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私のなかの彼女 の商品レビュー

3.8

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2020/03/15

仙太郎が海外にしばらく行くと和歌に話す時の言葉 「自分の時間を自分のために使うことしかできなくて、他人を思いやる想像力を持てなくて、自分の汚した皿を自分で洗うのも、誰かにそうさせられているって思っていやいや洗う、そういうことしかできないんじゃないかな」 仙太郎は 和歌に対してとて...

仙太郎が海外にしばらく行くと和歌に話す時の言葉 「自分の時間を自分のために使うことしかできなくて、他人を思いやる想像力を持てなくて、自分の汚した皿を自分で洗うのも、誰かにそうさせられているって思っていやいや洗う、そういうことしかできないんじゃないかな」 仙太郎は 和歌に対してとても大人に対応で 普通の男性なら声を荒げて怒るようなことも 穏やかに和歌に伝えていて 和歌はやはり同居に向かないという気がする

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2017/12/29

久々に夢中で読んだ 何だろうこの感覚は… 和歌の感覚や感情にすごく入り込んでいくというか、 心理描写がうまいのか、 自分も和歌と同じ気持ちになって読み進めてしまう。 仙太郎みたいなオトコって結構多いと思う。 彼の場合はまだちゃんと成功や実績があったけども。 角田光代はじめ...

久々に夢中で読んだ 何だろうこの感覚は… 和歌の感覚や感情にすごく入り込んでいくというか、 心理描写がうまいのか、 自分も和歌と同じ気持ちになって読み進めてしまう。 仙太郎みたいなオトコって結構多いと思う。 彼の場合はまだちゃんと成功や実績があったけども。 角田光代はじめて読んだけどハマりそう

Posted byブクログ

2017/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うむむむむ、流石さすがの角田光代。今回も、お見事でした。大変に、お見事でした。面白いです。怖いです。辛いです。でも面白いです。うむむむむ、お見事です。何故に角田さんの小説は、こんなに、切実に、感じられるのかなあ。スッと入ってくるのだろうかなあ。そしてこれほどまでに、グッとくるのだろうかなあ。不思議な事よなあ。 変な言い方かもしれませんが、この小説の内容だったら、シンプルに、良い話、良い物語、にすることも、できると思うんですよね。常に追いかけ続けるような存在である、尊敬できる彼氏を持った女の子が、自分というものに目覚め、小説家を志し、それを彼氏は応援し、女の子は、様々な困難に直面しながらも、着実に成長し、彼氏とも色々ありつつもその困難を共に乗り越え、公私ともにハッピーエンドに向かう、的な。非常に良くできた、なんといいますか、誰もが安心して楽しめる、ハラハラドキドキの良質ドラマ、というか良質小説。そんな展開にも、絶対、できるはず、ハズ。 なのに、角田さんは、全然、そんな感じに、しない。それはもう、角田さんにとっては「それは私の担当じゃない」という思いを、しっかりと持っているのだろうなあ。「こういうものを書くのが自分なのだ」という、確かなものが、あるのだろうなあ、いや、確かでもなんでもなく、角田さんもやっぱ、迷いながら悩みながら書いているのだろうか、どうなんだろうか。でもそれは、きっと、とてもなんといいますか、素敵だなあ、とかね、思うのです。なんか、よおわかりませんが。 ちなみに、自分が男だからかもしれませんが、仙太郎、好きですね。こういうキャラ。良い人だと、、、思うんだけどなあ。叶うならば、全く同じ内容の小説で、全ての視点を仙太郎側から観た作品を、読んでみたい、とか思ってしまうのだった。仙太郎目線からでは、この物語は、どのような形で語られるのだろうか?仙太郎から見た、和歌という女性は、どんな女性なのだろうか?ううう、気になるなあ。読んでみたいなあ、そんなんも。 まあしかし、なにしろ面白い小説でした。やっぱ、角田さんの本は、好きですね。間違いなく、好きです、うん。

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2017/10/23

読んでいて涙が出てくる。女であることの呪い。男から自分より格下であるよう言外に求められマウンティングされる窮屈さ。

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2017/06/19

久しぶりの角田さん。 のめりこむように一気に読了。 ここまで気持ちを掘り下げて、何度も繰り返し繰り返し見つめなおす作業は、私ならきっと途中で投げ出すだろうなと… 微妙に、賞の候補になったことや妊娠したことを伝えない気持ちがわかる気がして、それにこだわる仙太郎がちょっと面倒な存在...

