向田理髪店 の商品レビュー
北海道の寂れてしまった炭鉱町。通りにひと気はないけれど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。 誰が読んでも夕張町がモデルとわかるが、そんなことは全く気にならなかった。閉鎖的で将来に希望の持てない田舎の街の姿が描...
北海道の寂れてしまった炭鉱町。通りにひと気はないけれど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。 誰が読んでも夕張町がモデルとわかるが、そんなことは全く気にならなかった。閉鎖的で将来に希望の持てない田舎の街の姿が描かれているのに、作者の見つめる視線がやさしいせいか、最後まで楽しく読めた。 (B)
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過疎化が進む北海道の苫沢町にある理髪店店主の康彦のいろんなエピソード。 自分の老後や親の介護の話などは耳に痛いなぁと思った。
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北海道の夕張がモデル?の苫沢のお話。北海道弁はちょこちょこおかしいところがあるせいで、入り込めなかった… でも康彦は人柄がよかったな。最初はカッカしててわからず屋だなと思ったけど、自分の過去と息子の将来のことを考えて我を忘れる感じになってたのかなと思った。 どんどん理髪店の方らし...
北海道の夕張がモデル?の苫沢のお話。北海道弁はちょこちょこおかしいところがあるせいで、入り込めなかった… でも康彦は人柄がよかったな。最初はカッカしててわからず屋だなと思ったけど、自分の過去と息子の将来のことを考えて我を忘れる感じになってたのかなと思った。 どんどん理髪店の方らしく町民皆の話し相手として毒のないいい人な描写があって、こういう人がいないとムラ社会では喧嘩も多そうだなぁと思った。 映画の誘致で盛り上がったり、事件があったりと色々あるけど、リアリティーがあって面白かった。
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北海道の田舎の村、過疎化の悩み。連作短編。 最初の2話を読み、こういうのは事実だろうけど小説としてはそれほど…という気持ちになり読むのをやめようかと思ったけど、その後の『中国からの花嫁』が良かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
3.8 北海道の過疎地・苫沢町で理髪店を営む向田康彦。 その妻・恭子、同居の母親・富子。 大学卒業後、札幌で働いていたが突然帰郷し理髪店を継ぐと言い出した息子・和昌。 町おこしで活性化を目指す若者達。苫沢に戻り、町で二件目のスナックを始めた早苗をめぐる男達のから騒ぎ。 苫沢を舞台した映画の撮影と、その後の騒動等。 閉鎖された田舎ならではの人間関係の密度の濃さ。 良くも悪くも・・・。
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北海道の寂れた炭鉱の町「苫沢」の物語 理髪店の息子が家業を継ぎたいという話、病気で倒れてて一人で暮らす老人の話、中国から花嫁を迎えた男の話、東京から町に戻ってきたスナックのママの話、町に映画のロケが来た話、詐欺で逃亡し戻ってきた男の話。どれも身にしみる話ばかり。
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心温まる。癒やされる。ちょっと意地悪なまなざしながら、きっちりフォローしつつ、それでなんだかやさしい気分に導かれる。奥田英朗の安定感はすばらしい。
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自分とはまったく別世界、無関係なところの日常生活を偶然見てしまった様な罪悪感 妙に心がわさわさする・・・・
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北海道の経済破綻したかつての炭鉱町で床屋を営む向田さんが、町の人々と関わりながら日々のちょっとした出来事を解決していくお話。 理髪店だと町の人との距離感が丁度良いのかもしれません。 過疎の町や町おこしの話などのほか、人との会話で物事が解決していく様がうまく描かされています。 読み...
北海道の経済破綻したかつての炭鉱町で床屋を営む向田さんが、町の人々と関わりながら日々のちょっとした出来事を解決していくお話。 理髪店だと町の人との距離感が丁度良いのかもしれません。 過疎の町や町おこしの話などのほか、人との会話で物事が解決していく様がうまく描かされています。 読み終わった後、温かい気持ちになります。
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※このレビューにはネタバレを含みます
北海道の夕張(のような町)が舞台です。 田舎のちょっと差し出がましいような、しかし、お互いを支えあう人間関係が引き起こす人間模様、という感じです。 現実的にはもっと厳しいかと思いますが、ちょっとだけこの町の将来は明るく見えました。 ちなみに雨戸は北海道には一般的でないと思うので、そこは違和感を感じました。
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