせる。 ジャッジメントが重すぎる。頻繁にニュースになる育児放棄による幼い子供たちの死。この問題の深刻さを見抜き2011年に小説にしていた作者は苦しんでいたと思われます。 小林由香さんはこれにてひと段落ですが、新作が出れば苦しみながら読みたいと思います。
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大切な人を殺された者が、加害者に同じ目にあわせる「復讐法」 被害者家族からみたら、それはいい法律だ。と安易に思って読み進めたが… それに立ち合う監察官や監視官はたまらない。合法の殺人、死刑の立ち合いも精神的にキツイのに、復讐法は「同じように殺す」状況を受刑者の命がなくなるまで見届...
大切な人を殺された者が、加害者に同じ目にあわせる「復讐法」 被害者家族からみたら、それはいい法律だ。と安易に思って読み進めたが… それに立ち合う監察官や監視官はたまらない。合法の殺人、死刑の立ち合いも精神的にキツイのに、復讐法は「同じように殺す」状況を受刑者の命がなくなるまで見届けなくてはならない。 そもそも復讐を遂げる執行者も復讐したことに満足するとは限らないのだ。 すごく重いテーマなのにサラサラ読ませてしまう小林由香さんはすごいと思った。
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復讐法で救われる被害者遺族もいれば、さらに苦しむことになる人もいる 当事者にならないと分からない苦しみがたくさん書かれていた どの話でも応報執行者は悩み苦しんで自分を責めて死を選ぶ人さえいて、読んでいてすごく苦しくなった 被害者に対する想いが溢れていて胸が痛くなる 最終話の隼人君の気持ちや鳥谷さんの気持ちを想うと、苦しくて悲しくてやるせなくて、どうしても涙が出てしまった 犯罪者に甘く被害者側が泣き寝入りしたり傷つけられたりすることはあってはならないことだと思うけど、誰がどのように刑罰を与えるかはとても難しい事だと考えさせられた 他人の立場、世間の声の中のひとつとしては、復讐しろ、死刑にしろと言うのはとても簡単かもしれない 死刑制度にしても、それを決定するのも指示を出すのも首に縄をかけるのもボタンを押すのも自分じゃないから私は容認できているのかもしれない もしそのうちのどれかをするのが自分だったら、法のもとに人を殺すのが自分だったら 死刑制度反対とは言わないけど、きっとその仕事はできないと思う 復讐法にしても、甘い刑罰は許せない、でも自分で同じことをするのも恐ろしい 同じことをやり返すんじゃなくて、犯人の刑罰を決めさせてほしいと考えると思う 結局のところ、自分は関わりたくないけど誰かが応報執行、死刑執行するのをみて(知って)、自分が(世間が)正義を行ったと思いたいのかもしれない 色んなことをたくさん考えてしまう本だった
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大切な人を殺された者に与えられる権利。被害者が受けたのと同じ方法で犯人に復讐することができる。 もしこの法律が実在して、自分が当事者になったら、果たして復讐を選ぶだろうか。とても考えさせられる話だった。 世間で起きている残酷な事件をニュースで見るたびに、犯人に同じ苦しみをと思うことがある。刑期を経れば社会復帰できるなんておかしいと。 しかし、復讐というのは考えているより簡単なものではないんだな。復讐したから気持ちが晴れるわけではない。被害者が復讐を望んでいるのか分からない。 読んでいてとても辛い作品だった。
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日頃から憎しみからは憎しみしか生まない、と思っているので、復讐法には反対だなぁ。でも、実際に自分の身内が被害者になったらと考えると、そんなにキレイ事ではないのかもしれない・・・
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大切な人を殺された人は犯人に同じことをして罰することが出来るという「復讐法」が制定された、と仮定した話。ひとつの大きな設定と流れのなかで短編形式になっている。 息子を不良による集団暴行で殺された父親、反抗ばかりして何を考えているのかわからない孫娘が祖母を殺害し復讐法を利用すると...
大切な人を殺された人は犯人に同じことをして罰することが出来るという「復讐法」が制定された、と仮定した話。ひとつの大きな設定と流れのなかで短編形式になっている。 息子を不良による集団暴行で殺された父親、反抗ばかりして何を考えているのかわからない孫娘が祖母を殺害し復讐法を利用すると決めた母親、精神異常者に無差別的に殺害された人たちの家族と婚約者、妄信的な信者を持つ占い師に10歳の息子を殺された母親、虐待の末に餓死した妹のために復讐法を利用する少年。 「あんなに酷いことをする犯人は同じめにあってその苦しみを知るべきだ」と今までずーっと思ってきたけど、それを自分の手で…と思うと戸惑いと恐怖を感じる。凄く重くて考えさせられる本。
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高校生の時の文化祭の演劇として先輩がこの作品をしていた。とても考えさせられる内容で、また本で読みたいと思い数年後経った今、読んでみた。「復讐法」。もし私が復讐法を行なうどうかを考えると中々答えが見つけ出せない。本当に色々考えさせられる作品だった。
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うーん、犯罪心理とか興味あるから読んで楽しかったが、細かい部分?があまりに現実離れしててちょっと興醒め! それぞれ話が独立してて、「アンカー」のラストが印象的で1番好き!! ・サイレン ★★★ 途中まで楽しく読んでたがラスト義明が加害者の親に刺されて興醒め。 現実的にまず被害者と接近するのとかあり得ないし。 あと、親子の愛がとってつけたよーな感じだった笑 ・ボーダー ★★★ 加害者のエレナはサイコパスか!と思いきや祖母に虐待というか宗教の押し付けをされてた。 エレナは子供だが、まるで大人みたいな考えやし、非現実的すぎるなーと思った。 ラスト、ほんとのほんとはサイコパスだった!ってオチの方がまだいい笑 ・アンカー ★★★★★ 最後の1行でグッときた!!! 久保田は全然好きじゃなかったけど、カッコいい! ・フェイク ★★★ 占い師、恐ろしや。 アキラが不憫でならない。 ・ジャッジメント ★★★ うーん、こんな10歳の子いる? おらんくない?!内容的には興味深かったが、非現実的過ぎるな〜という感想。
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