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私のなかの彼女 の商品レビュー

3.8

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2023/03/06
  • ネタバレ

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昭和から平成になる頃の時代。 有名になっていく彼 元は作家だった?祖母 その二人をすごく意識してる主人公。 自分もそこから作家を選ぶけど なんだか全部中途半端で。 彼に対して劣等感とかあったり 彼が不在の部屋を楽しんでるのに 結局彼が離れていくと ずっとなぜなぜに囚われて苦しそう。 自分という価値を求めすぎて 終始生き辛いよと思いながら読んだ

Posted byブクログ

2023/01/22
  • ネタバレ

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大学在学中にイラストレーターとして活躍し始めた恋人、仙太郎との結婚を夢見ていた和歌が、かつて祖母の書いた小説を見つけたのを機に、自分も小説を書き、作家業を中心にしたい思いと、仙太郎への遠慮との間で常にモヤモヤさながら、自らの道を進み始める物語。 社会で活躍しようとする女性の生き辛さ、表面上は男女平等といいながら、女性に期待する役割についてはまだ昔ながらのものがあると感じる現在の状況も重ね合わせて読むと、和歌の気持ちもわからないわけではないが、和歌は少し病的と言えるほど何かに囚われすぎている感じが否めず、あまり共感できなかった。 一方で、仕事が忙しいと家事が疎かになる点は自分にも思い当たるところがあり、だから自分はダメなのか、と痛い気持ちにもなった。

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2023/01/21

だんだんとセリフや、「私の中の彼女」という題名の意味がわかってきて面白かったです。 感情移入しすぎてしまって、かなり心にくる作品でした。 生きる時代も異なっていて重なる部分はないけれど、女性としての生き方や時代背景、人間関係に共感できる部分はたくさんありました。 この物語を読...

だんだんとセリフや、「私の中の彼女」という題名の意味がわかってきて面白かったです。 感情移入しすぎてしまって、かなり心にくる作品でした。 生きる時代も異なっていて重なる部分はないけれど、女性としての生き方や時代背景、人間関係に共感できる部分はたくさんありました。 この物語を読んで、「成長した」よりも「昔はあんなに楽しかったのに…」と考えてしまう私はまだ子供だなあと思いまし

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2022/10/14

やはり俺が尊敬して敬愛する偉大なる作家先生である 角田光代様の作品! とても面白かったです。 読んでいて、どの人物にも自己投影できないんだけど そこは、さすがの文章力でどんどん読み進められました。 なんとも感想を書くのが難しいのですが、 文庫本の最後の解説で津村記久子が書いている...

やはり俺が尊敬して敬愛する偉大なる作家先生である 角田光代様の作品! とても面白かったです。 読んでいて、どの人物にも自己投影できないんだけど そこは、さすがの文章力でどんどん読み進められました。 なんとも感想を書くのが難しいのですが、 文庫本の最後の解説で津村記久子が書いているのが 本当にその通りと言った感じでございました。 本編を読む前にこの解説を読んでからだと めちゃくちゃ読みたくなるかもしれません… この解説の最後がまさにこの小説を表しているので抜粋します。 「精一杯生きること」よりも価値のあることなんてあるんだろうか。 「自分の人生を生きる」気概とは何か。 この小説は、「生き方を教えてあげる」という本より精細に、どんな先人の知恵よりもフェアに、そのことを教えてくれる。 読む人の心に、小さいが簡単に消えない生きる勇気を灯す。

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2022/08/25

すごい本を読んでしまった。角田さんは大好きなのに、このタイミングまでこの本を読んでこなかったが、今がそのときだったのだと思った。解説がこれまた大好きな津村記久子さんで、まさに私得。 主人公の和歌が母親に「あんたはおかしい」と言われるところは、自分の昔の記憶と重なって一度ページから...

すごい本を読んでしまった。角田さんは大好きなのに、このタイミングまでこの本を読んでこなかったが、今がそのときだったのだと思った。解説がこれまた大好きな津村記久子さんで、まさに私得。 主人公の和歌が母親に「あんたはおかしい」と言われるところは、自分の昔の記憶と重なって一度ページから目を離す必要があった。 終盤、和歌が歴史的建造物や文化遺産を見ても物足らず、そのはずれの道を行き交う人々や雑多な様子を見て、その土地で暮らす人が見たかった、と気づくシーン。人が怖いくせに人に興味があるもいうのも、最近の私と重なった。 誰かに「あなたは普通だ。大丈夫だ」と言ってほしい、肯定してほしいという願い。おかしくないと言われないと自分が間違っているかもしれないという底知れない恐怖。そんな化け物を内側に飼いながら、それでも人との関わりを辞めずに生きていく。 和歌はこれから誰かと深く関わることができるのだろうか。私もこれから物を書いていきたいが、仙太郎の言葉が呪縛として思い出されることがあるかもしれない。そんなときに、私の支えになるものはなんだろう。 なんとなくで始めたことでも、それが思わぬ方向に導いてくれるることはある。「人は運命を避けようとした道で運命に出会う」というような言葉もある通り、今やっていることに不安を覚えても、目の前にやってきたことには真摯に向き合いたい。

