私のなかの彼女 の商品レビュー
20年分くらいの物語なので、読んでいてあの出来事から何年も経ってるんだと思う機会が多かった。 その時々の世相が描かれているのでイメージしやすい。
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このとてつもないもやもやというか、胸糞の悪さというか、もはや恐怖みたいなものはどこから来るんだろうと読みながらずっと考えてた なんだかんだ恐怖というのが一番実態に近い気がする 和歌の自己肯定感の低さも、仙太郎の虚勢(のように私には見えた)も、2人のアンバランスな関係性も、和歌の両親の凝り固まった価値観も、全てが私の中のこうしたい、こうありたいの逆を行っていた 一方でただ理解できない、ではなくて怖いと感じるのは多分、自分自身の中にもその片鱗が見えるからだと思う もやもやずーっと考えていて、(言葉を選ばずに言えば)一歩間違えばこういう人生、という感覚が少なからずあることに気がついた、それすらもちょっと嫌 和歌が仙太郎の一挙一動に怯える感情にも共感できてしまうし、最終的には全編通してとても身近な印象 ただ、キーとなる台詞が一貫して「最終的には全て本人の意思」、ということを示唆しているような気がしていて、それだけは同意できない 和歌にとって仙太郎は絶対に悪だったし、タエにとっての師匠もそう 人の才能を潰すことはできると思う
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主人公の母と恋人が不穏すぎて、ビクビクしながら読み進めました。 他者の評価とか自分自身の充足とか、人の成功とか失敗のボーダーってなんだろうって考えちゃいました。
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小説って面白いなあ、、小説の中の女性が、あまりにも私すぎた。タイトル通りじゃないか・・あるいは、どんな女性にもある心理なんだろうか。 小説って読まないとだめだな、と思わされた。得られるものが多すぎる。
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久しぶりの角田さん。 以前読んだ本の内容はすっかり忘れてしまったしまだ若い頃だったので、再挑戦。 こちらは自信のない大学生が、 成功者の彼氏に劣等感を持ち続け、 対等になるべく奮闘する話。 自分の限界を決めるのは自分自身、 みたいなところは良かった。
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背景は昭和後期から平成初期 明治?大正?を生きた作家志望の祖母の面影を追うにつれて、自身も物書きとして生活しようとする主人公和歌 「○○なのにイタイ」「女のくせにがつがつして」「どうして当たり前ができないの」「卑しい顔になった」恋人の態度や母親の言葉がぐさぐさ刺さる読者も多いはず...
背景は昭和後期から平成初期 明治?大正?を生きた作家志望の祖母の面影を追うにつれて、自身も物書きとして生活しようとする主人公和歌 「○○なのにイタイ」「女のくせにがつがつして」「どうして当たり前ができないの」「卑しい顔になった」恋人の態度や母親の言葉がぐさぐさ刺さる読者も多いはず 祖母の「男と張り合おうとするな」の意味に、作者の伝えたかった当時の社会を感じることができました
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才能を潰すことは本人にしかできない という言葉にふむ〜確かになあと思った。 けど仙太郎は意識してか無意識か和歌ちゃんの自信喪失させようとしたし、酷い言葉でなじっていて腹立たしい。早く別れろ!和歌ちゃん!と思いながら読んでた。 前向きに生きようと思えたわけでもないけど、なぜか読後感が良い小説でした。ちょっと小説家になりたいと思った。
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大きな出来事や、衝撃的な内容が含まれている訳ではないのに、飽きが来ずスラスラと読めてしまった テーマとして、女性、恋愛、仕事、生活、バブル が挙げられる。 主人公はバブル時代とバブル崩壊を生きる20代女性 20代特有の、少し心配になるような価値観や考え方とか、20代を経験した女性なら共感できる点が多いなと思った 主人公の恋人である仙太郎は、若くしてクリエイティブな仕事で成功を収め、結婚に際して、現実的な仕事をすると言うリアリティーさがあった 20代前半の、仕事である程度の成功を収めた仙太郎の言動がどんどん業界にかぶれていく感じとか、痛さを感じた。 女としての幸せと、仕事での成功を同時に掴む女なんて居るのかね?と言う疑問が生まれた
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現実みがあって丁寧な本だと思います。 日常の出来事1つ1つ丁寧に心情が伝わります。その感情がにハッとさせられ楽しかったです。 大学生から、同棲前、同棲後とバブルを経ながら長い期間の生活がかかれています。 祖母に対する親近感は変わらず、いつもその影が見えます。 読みかけですが、祖母がどのような時代で何を思ったのか、そして和歌がどのように生きるのか、不安まじりで楽しみながら読みたいです。 ー 少し読んだので追記です。 傷つく出来事があっても辛いと思わないようにしているのが痛々しいく思いました。 男性から傷つくこと、妊娠のこと、賞のこと。 大切に思った何かがうまくいかなくなってしまう。周りの所為にしなさすぎるのは少し違うと感じるのだけど、何かを避けようとしてそう思うことも正しいのだと思います。 過去からの経験や感情がその人を作っていてとても面白い本だと思います。 追 私は年を重ねると嫌な部分もわかるし、理解が深まるのが嫌でした。 故意に傷つける側も傷つけられる側の気持ちもわかってしまう気がします。 おそらくタエも傷つけられたのだと想像して憎く思ったりしましたが、 多分そんなことから抜け出してどう生きるかがスタートラインなのだと、読み終わってみるとどちらかと言うと清々しい気持ちになりました。すこし希望が見えた気がして嬉いです。 普段の何気ないことが組み合わさって歪になるのがとても面白かったです。フィクションのような出来事が出てこなくても感情豊かに創作できるのはすごいと思います。
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