久しぶりの角田さん。 のめりこむように一気に読了。 ここまで気持ちを掘り下げて、何度も繰り返し繰り返し見つめなおす作業は、私ならきっと途中で投げ出すだろうなと… 微妙に、賞の候補になったことや妊娠したことを伝えない気持ちがわかる気がして、それにこだわる仙太郎がちょっと面倒な存在に思える。 実家に電話したこと黙ってたのに…なんて、私がけんかしているような気になった… 和歌も仙太郎も言葉を使う仕事をしながら、言葉が足りないからこうなるんだわ…とか思いつつ、私なら自分がしていない家事をこなす彼との同居は無理と… 無期限の海外旅行に行った時点で、中途半端な浮気なんかせずにさっさと出ていけばいいのに… 何年かぶりに出会った時の仙太郎の反応に若干イラついた… と、すっかり参加してしまった作品でした。

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2017/06/10

17/06/09 (43) 読み始めてすぐに、あれ?これ前にも読んだことあるっぽいぞ、と気づく。調べたら15年4月に読んでたハードカバーのほうを。2年前の読んだときよりも主人公のもがきながら生きる姿にじりじりしてしまった。なんにも知らない女の子だったのにね。仙太郎のお嫁さんになる...

17/06/09 (43) 読み始めてすぐに、あれ?これ前にも読んだことあるっぽいぞ、と気づく。調べたら15年4月に読んでたハードカバーのほうを。2年前の読んだときよりも主人公のもがきながら生きる姿にじりじりしてしまった。なんにも知らない女の子だったのにね。仙太郎のお嫁さんになることを夢見てた女の子だったのにね。いつのまにか気づいたら自分はこんなとこにいるっていう感覚。じりじり。 ・「でもぼくはね、師匠だろうが編集者だろうが、人は他人の才能を潰すことなんてできないと思っているんですよ。才能を潰せるのは、その才能を持っているその本人だけだと」(P357)

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2017/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・初対面のあの人と私は言葉ではなく何で話していたんだろうと和歌は思う。どのような方法で何を共有したのだろうかと。 ・自分たちがいるのはあの事件のように不可解な、現実よりはフィクションに近いような今で、その今は今つかまえないととたんに今ではなくなるというような気分が、言葉にならずとも和歌の内にあった。 ・いつからかはわからない、でも、なぜかはわかる。つまらなく思えてくるのだ。候補に残った、新聞社の取材を受けた。そう興奮して伝えたとしても、それは彼がすでに通った道のどこかでしかなく、ちっともたいしたことではないのだと、思い知らされるからだ。舞い上がったり、喜んだり、騒いでいる自分が馬鹿みたいに思えるからだ。 ・小説に没頭していると、忘れたいことを忘れることができた。忘れたいことなど、起きなかったようにすら思えた。 ・きみと見たかったです。きみに見てもらいたいです。ものを創る人間の、底力になる何かがここにはあるよ、たしかに。 ・「どうしてちゃんとできないの。どうしてちゃんとしてくれないの。どうして人並みのことが、だれでもできることができないの。あんたはおかしい。どこかおかしい。どこまでゆがんでいるの。私が悪いのかもしれない」 ・自分がほんとうに何を欲しがっていたのか、今、和歌にはわからなくなっている。そしてそんなことわからなくていっこうにかまわないと和歌は思うのだった。  何が欲しいのか。何なら手に入るのか。それを手に入れるためには何を手放さなければならないのか。何なら手放せるのか。 ・けれど、自分の人生を生きた。だれかに強要されるのでもなく邪魔されるのでもなく、どこに向かうかさだめ、その方向にしっかりと足を踏み出した。 ・「でも、千年とか二千年とかいう言葉を聞いてると、一瞬に思えてきますね」 思ったことをそのまま口に出した。 「だけど千年、二千年を体感できるわけじゃないから、やっぱり二十年は途方もなく長いよ」