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2022/08/18
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はじめての角田光代さん。圧巻。 親に“女”らしく生きることを押しつけられ、仙太郎のリアクションに脅え、しかし自分のやりたいことに人生を賭けている和歌。自分と重ねて読んでいたので、憤り、心をえぐられる部分が多々あった。今でこそ女性の社会進出もだいぶ普通かなと思うけど、仕事を選ぶって、こういうことなのか?と自分の行く末も怖くなった。でも“タエ物語”の辿り着いた先が“愛”だったのには、とても救われた。想像は自分の知っている範疇を超えないだろうから、和歌が“愛”を知ったのだろうと。“タエ物語”が和歌の心境によってだんだん形を変えていくのはおもしろかった。その描写もすごいし、人間の弱さや葛藤も細かく描かれていて、一見矛盾したようなごちゃまぜな感情が、リアルだ、と思った。 “妄想と現実は相反しない”とすると、仙太郎が和歌に言った酷い言葉の数々は、和歌の妄想だったのだろうか?仙太郎はこう思うだろうという仮定が妄想になり、和歌の現実に影響を及ぼした、という解釈をしたが、、。“妄想と現実は相反しない”。何かに当てはめると解るような、でもふわっとしか自分の中に落とし込めない難しい言葉。

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2022/04/10
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面白かった…! 何がとか、どう、とか問われると難しいのだけど 本田和歌の祖母タエは何者なのか 恋人の仙太郎は何者なのか そもそも本田和歌は何者なのか 何かが隠されているようで 入り込んでしまう何かがあった そんなことはっきりとは分からないままで、 それが人生だよなと なんとなく思わされた 有川浩さんのストーリーセラーを読んだ後に 読んだから書く側の人間の作品が続いてソワソワする。 いや、まぁ、書けないのだけれども。

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2022/04/08

2022.4.8読了 序盤は和歌の恋人の仙太郎が鼻について読むのが苦痛だった。慣れない場所に連れて行かれて緊張する和歌が自分に重なり、正直見ていられない気持ちになった。その他にも仙太郎の発言が気に障り、和歌はなぜこんなにもいけすかない男とつきあっているのだろうかとイライラしながら...

2022.4.8読了 序盤は和歌の恋人の仙太郎が鼻について読むのが苦痛だった。慣れない場所に連れて行かれて緊張する和歌が自分に重なり、正直見ていられない気持ちになった。その他にも仙太郎の発言が気に障り、和歌はなぜこんなにもいけすかない男とつきあっているのだろうかとイライラしながら読んだ。 和歌が、実家の蔵で祖母の秘密に出会ってからはとても面白くスムーズに読み進めた。 多くはない手掛かりで祖母という人を紐解いていき、ようやくその人を和歌が捕まえることができた時、なんだかホッとしてしまった。

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2022/02/25
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様々な場面で強く心を揺さぶられた。最後まで恋人への執着がすごかった。常に意識の根底に恋人の存在があって、主人公はずっと振り回されているけど、だんだん実像ではなく、自分の中の恋人像に振り回されていったような気もした。大切にしていたものと、小さなズレを感じて(いつもの感じじゃない)少しずつ不安になっていくところと、自分の衝動との葛藤が読んでいてとてもどきどきした。 主人公の執着もすごいけど、恋人のつけ離し方も恐ろしい。安心していた存在から、牙をむかれる感覚が恐ろしかった。「あんな汚い生活してるから」には鳥肌が立った。 強い淋しさを、静かな怒りで返していたのかもしれないけど、受け入れられないものを傷つける人間にはなりたくないと思った。 母の「醜女」とまで呼んだ祖母に対する軽蔑のような思いも、執着なように感じた。自分は絶対に母のようにはならない、という思いが読んでいて苦しかった。 人は受け入れられないことがあると、何かのせいにして、自分を守ろうとするのかもしれない。手放せた方がきっと楽なのに。端から見るとそう思ってしまう。自分の中にも手放せないものたくさんありそう。 母や恋人に何度も言葉で傷つけられても、”ただしい”と思うのは、打ちのめされすぎて立ち上がれないから?自分を責めることでしか自分を守れなかったのかな。 怒りは、人の心を守るものなのだと思った。 書きたい衝動を猛獣と表現しているところが好き。振り回されながらも追いかけずにはいられない。そんな体験してみたい。 術後のシーンでは何度も心が揺さぶられた。手術して初めて「1人じゃなかった」と感じること、なんとしても賞をとらなければという思い、全てから解放されたのに感じるむなしさ、自分の本音に耳をふさぎたくなる思い。どれも痛いほど伝わってきた。

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2022/02/17
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田舎から出てきた平凡な大学生の和歌。1つ年上の仙太郎という初彼氏がいる。仙太郎は都会っ子で、バブルの趨勢も手伝って、在学中にイラストレーターとしてブレイク。和歌には物書きをしていたと考えられる祖母がいた。母はその祖母を嫌い、和歌に普通の女性の幸せを望む。就活もしないでいた仙太郎に勧められ、ひとまず就活し、仙太郎と祖母の影響を受けて、小説を書き、ブレイクする。本人には言わないものの就活前後は仙太郎との結婚を望み、ブレイクしたら同棲を誘われ始める。書くことに夢中になると家内は荒み、妊娠、流産。 和歌より先にブレイクし、同じようなことを経験し、生活リズムもしっかりしている仙太郎。長い仙太郎との生活は終わりを迎え、仙太郎は別の人と結婚し子供が2人。 和歌視点で書かれているので、仙太郎の気持ちは読者の想像となる。 和歌は仙太郎から大きく影響を受け、無意識にも後を追いかけるように頑張ってたんだと思う。仙太郎に甘えていた部分もあったとは思うけど、タイミングは合ってないし、それを素直に言わないから、尚更ズレていったんだと思う。言えない性格なんだろうとは思うけど。 ストーリーはありきたりに思われるかもしれないけど、続きが気になった。モヤモヤした気持ちを文章にできるのが凄いと思う。

Posted byブクログ