向田理髪店 の商品レビュー
考えさせられながらも、ヤキモキし、ため息。身近過ぎて居心地が悪いくらいだ。でも、読み進めるのをやめられない。だって、面白い。だんだん出てくる人々が可愛く感じられていく。 ひとつだけ、ツッコミを入れるのならば。 北海道の住宅に雨戸はないよ。
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舞台は北海道の過疎の町。向田理髪店はこの地で親の代から営業を続ける理髪店。変化のない田舎、娯楽もない。噂はすぐに町中に広がる。そんな中で生きる人たちの悲喜交々…。田舎町の閉塞感を描かせたらこの人は天才的に上手い。数少ない若者たちが、なんとか町を盛り上げていこうとしているのに対し、...
舞台は北海道の過疎の町。向田理髪店はこの地で親の代から営業を続ける理髪店。変化のない田舎、娯楽もない。噂はすぐに町中に広がる。そんな中で生きる人たちの悲喜交々…。田舎町の閉塞感を描かせたらこの人は天才的に上手い。数少ない若者たちが、なんとか町を盛り上げていこうとしているのに対し、 大人たちは悲観的で、あまり期待していない。高齢者ばかりのこの町に住む人々の、大変だけどそれなりに楽しくやっている日常を描いていて、この“それなりに楽しく”がいい感じ。ほろっと寂しくて、温かく、身につまされる良い小説!
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最初は、むむ、これはキツイと思った。 かつては炭鉱で栄え、財政破綻した過疎の村。 先行きの見えない重苦しさに、むむむ…と。 しかし、物語が進むにつれて、どこかほっこり温まる。 いや、現実が変わったわけじゃないし、 劇的に明るい未来が見えているわけじゃない。 向田さんの冷静な目で...
最初は、むむ、これはキツイと思った。 かつては炭鉱で栄え、財政破綻した過疎の村。 先行きの見えない重苦しさに、むむむ…と。 しかし、物語が進むにつれて、どこかほっこり温まる。 いや、現実が変わったわけじゃないし、 劇的に明るい未来が見えているわけじゃない。 向田さんの冷静な目で見れば、問題は山積なんだろう。 だけど、その向田さんも、悪くないなって思うラストが待っている。 一番良かったのは「中国からの花嫁」かな。 よくも悪くもおせっかいな村 だからこそ足踏みしていた花婿さんが またもう一度踏み出したスピーチはじわっと泣けてきた。 「逃亡者」は、個人的に思うところがあった。 ちょうど近所で事件があり、マスコミや警察の様子など、まさにそのまま。 ずらりと並ぶマスコミはちょっと怖かった。 インターフォンや電話に、軽いノイローゼになりそうだった。 ただ、それからは近所のつき合いもちょっと変わってきた。 お互いの家の様子を伝えあったりして声かけが頻繁になってきた。 ちょっと鬱陶しい面もあるけど、密接な近所づきあいは大切だ。
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北海道の過疎の町で理髪店を営む向田康彦。彼の元には、町で起こった様々な事件が持ち込まれるのだが…。小さな町だから煩わしいこともあるけど、小さな町だからこその温かみも感じられる、心がほっこりする物語でした。
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北海道のかつて炭鉱で栄え、今では経済破綻した過疎の町が舞台。私には暮らした事が無いような町の日常生活は、ちょっとしたカルチャーショックだった。物語は誇張表現では無く、実際にこのような過疎の町は多いのだろう。土地は広いが、人のコミュニティーは狭い。プライバシーという言葉からも縁遠い...
北海道のかつて炭鉱で栄え、今では経済破綻した過疎の町が舞台。私には暮らした事が無いような町の日常生活は、ちょっとしたカルチャーショックだった。物語は誇張表現では無く、実際にこのような過疎の町は多いのだろう。土地は広いが、人のコミュニティーは狭い。プライバシーという言葉からも縁遠い生活だ。しかし何かあれば町中の人が動く。匿名で生きてはいけないが助け合える。「向田理髪店」の店主である康彦の少し引いた人格が摩擦が起きた時のいい緩衝材となっていい感じだ。いろいろあったが、この町の未来にも光が差し込みそうだ。
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老後のことは考えたくないから、今悩んでも仕方がないからと、全部曖昧なままにして先送りしてしまう。だけど、先送りの本当の理由は考えると憂鬱になるからに過ぎない。ドキリとする日常の中のアルアルが短い言葉で言い尽くされている。いろんなところから不意に飛び出してくる。あまりにも自分にその...
老後のことは考えたくないから、今悩んでも仕方がないからと、全部曖昧なままにして先送りしてしまう。だけど、先送りの本当の理由は考えると憂鬱になるからに過ぎない。ドキリとする日常の中のアルアルが短い言葉で言い尽くされている。いろんなところから不意に飛び出してくる。あまりにも自分にそのままあてはまる。見られているのではと思うくらい。誰しも同じような悩みを胸に抱えながら日々乗り越えている。何だかほっとする。
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北海道の寂れた街での出来事。 方言の心地良さ。住民たちの親密さ。 理髪店を継ぎたいと帰って来た息子。 嫁の来てがないから、中国人女性と結婚した男性。 映画のロケ隊が来て沸く街。 地元の子が東京で事件をおこし、指名手配になってしまう。 などなど、誰でも顔見知りの小さな町で起こる...
北海道の寂れた街での出来事。 方言の心地良さ。住民たちの親密さ。 理髪店を継ぎたいと帰って来た息子。 嫁の来てがないから、中国人女性と結婚した男性。 映画のロケ隊が来て沸く街。 地元の子が東京で事件をおこし、指名手配になってしまう。 などなど、誰でも顔見知りの小さな町で起こる出来事なんだけど、言いたい事を言い合い、喧嘩もし合いながらも、ここでずっと顔を合わせて生きていかなければいけないから、 協力し合い、みんなで一緒に成長していく姿がとても心地良かった。 NHKあたりでドラマ化してほしいかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルから、理髪店に来る人のお話かと思ったら全然違った。 「寂れた町のちょっとした出来事」的お話。 過疎の町のほのぼのとしたいい話なんだけど、 これで終わるのは物足りなすぎる。 早苗や、和昌の今後も気になるし。続編に期待。
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北海道の過疎の村が舞台 そこで繰り広げられる人間模様 そこでしかわからない窮屈さとおおらかさ 理髪店の店主向田さんの人柄で救われる 読後感がいいね、奥田作品だ いろいろあったけど大丈夫だね ≪ 訪れて 髪も心も すっきりと ≫
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面白かった。過疎地の問題に綺麗事を言わないところに好感を持った。死にゆく街とそれでもそこで暮らす人たちを暖かく描いてて、田舎面倒くさそうだなーと思いながらも楽しく読めた。
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