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2017/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「妄想の中で生きることと現実を暮らすことは矛盾しない」 小説を書きながら、自ら妄想と現実の区別のない場所に入り込み、そこから抜け出すためにはやはり書くしかないと思う和歌。 和歌は角田作品の主人公としては典型的なタイプのちょっとダメな女の子。あまりパッとしない存在。ちょっとだらしなくて、あまり深く考えない、自分の意思を持たないぼやっとした大学生。 そんな彼女が実家の蔵の解体をきっかけに祖母の過去を知り、また恋人との生活で少しずつ自分の道を歩き出す。 祖母の過去、母親との関係、叔母の存在、恋人との生活と仕事 そこに行き交う言葉 同じ体験があるわけでもないのに、なぜか和歌の気持ちが自分のことのように感じられ、母や恋人の言葉に、和歌といっしょに傷つき打ちのめされる気がしました。 自分の時間を自分のためにしかつかうことができない そんな言葉を浴びせられ、自分の存在意義を疑い、何がいけなかったのか、どこで間違えたのかと、それでもまだことばを探し求めてしまう和歌。 初めは自分を励まし導いてくれた恋人の言葉が、いつしか自分を傷つける刃となる。立ち直れないほど激しく傷つき、闇のなかでもがく和歌の背中をそっと押してくれたのも、またある人の何気ない言葉でした。和歌の視界に薄い、でも確かな光が射して、きっと前を向いて歩いていけると思った瞬間を目撃した気がしました。 私の中にも彼女がいました。

Posted byブクログ

2017/04/10

すごい小説だった。 自分と和歌が重なって、苦しいところも多かった。 最後まで仙太郎は好きになれなかった。 母とのやり取りは辛かった。

Posted byブクログ

2017/02/21

女の人が書く小説ってやっぱりいいな。面白かった。 大学時代から付き合って、いる仙太郎と和歌。 仙太郎はバブルの波に乗りイラストレーターとして、在学中から売れっ子になっていく。 それを間近で見ている平凡な女の子、和歌。 仙太郎は売れっ子になっても変わらず、驕らず、地に足がついた態...

女の人が書く小説ってやっぱりいいな。面白かった。 大学時代から付き合って、いる仙太郎と和歌。 仙太郎はバブルの波に乗りイラストレーターとして、在学中から売れっ子になっていく。 それを間近で見ている平凡な女の子、和歌。 仙太郎は売れっ子になっても変わらず、驕らず、地に足がついた態度で、和歌とも付き合い続ける。 和歌は実家の蔵で祖母が訳ありの作家だった痕跡を見つけ、詳細を調べていくのと並行して、自分も作家になりたいと思い、文学賞に応募する。そして徐々に売れっ子になっていく。 和歌が売れっ子になっていく過程で、仙太郎が家事を請け負ったり献身的にサポートしているように見え、最初はなんていい男なんだ!と思った。 しかし、他の人のレビューやあとがきを読むとこいつ、無意識に女の進路を邪魔しようとしてる?と気づいた。 嫌味ともとれることを言うが爽やかに誤魔化したり、彼女が売れっ子になり始めたら避妊を拒否したり。 和歌は和歌で、生活がどんどん自堕落になり、愛想を尽かされても仕方のない状況になる。母親との関係や自分の心を縛る呪詛に悩み、終いには自分の人生がうまくいかないことを全て仙太郎のせいにする。 初めは仙太郎と和歌の付き合い方ってすごくいいな、と思って見ていたが、どうもそうではないらしい。 何か解決するわけでもなく終わる小説なのだが、男女どちらにも非があるような気がしている。 しかし、その非が、一度なぞっただけでは私にはわからなかった。 読みながら、また、読み終わってから、噛み締めると、じわじわと嫌〜な感じのする小説だ。

Posted byブクログ